2025年の秋のGⅠシリーズが始まります。
スプリンターズステークスと聞くと、かつては年末の開催、
残り少ない暦で、有馬記念の1週前でした。
秋に移ったのは2000年。ダイタクヤマトが勝って、物凄いインパクトでした。
あれから四半世紀が経ったことに驚きを禁じ得ません。

さて、障害戦は中山と阪神で行われます。
土曜日は中山、日曜日は阪神で開催。
どちらも朝の1レースで組まれています。


・9月27日(土)中山1レース ダ2880m 発走09:45
(美浦)
シュバルツガイスト
→114秒0 9/11・伴【ダ/短】
ワカムシャ
→114秒0 9/11・伴【芝/-】
ゴールデンステップ
→116秒2 9/18・金子【芝/中】
(栗東)
イーサンバーニング
→104秒8 6/12・小野寺【ダ/長】
シルヴァーデューク
→100秒4 9/18・小牧加【芝/中】

2020年のセレクトセールで1億2,100万円で取引された
シュバルツガイストは、2022年7月の札幌での新馬戦でデビュー。
余談ですが、その新馬戦はドゥアイズ、ドゥーラ、トップナイフなど
OP馬が並ぶ新馬戦でした。
シュバルツガイストはダート1200mで2勝を挙げました。
管理する国枝栄調教師の馬に伴啓太騎手が乗って、これまで
シャンドゥレールとガンダルフの2頭で障害未勝利を勝ち上がっています。

平地5戦を使ったものの、未勝利戦を勝ち上がれなかったワカムシャ。
ワカムシャもシュバルツガイストと同じ日に伴啓太騎手が障害試験を
合格していますが、こちらのワカムシャには水沼元輝騎手が騎乗します。
父はバゴ。かつては菊花賞馬のビッグウィークを輩出しましたが
そのビッグウィークが障害未勝利を勝ったのは2013年7月でした。
直近でのバゴ産駒の障害戦勝利は、2024年7月のデシマルサーガです。

ゴールデンステップは平地の芝2000mの未勝利戦で勝利。
1勝クラスでは7戦走りましたが、最高着順は4着でした。
2歳上の異父姉ホウオウフラッシュも現役時代の晩年は障害入り。
8戦して勝ち上がることは出来ませんでした。
姉はエイシンフラッシュを父に持っていましたが
ゴールデンステップの父はブリックスアンドモルタル。
この産駒が障害入りしたのはこれまで、フォージドブリック1頭だけ。
フォージドブリックは障害2戦目に、9番人気で勝利しました。

2024年3月に厩舎を開業した、栗東の藤野健太調教師がイーサンバーニングを

障害入りさせます。藤野厩舎の初勝利は、前厩舎から引き継いだ馬でしたが
ヴァレッタカズマの障害未勝利戦でした。
こちらの厩舎には、障害レースで活躍された元騎手の北沢伸也助手が

所属しており、おそらく障害馬の調教にかかわっているとされています。
ヴァレッタカズマ以来、障害戦での勝利はありませんが
どんな障害馬を作ってくるか、楽しみでもあります。

史上初のJRAの女性調教師として今年開業した前川恭子調教師。
これまで障害戦には2回、テクネチウムを出走させていますが
木原一良厩舎から引き継いだ馬でした。
前川厩舎で調教から馬を作って入障となると
シルヴァーデュークが初めてとなります。
ちなみに父シルバーステートの産駒の障害成績は0-2-3-30。
アルカンサスの2着2回が最高着順となっています。


・9月28日(日)阪神1レース ダ2970m 発走09:45
(栗東)
パワポケビー
→106秒1 8/21・田村【ダ/-】
テーオードラッカー
→95秒9 9/18・中村【ダ/短】
メイショウウネビ
→103秒3 9/25・森一【芝/中】

日曜日の未勝利戦に出走予定の初障害馬3頭は全て関西馬です。

6歳牝馬のパワポケビー。
デビューは美浦の中野栄治厩舎でしたが、その後に矢嶋大樹厩舎を
経由して、栗東の森田直行厩舎から障害デビューを果たします。
森田厩舎は障害戦では今年はビーンスタークで1勝していますが
騎手はその時と同じ、黒岩悠騎手が騎乗予定です。

兄にダートGⅠ勝ち馬、テーオーケインズを持つ
テーオードラッカーは平地で17戦2勝、2着4回、3着3回。
8月の盛岡での交流戦を使った後に障害試験を受験。
9月18日に合格して10日後にレースを迎えます。
父はコパノリッキー。先週の障害未勝利戦を勝ち上がった
コパノニコルソンと同じ父です。

芝2000m戦で3勝を挙げたメイショウウネビ。
9月25日に障害試験に合格して、その直後の週に障害の初陣を迎えます。
試験もレースも、森一馬騎手が騎乗予定。
管理する本田優厩舎の馬に森一馬騎手が騎乗するのは
2023年のナギサ以来となります。

先週は土曜日に阪神ジャンプステークスが行われました。
ネビーイームが勝って、障害戦5勝目を挙げました。
暮れの大一番、J・GⅠの中山大障害に向けてのステップレースも
今後は増えてきますし、障害のOP馬の動向も気になる季節です。

日曜日は阪神で未勝利戦が行われました。
そちらの振り返りをしておきたいと思います。


・9月21日(日)阪神1レース ダ2970m
(美浦)
トゥルース
→7人気/8着
(栗東)
エブリモーメント
→6人気/6着

勝ちタイム:3分21秒8(晴・芝:良/ダート:良)

初障害馬で馬券になった馬はいませんでした。
また、馬券圏内に来た3頭は全て「障害2戦目」の馬でした。

2番人気に推されたコパノニコルソンが勝ち上がりました。
障害初戦の前走は控えるレースでしたが、今回は2番手追走。
2周目の3コーナーで逃げ馬がスパート、さらにオステリアが並んできても
慌てず騒がず、しっかりと脚を溜めて末脚に繋げました。
もともと平地4勝馬、さらに直線ダートもこの馬には向きました。
「上(OP)でやるには、まだ覚えることが多い」
「とはいえ、能力はあるし、まずは折り合いを教えていきたい」
と小牧加矢太騎手。素質はありそうです。

関東馬ながら1番人気に支持されたゴールデンスロープは2着。
ハナに立つ積極策も、1周目のスタンド前では右に斜飛。
それでも走りながら修正をして、最後はキチンと飛べていました。
勝ちパターンに持ち込んだようにも見えましたが、最後は平地力の差。
次も好勝負になると思います。

3歳馬のセイフウサツキも障害2戦目で3着と好走。
初戦は勝ち馬から2秒以上離された7着でしたが、見事な変わり身でした。
難波剛健騎手は、よくなるのはまだ先、と良化する余地がまだありそうな
コメントを残していました。障害2戦目で、本場の置き障害で3着なら
メドが立った内容と言えそうです。

5着だったリードアクトレスは最初の障害でリズムに乗れず。
結果として自分の位置を守るだけで、伸びもバテもしない内容でした。
中山で走って、中1週でこの日のレースを迎えました。
馬体重はマイナス6キロ。馬にはキツいローテーションだったかも
しれません、一息入れて立て直しが必要かもしれません。

9月も半分を過ぎましたが、まだ東京は暑い日が続いています。
週末は天気も下り坂で酷暑にはならない予想ですが……。
とはいえ、木曜日も局地的な雨や突風など、自然の力には逆らえない
出来事も増えています。
大きな被害が出ないことを願うばかりです。

週末の中央競馬は今週も2場開催。
そして障害戦も引き続き、暑熱対策下での開催。
土曜日の重賞の阪神ジャンプステークスが4レース。
日曜日の未勝利戦も朝の1レースに組まれています。


・9月21日(日)阪神1レース ダ2970m 発走09:45
(美浦)
トゥルース
→116秒3 8/14・上野【芝/マ】
(栗東)
エブリモーメント
→98秒9 9/4・黒岩【ダ/短】

初障害馬は、東西から1頭ずつの計2頭です。

2022年12月に斎藤誠厩舎からデビューしたトゥルース。
中山競馬場の芝マイル戦の新馬を勝ちましたが、その後は低迷。
2024年の夏に金成貴史厩舎に転厩しました。
金成厩舎は2012年に開業、以来障害戦ではこれまで5勝を挙げていますが
厩舎が最後に障害戦で勝ったのは、2020年5月のマスラオです。

平地で18戦2勝の成績を残したエブリモーメント。
勝った2勝はどちらもダートの1200m戦でした。
父はベストウォーリア。2022年から産駒が走っていますが
障害戦を走る産駒は、このエブリモーメントが初となります。
管理するのは牧田和弥調教師。この厩舎の馬に黒岩悠騎手といえば
イロゴトシで中山GJ制覇の実績がありますし、先週の中山での
未勝利戦でもゴーツウキリシマを3着に持ってきたコンビです。

3連休の開催も終わり、15日の祝日はJRAスーパープレミアムとして
払戻金の上乗せもありました。
そもそも馬券が的中しないと、恩恵には預かれなかったので
私には関係のない話でした……(苦笑)

障害戦は3日間とも1鞍ずつ行われました。
日曜と月曜に行われた未勝利戦を振り返ります。


・9月14日(日)中山1レース ダ2880m
(美浦)
リケアルフナ
→8人気/8着
スティルシャイニン
→9人気/9着

勝ちタイム:3分18秒5(曇・芝:良/ダート:やや重)

初障害馬2頭は、馬券外という結果でした。

フェーングロッテンが1番人気に応えて勝ち上がりました。
前走の7月26日のレースの後のこのBlogで
「次は嫌ってみるのも妙味ありかも」
と書いていました。飛越がそれほど上達していないことや
人気先行とみて軽視したのですが、ここは勝ち上がり。
ただ飛越は相変わらず上手くないですし、昇級してすぐに
好勝負になるかは微妙だと思いますが、5戦目で勝ち抜けました。

2着は5番人気のゴールデンルーキーでした。
道中は5番手追走で、しっかり脚も溜まっていましたし
乗り慣れた草野太郎騎手に手が戻ったのも、条件としては好転。
障害戦9戦目で初めての馬券圏内への好走となりました。
クセを知って、手の内に入れている草野騎手が次も
継続騎乗となったら、抑えは必要です。

九州産馬のゴーツウキリシマが3着となり
こちらも初の馬券圏内の走りとなりました。
平地の佐賀競馬場での霧島賞には3年連続で参戦し、障害に戻ったのが
今回のレースとなり3着でした。
ナムラタイタンの産駒として障害を走っているのはこの馬のみ。
父に「産駒の障害戦初勝利」を届けられる日も近いかもしれません。

2番人気のアルカンサスはこの日で障害30戦目の出走となりましたが
勝ち馬から1秒3差の6着でした。
馬券圏内になったのは、全て3キロ減の減量騎手が乗った時なので
乗り手を選ぶ馬なのかもしれません。
8月の中京戦での落馬の後遺症もあるかもしれません、
次は重い印は打ちにくくなった感があります。


・9月15日(月)阪神1レース ダ2970m
(栗東)
ヴィンテージボンド
→3人気/1着

勝ちタイム:3分31秒5(晴・芝:良/ダート:良)

唯一の初障害馬だったヴィンテージボンドが勝ち上がりました。
特段、障害試験の時計は早かったわけではありませんでしたが
父は障害戦を得意としているキズナ。
ネビーイームやインプレス、サイード、オールザワールドなどなど
活躍馬はたくさん出てきます。今後もキズナの子供は要注意です。

2着は2番人気、小牧加矢太騎手騎乗のロードプレジールでした。
前走の8月の中京戦は1番人気で6着でしたが、他馬の落馬の影響で
ブレーキをかけてしまったようにも見えました。
今回はスムーズな立ち回りが出来ましたが、勝ち馬には1馬身届かず。
力は出し切れた一戦だと思います。

1番人気のテーオーリカードは3着でした。
初障害で3着だった3月の初障害戦以来のレースでした。
プラス6キロの馬体は太くはありませんでしたが、ダートコースに
入るところで進路が狭くなったりと、チグハグな場面も。
その3月の初障害戦で3着となった中京のレースレベルは低くありません。
このレースの2着馬・4着馬・5着馬が未勝利を勝ち上がっています。
テーオーリカードも力はある馬なので、次走は巻き返しを期待です。

5着だったポッドエルマーは障害2戦目でした。
飛越は前走より上手になっていたように見えました。
また、勝ち馬からマークされており、逃げてはいたものの
プレッシャーをかけられながら走っていました。
まだ3歳馬でもあり、伸びしろはまだまだありそうですが
最後の直線はダートより芝の方が良さそうに感じました。
 

今週の中央競馬は土日月の3日間開催。
毎年この時期は台風が接近することで気を揉むことが多いのですが
週末に台風の心配はする必要はなさそうです。

ただ木曜日に関東では大荒れの天気となり、被害が出た場所もありました。
地方競馬は途中で取り止めになるなど、影響も出ました。
まずは無事に競馬の開催が行われることを願いたいと思います。

障害戦ですが土曜日は《4レース》に清秋ジャンプステークス。
日曜日は朝イチで中山での未勝利戦。
月曜日も1レースに阪神での未勝利戦が組まれています。


・9月14日(日)中山1レース ダ2880m 発走09:45
(美浦)
リケアルフナ
→119秒5 6/12・大江原【芝/-】
スティルシャイニン
→118秒0 8/28・伴【芝/-】

初障害馬は、関東の2頭です。

リケアルフナは平地で6戦(地方の交流戦1戦含む)しましたが勝ち上がれず。
このタイミングで入障となります。
父は皐月賞馬のディーマジェスティ。障害戦に出走した産駒は1頭だけ。
大和田成厩舎のディープレイヤーのみですが、そちらの馬は
今年の8月の中京での障害未勝利を、6戦目で勝ち上がりました。

スティルシャイニンも平地の未勝利を勝ち上がれなかった3歳馬。
こちらの父はメイショウボーラーです。
産駒は障害でも20勝以上を挙げており、かつてはマキオボーラーや
メイショウヒデタダやメイショウヒカルといった馬が障害で2勝以上しています。
とはいえ、最近はメイショウボーラーの産駒そのものも少なくなっており
メイショウボーラーの子供が障害戦を走るのは
2024年6月のニシノフウジンのOP平場戦以来となります。


・9月15日(月)阪神1レース ダ2970m 発走09:45
(栗東)
ヴィンテージボンド
→100秒9 8/28・難波【ダ/中】

月曜日の未勝利戦は7頭立てと少頭数で、初障害馬も1頭のみ。

サンデーレーシングで一口80万円で募集されたヴィンテージボンド。
ダート1800m戦で3勝を挙げた、キズナの産駒です。
先週も障害未勝利にメイショウカゲカツを出走させた、西園正都調教師。
3番人気で9着でしたが、その時と同じ難波剛健騎手が、ヴィンテージボンドにも
騎乗します。メイショウカゲカツも初障害から難波騎手が乗っていました。
こちらの馬は、どんな結果になるでしょうか。