人権派弁護士の伊藤和子さんツイート。
ある筋から在日認定され続けてるのですが、最近、私が別の筋から「ジャップ寿司女」と罵倒されてると、ヒューマンライツ・ナウに通報があった。いずれにせよ、国籍を攻撃に利用したり国籍差別するのはよくないし、国籍なんて関係ないよね。ジョン・レノンが言う通り、国境がなくなるといい。それが理想
— 伊藤和子 (@KazukoIto_Law) 2015, 12月 14
まぁ 慰安婦問題とか、ややこしいことに絡んでる人だから、かなり攻撃は受けるのでしょう。
伊藤弁護士はAV女優被害者支援(契約詐欺の様なもの)の弁護活動で成果を上げているので、社会的に完全に悪者とは思えません。
ただまぁ かなり極端な左派で、慰安婦問題で自国を世界からのバッシング対象にしてしまうことについて無頓着というか、女性の人権と言えば全て正しいと錯覚を抱いてると言うか、ナイーブすぎて韓国の嘘と日本の保守系の嘘に巻き込まれてる印象を受けます。
在日認定云々については、仮に在日だったとして人種差別だし、在日でなくても(在日だー!とのニュアンスで攻撃してる時点で)やはり人種差別的な要素があります。
これがあるから、在日問題を社会的に論じる必要がある時も、やたら配慮しなくてはいけなくなってタブー化していっちゃうんですよね。
そして人種差別にならな様に配慮する人(メディア)に対して、「在日を庇ってる」 「あっちの仲間」 「メディアに在日が混じってる」 と、やはり人種差別的な陰謀論に陥る。
こういう愛国バカが、マッチポンプを擦って自分で騒いでるから、始末が悪い。
(パラノイアですね…)
人種差別が良くないのは、ごく常識です。
その問題と、慰安婦問題で韓国の主張が滅茶苦茶であることは、切り離して考えるべきです。
元慰安婦の女性をバッシングする日本の古臭い保守も、相当に問題があるし…。
さて本題。
伊藤氏のツイートの最後のほうにあるイマジン。
歌詞と和訳の確認はこちらのリンク先で。
http://ai-zen.net/kanrinin/kanrinin5.htm
イマジン…なぁ。(*´Д`)
リベラルや左派が好んで、保守系の人が嫌う構図を見ますが…。
これ、ジョンレノンのメッセージが理想かどうか単体を考えても、
今日的な各国で見られる文化摩擦(欧州の移民問題など)を見ると、えらく疑問なのですが…。
それよりも、この歌のインスピレーションとなる思想の「背景」が際どいんですよね…。
ジョンのメッセージは瞑想的で、苫米地英人氏の仏教解説で言えば 「空観」 に分類される一切の区別差別を取り払う悟りの境地をイメージしていると解釈できます。
苫米地氏は 「空観」 と、もう一方の 「仮観」 の組み合わせ方によっては、とても危険であると言います。極端な例としてオウム真理教が典型だと。
(この世界の一切は仮のもので、教義に従わないものは消しても良い…となるのね)
イマジンのメッセージからは、特にオウム的な暴力的な教義への誘導は無いのだけど…。
思想勢力的な 「背景」 があって、それが変な化学反応を起こすと恐い。(*´Д`)
この種の平和主義的なメッセージを導入に使って、かなり際どいところにオルグする勢力も、あるのですよね…。
ビートルズの瞑想の師匠。
もの凄い保守主義者の一面があります。
たしかヒマラヤのほうで修行を修めたヨギだったはずで、それゆえにヴェーダの伝統を重んじ、各国の伝統も重んじる保守主義であるのは当然とも言えます。
…しかしですね。
この方はご存命の時に、しっかりハッキリと、日本は天皇制に 「戻るべき」 と指針を打ち出した人なんすよね。(汗)
もちろん現在でも日本は象徴天皇制なので、「戻るべき」天皇制って言えば…すなわち戦前じゃないかということで、当の瞑想団体の内部で混乱が起きたほどです。
まぁ…。
山崎闇斎先生から派生した神道神学的な考えで言えば、復古的な天皇論も全く分からんではないんですけどね。
中国儒教での 「革命是認」 の君主制と違って、 日本は 「革命否認」 で君臣民の相互扶助によって、国の秩序とひとつの皇統が一貫して守られてきた歴史があり、それはたしかに日本の素晴らしい特徴です。
でもそれだからと明治憲法の様な態勢に戻るのはもう無理であって、悲惨な戦争と敗戦で見事にぶっ壊れた価値観と言うか、もう大半の日本人は戻りたくない価値観というか、無理矢理戻っても世界に通用しない価値観ですよね、普通は…。
しかし一方で、三原じゅん子さんの様に無邪気に八紘一宇を夢見る政治家まで出てくるご時世です。伊藤さんの様にイマジンを理想とするナイーブな人が一定数いて、変なところに流れ着く人も発生することを想定すると、ちょっと恐いと思うんですよね、私は…。
念のために書いておくと 「神道神学」 という学問が、「神道を信じている人」 の立場を前提とした学問であり、また今日的には政教分離が憲法にも記されているのに、今さら祭政一致の天皇制とかありえねーだろ…となることは常識なわけです。
皇室を尊重するなら、現在の象徴天皇制か、宮台真司さんが提唱する双剣論の様な形でないと無理でしょう。何れにしても日本全体の君主として担ぎ上げることは、相当に無理があって逆に皇室の破滅に繋がる可能性大です。
(一部の自称保守が狙ってるから、創価学会と同じ様な意味で本当に迷惑なんだけど…)
非日常の伝統として男系男子の後継を保つことには私は賛成です。
でもそれは、日本人全体が神道を信じるべきとか臣民として天皇に仕えるべきであるとか、そういうこととは繋がりません。
歴史の連続性と秩序を保つのに合理性があるからです。
戦前回帰路線では、国内的にも、国外的にも、反発が大きすぎます。
神道系の宗教右派の中で(創価学会と公明党の様に内部だけで)勝手にやっててくださいという思想世界です。
この日記を見て、
なんでイマジンから天皇制の話になるのよ…と思う方もおられるかもしれませんが…。
本当に繋がっています。
神道界の一部コアな部分と、ジョンレノンが参加した瞑想団体。
(そして今でもポールマッカートニー達は瞑想の普及活動をしていたはず。
保守系雑誌の週刊新潮でも、その瞑想法について紹介記事が出たり…絶えてない)
その文化・宗教的な繋がりが、そのまま悪いとまでは言いませんが、昨今ネットなどで見られる過激な復古的ナショナリズムの高まりを観察していると、やや警戒が必要にも思えます。
少なくとも、イマジンをリベラル左翼の理想の歌と単純に見るのは、やめておいたほうが良いと思います。
イマジンは八紘一宇の世界観と親和性があり、思想の類似性だけでなく勢力的な繋がりも皆無ではありません。
そこに全くの無自覚でいるよりかは、認識だけでも持っておくべきです。