今週の中央競馬はGⅠ競走こそありませんが
福島競馬が始まり、3場開催となります。
ハンデ戦の長距離重賞もありますし、ダートGⅠに向けての
ステップレースもあり、楽しみなのは変わりなさそうです。
障害戦は土曜日に重賞の京都ジャンプステークスが行われ
日曜日は福島で未勝利が2鞍、4レース・5レースで行われます。
・11月9日(日)福島4レース 芝2750m 発走11:15
(美浦)
ノーダブルディップ
→116秒7(良)6/5・上野【芝/マ】
ヒットアンドロール
→117秒5(やや重)10/16・石神深【ダ/-】
サトノリアン
→111秒2(やや重)10/16・伴【ダ/-】
日曜4レースの初障害馬は3頭です。
2020年10月に中山での新馬戦でデビューしたノーダブルディップ。
デビュー戦は2着でしたが、勝った馬は後のGⅠ馬タイトルホルダーでした。
平地では38戦して2勝。初勝利はダート、1勝クラスは芝で勝ち上がり。
2勝クラスでは中山のマイル戦で馬券内に入る走りを見せました。
レースは今年の3月以来。障害試験は6月に合格していますが
そこからまた乗り込まれての初障害戦となります。
ヒットアンドロールは期間内に未勝利戦を勝ち上がれませんでしたが
その後も1勝クラスに格上挑戦を続けていました。
2着もありましたが、勝利は挙げられずこのタイミングで入障となります。
父のブリックスアンドモルタルの産駒はこれまで障害を走ったのは2頭だけ。
そのうちの1頭、フォージドブリックは障害初戦こそ大敗でしたが2戦目で
勝ち上がっています。
サトノリアンの母は2012年のヴィクトリアマイルを勝利したホエールキャプチャ。
2024年に国枝栄厩舎からデビューしましたが、2戦して地方競馬へ転出。
JRAに再転入しましたが、戻ってきてからは美浦の萩原清厩舎に所属しています。
萩原厩舎は今年、スコラーリが初障害戦でいきなり勝ち上がりました。
騎手はその時と同じ、伴啓太騎手が騎乗します。
・11月9日(日)福島5レース 芝2750m 発走12:05
(美浦)
ベイビーベリッシモ
→110秒8(やや重)10/16・五十嵐【ダ/-】
5レースの未勝利は(混合)のレース。初障害馬は、1頭だけとなります。
ベイビーベリッシモは平地で10戦。最高着順は6着が2回でした。
障害試験は2回目で合格。1回目はタイムオーバー(121秒0)。
翌週の試験では10秒近く、時計を縮めたことになります。
この馬の兄、ベイビーステップも障害レースを走りました。
2021年から2022年にかけて6戦2勝。未勝利、清秋ジャンプを連勝した
実績があります。弟のベイビーベリッシモの走りも楽しみです。
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美浦:0.0.0.11
栗東:1.0.0.13
東京と京都で行われた未勝利戦のまとめになります。
11月に行われた1鞍も含まれますが、これも「10月」に含めて
カウントしたいと思います。計7鞍の未勝利戦が対象です。
馬券内に来たのは関西馬、キングサーガ1頭だけでした。
障害試験は98秒台と早いタイムでしたし、上がり3ハロンのタイムも
優秀なものでした。去勢され、せん馬になっているということは
気性に不安を抱えているイメージがありましたが、飛越も巧いですし
順調に使えると楽しみな存在だと思います。
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2025年の障害騎手リーディングの情報も載せておきたいと思います。
残りは2か月となりましたが、高田潤騎手が抜けて勝ち星を積んでいます。
1位
高田 潤騎手 (17-8-5-4-7-18)
2位
小牧 加矢太騎手(11-13-11-8-7-34)
3位
上野 翔騎手 (9-7-12-9-3-48)
4位
草野 太郎騎手 (8-9-3-10-9-34)
5位
森 一馬騎手 (8-7-5-5-3-34)
障害戦で「年間20勝」というのは快挙と言われる世界。
そこに手が届きそうな位置まで高田騎手は来ています。
怖いのはケガ。もちろんどの騎手もですがレース中も、調教中も
ケガには気を付けて乗ってもらいたいと思います。
2日の早朝にアメリカのデルマー競馬場で行われたブリーダーズカップ。
クラシックに出走したフォーエバーヤングが1着となりました。
日本調教馬としては、もちろん初の大快挙となりました。
その数時間後にはメジャーリーグの野球でも山本由伸選手がMVP獲得と
異国の地、アメリカで日本の馬や選手が大活躍という日曜でした。
競馬は天皇賞(秋)が行われ、ルメール騎手が勝利したことで
3週連続のGⅠ勝利という快挙が達成されました。
障害戦は土日とも京都で未勝利戦が行われましたので
そちらを振り返りたいと思います。
・11月1日(土)京都4レース ダ2910m
(栗東)
ビーアイオラクル
→9人気/5着
バラジ
→1人気/中止
ハイウェイスター
→6人気/6着
ブルーセルリアン
→11人気/9着
勝ちタイム:3分18秒8(曇・芝:やや重/ダート:不良)
障害2戦目のメイショウウネビが勝ちました。
体重はプラス8キロで510キロ。デビュー以来最高体重でしたが
太目には感じませんでした。
道中は5番手の内で脚を温存。距離損をしない追走。
最終障害を飛んで先頭に立つと、そのまま押し切りました。
初戦は勝ち馬から3秒以上離されましたが、見事な変わり身でした。
2着は関東馬のネイチャーシップでした。
2周目の向こう正面では、飛越の際にバラジに前をカットされる
場面もありましたが、再度盛り返す脚を見せました。
この日で障害戦は6戦目でしたが、全て固定障害のレースに出走。
初障害だった小倉戦以外は全て掲示板に載る堅実な走り。
次走も好勝負は必至とみています。
7番人気のアナザーエースが3着となりました。
ゲートは横を見ているタイミングで開いてしまい、後方から。
飛越はほぼ問題なく、1カ所だけ遠い飛越の場面がありましたが
おおむね、問題はありませんでした。
「馬体はもう少し、絞れた方が良いと思う」
というのは、レース後の井上敏樹騎手のコメント。
520キロを切るぐらいの数字だと、期待が持てそうです。
単勝2.5倍の1番人気に推されたバラジは最終障害の着地で躓き落馬。
競走中止となりました。人馬とも異状なしという報せは一安心でした。
途中までの飛越は、水壕で水しぶきが飛んだり、斜飛してる場面も
あったりと、まだまだ粗削りなレース内容でした。
それでも慣れが見込める次は、楽しみだと思います。
・11月2日(日)京都4レース ダ2910m
(美浦)
ウインシュクラン
→4人気/10着
フォワードアゲン
→6人気/9着
クリアクォーツ
→9人気/8着
(栗東)
アナゴサン
→5人気/7着
勝ちタイム:3分23秒2(晴・芝:良/ダート:やや重)
10頭立てだった、日曜日の未勝利戦。
初障害馬は4頭でしたが、初戦から結果を出せた馬はいませんでした。
1番人気のゲインサポートが8戦目で障害未勝利を勝ち上がりました。
好位2番手から積極的な競馬、3頭の叩き合いを制しての勝利。
障害戦では2度目の1番人気でしたが、それに応えました。
森一馬騎手は土日で連勝、今年の勝ち星を8勝としました。
2着はオステリアでした。前走3着に続く馬券圏内の好走となりました。
スタートは一息、それでも位置を取りに行き、勝ち馬をマークした走りは
鞍上の好判断もあったと思います。
とはいえ、この馬は脚を溜めても届かず、前に行っても末が甘くなり
勝ち切るまでには注文が付くタイプだとみています。
大崩れはしないと思いますが、連単系では買いにくいと感じました。
3着はシンガリ人気、10番人気のボエームでした。
スタートこそ遅れ気味でしたが、1周目の3コーナー過ぎからハナに立ち
軽量を活かした乗り方に見えました。
2戦目で変わり身を見せましたが、斜飛も目立っていた印象があります。
さらに上積みがあるとは思いますが、全幅の信頼はまだ危険かもしれません。
初障害だったウインシュクランはスタート直後こそハナに立ちましたが
行きたがるあまり、飛越が雑になってしまい、飛ぶたびにポジションを
下げてしまう内容でした。頭を上げてしまうので、その癖を矯正する
必要がありそうですが、和田正一郎調教師と石神深一騎手のコンビなので
馬具などで工夫してくるかもしれません、次は馬装にも注意したいです。
新潟競馬も含めた3場開催が行われていましたが
今週は東京と京都の2場開催、日曜日は秋の中距離路線のGⅠ戦、
天皇賞が行われます。
障害戦は土日とも京都の4レースで、未勝利戦が組まれています。
・11月1日(土)京都4レース ダ2910m 発走11:35
(栗東)
ビーアイオラクル
→101秒7 9/18・黒岩【ダ/中】
バラジ
→94秒7 10/9・鷲頭【芝/長】
ハイウェイスター
→100秒5 10/9・中村【ダ/中】
ブルーセルリアン
→101秒8 10/16・小牧加【ダ/-】
イロゴトシを障害チャンピオンにまで育てた牧田和弥調教師と黒岩悠騎手。
このコンビで、ビーアイオラクルが初障害戦を迎えます。
父のエスポワールシチーの産駒は障害戦で勝ち上がったのはマリオ1頭だけ。
そのマリオは初障害戦からいきなり2着と好走してました。
鹿戸雄一厩舎から2歳にデビューをしたバラジ。
前走の関越ステークスも、鹿戸厩舎から出走していましたが
入障となるこのタイミングで、栗東の井上智史厩舎に転厩しています。
障害試験は94秒台の早いタイムで合格をしています。
今年2025年に栗東で障害試験を受けた馬で94秒台を出したのは
ガリレイに続いて2頭。ちなみにガリレイの初障害戦は10着でした。
ハイウェイスターは平地で17戦出走して1勝、2着2回3着5回の成績の4歳牝馬。
平地での唯一の勝ち鞍は小倉のダート1700m戦でした。
父のアメリカンペイトリオットの産駒は障害戦では1勝のみ。
2024年4月に勝ったパワータイショウ1頭だけとなっています。
ちなみにパワータイショウが障害7戦目での勝ち上がりでした。
ハイウェイスターは障害でも勝ち上がれるでしょうか。
ブルーセルリアンを管理するのは、宮徹調教師。
小牧加矢太騎手とコンビを組んでからは障害戦での調子が良く
8月終わりにホウオウエクレールが未勝利を勝ち上がり
9月と10月にコパノニコルソンで2勝を挙げている名コンビです。
ブルーセルリアンとのコンビではどんな結果となるか、楽しみです。
・11月2日(日)京都4レース ダ2910m 発走11:15
(美浦)
ウインシュクラン
→117秒1 10/9・石神深【芝/中】
フォワードアゲン
→118秒8 10/9・上野【芝/中】
クリアクォーツ
→117秒5 10/16・大江原【芝/-】
(栗東)
アナゴサン
→100秒1 8/14・黒岩【芝/中】
ウインシュクランの母イクスキューズは2007年のクイーンカップの勝ち馬。
岡田繁幸氏が個人名義で所有をしていた馬でした。
繁殖入りしたイクスキューズは6番目の仔で目黒記念を勝った
ウインキートスを生み、7番目がウインシュクランになります。
障害入りのこのタイミングで和田正一郎厩舎に転厩。
石神深一騎手とのコンビは、言わずと知れたオジュウチョウサンと同じです。
平地で43戦走ったフォワードアゲンですが、8歳で初障害戦を迎えます。
父のローズキングダムの産駒の障害戦成績は3頭で7勝。
そのうちの1頭、サペラヴィは初障害戦から1着、重賞含む5勝を挙げました。
また、管理する加藤和宏調教師は今年はトラファルガーで
障害戦でも勝利を挙げています。
クリアクォーツは3歳馬。未勝利を勝ち上がれませんでしたが
格上挑戦で1勝クラスのレースにも2回出走しました。
管理する的場均調教師は、開業以来障害戦の勝ち星は1つだけ。
2009年6月のペリーが最後となっています。
ただ障害戦への出走は当然ですがあって、今年も2月の小倉で
プリンセスララアが3着と馬券圏内に入る走りは見せています。
珍名馬としてファンも多い、アナゴサンが初障害戦となります。
管理する牧田和弥調教師は土曜日のビーアイオラクルに続いて
土日で初障害馬を送り込むことに。どちらの馬も、試験もレースも
黒岩悠騎手とのコンビとなります。
今年の3歳クラシック路線も、菊花賞で終了。
エネルジコが勝利し、鞍上のルメール騎手はこれで菊花賞3連覇。
長距離では騎手の技量が求められるとよく言いますが……。
ペース判断や位置取りは絶妙、お見事でした。
障害戦は土曜日がOP平場戦、日曜日は未勝利がありました。
東京で行われた未勝利戦を振り返ります。
・10月26日(日)東京4レース ダ3000m
(美浦)
ベルウッドウズメ
→11人気/13着
テーオービースト
→14人気/14着
グラツィオーソ
→12人気/11着
(栗東)
キングサーガ
→5人気/1着
勝ちタイム:3分23秒1(小雨・芝:やや重/ダート:不良)
初障害戦だった関西馬、キングサーガが差し切り勝ちでした。
序盤は大事に乗って中団を追走、最後は大外に出して追うと
すごい脚で伸びてきました。鞍上の小野寺祐太騎手も
「経験を積んでいけば、重賞でも」
というコメントを残すほど。これは逸材かもしれません。
飛越のセンスもありますし、次走も楽しみです。
障害2戦目のダノンロッキーが2着に。
しっかりと前付けをして、飛越も危ないところはありませんでした。
勝ち馬には3馬身、離されました。それでも悲観する内容ではありません。
残り200mで逃げ馬を競り落とした点は評価できます。
次も上位候補だと思います。
ハナを切ったマルベリーシチーが3着に粘りました。
大外枠から逃げの手に。上野翔騎手もレース後に
「切れる脚は使えないので、後続に差をつける乗り方」
として、この作戦を選びました。2周目の3コーナー過ぎから後ろを
引き離す乗り方は間違えではなかったと思いますが
上位2頭に上手に乗られての敗戦。こちらも次は期待が持てます。
1番人気の障害2戦目のロードヴァレンチは4着。
何回か踏み切りがひと息だった、と坂口智康騎手が話していました。
最後のダートコースに入ってきた際は5番手、そこからジリジリと伸びて
勝ち馬とは1秒3差。スタミナはありそうなので、レースに慣れて立ち回りが
上手になれば、馬券圏内もありそうです。
2番人気のシルヴァーデュークは8着でした。
初障害の前走が3着、こちらも障害2戦目での前進が期待されましたが……。
この日は走りにリキみが見られ、早々に手応えがなくなりました。
平地では芝のやや重で2着はありましたが、重馬場では全て着外。
この日の馬場状態が、シルヴァーデュークには向かなかったかもしれません。