美浦:0.0.0.9
栗東:1.0.1.6

9月の中山・阪神での初障害馬の集計となります。
馬券に絡んだ初障害馬は2頭、どちらも関西馬でした。

勝ったのはヴィンテージボンド。
平地ではダート戦で3勝を挙げていた馬でした。
試験タイムは100秒9、目立つ時計ではありませんでしたが
直線がダートというのも合っていたのかもしれません。

初戦で3着と好走したシルヴァーデューク。
前川恭子厩舎が「馬を作って」初めての入障馬でした。
いきなり良い着順だったので、この後に障害入りする
前川厩舎の馬も、楽しみになりました。


この後は、東京と京都での障害戦開催となります。
こちらの月1のまとめについては
10月4日から11月2日までに行われる未勝利戦を対象にします。
東京で3鞍、京都で4鞍、それぞれ組まれています。
また、10月は東京で重賞も組まれており

暮れの大障害を見据えたレースも行われます。

 

10月も障害戦を楽しみましょう。

2025年の秋のGⅠシリーズが開幕しましたが、波乱の幕開けでした。
8歳馬のウインカーネリアンの勝利もですが
「三浦皇成騎手、悲願のGⅠ初制覇」
ということで記憶されそうなレースになりました。
127戦目での、初のGⅠ勝利。現地で観戦していたのですが
当たりハズレに関係なく、大きな拍手が送られていたのが
印象的でした。

障害戦は土日とも未勝利戦が行われました。
そちらの振り返りたいと思います。


・9月27日(土)中山1レース ダ2880m
(美浦)
シュバルツガイスト
→10人気/9着
ワカムシャ
→8人気/11着
ゴールデンステップ
→7人気/4着
(栗東)
イーサンバーニング
→11人気/10着
シルヴァーデューク
→4人気/3着

勝ちタイム:3分17秒1(曇・芝:良/ダート:良)


障害17戦目だったヴラディアが念願の障害初勝利を挙げました。
飛越は問題ない馬でしたが、前走は2番人気で6着でしたが
今回は乗り慣れた上野翔騎手に手が戻ったことも大きかったです。
前々で流れに乗せていましたし、鞍上の好騎乗でした。
管理する小西一男調教師の障害戦勝利は久しぶりで
2018年2月のクワッドアクセル以来となりました。

2着は3番人気のゴーツウキリシマ。これで2戦続けて馬券内に好走です。
早めに先頭に立って粘りこみを図りましたが、最後は脚が上がりました。
それでもバンケットのある中山で3着→2着。
5歳牝馬の九州産馬、地力強化が窺えます。

初障害のシルヴァーデュークが3着となりました。
序盤は最後方追走でリズム重視。無理はさせずに脚をしっかり溜めました。
勝負どころから長く良い脚を使えました。2着馬とは5馬身差でしたが
3着は確保したレース内容は良かったです。
今回は去勢明けでの実戦でしたが、それもプラスだったようです。

1番人気のスマラグドスは5着。
「序盤の位置取りが、想定より後ろになってしまった」
と、鞍上の田村太雅騎手がレース後にコメントしていました。
もう一列前で流れに乗りたかったのかもしれません。
バンケットのある中山で2戦走ったので、次走は順回りで平坦コースの
京都で巻き返しを狙うと陣営からコメントが出ています。


・9月28日(日)阪神1レース ダ2970m
(栗東)
パワポケビー
→11人気/12着
テーオードラッカー
→3人気/10着
メイショウウネビ
→4人気/8着

勝ちタイム:3分24秒8(晴・芝:良/ダート:良)

こちらのレースでは、初障害馬で馬券に絡んだ馬は居ませんでした。
阪神での未勝利戦でしたが、関東馬が1~3着を独占しました。

勝ったのは1番人気のフームスムート。
9月の中山の開幕週で初障害戦を迎えましたが、そこからマイナス12キロ。
太目を叩いたこと、レースを覚えた2戦目の上積みも見込めましたが
この馬が1番人気に推されるとは、正直驚きました。
鞍上の上野翔騎手は土日で連勝。JRA通算100勝まで、あと4勝となりました。

8番人気、ホウオウプレシャスが2着。こちらは障害3戦目でした。
またこの馬も前走比マイナス12キロ。関東からの輸送で馬体が絞れたのが
好走の要因だったかもしれません。
また、3キロ減も効いたように見えました。レース慣れもあったと思いますが
すんなりと行き脚がついて前々で流れに乗れたのも大きかったです。

3着はヴァランセカズマでした。前走はOPクラスへの格上挑戦でしたが
そのレースでも飛越は問題ありませんでした。
大江原圭騎手はテン乗りでしたが、自己条件に戻っての好走。
初の固定障害でこれだけ走れたのは収穫、次も楽しみになりました。

障害試験を95秒台の時計で合格し、3番人気に推された
テーオードラッカーでしたが4秒以上離された10着でした。
必ずしも「試験タイムが早い=買える」とならないのが難しいところ。
レースの途中から完歩を合わせるたびに減速するなど、改めて
試験と実戦は違うことを再認識させられました。
とはいえ、1回レースを使うとガラリと変わる馬もいるので
次走はまだ見限れないと思います。

2025年の秋のGⅠシリーズが始まります。
スプリンターズステークスと聞くと、かつては年末の開催、
残り少ない暦で、有馬記念の1週前でした。
秋に移ったのは2000年。ダイタクヤマトが勝って、物凄いインパクトでした。
あれから四半世紀が経ったことに驚きを禁じ得ません。

さて、障害戦は中山と阪神で行われます。
土曜日は中山、日曜日は阪神で開催。
どちらも朝の1レースで組まれています。


・9月27日(土)中山1レース ダ2880m 発走09:45
(美浦)
シュバルツガイスト
→114秒0 9/11・伴【ダ/短】
ワカムシャ
→114秒0 9/11・伴【芝/-】
ゴールデンステップ
→116秒2 9/18・金子【芝/中】
(栗東)
イーサンバーニング
→104秒8 6/12・小野寺【ダ/長】
シルヴァーデューク
→100秒4 9/18・小牧加【芝/中】

2020年のセレクトセールで1億2,100万円で取引された
シュバルツガイストは、2022年7月の札幌での新馬戦でデビュー。
余談ですが、その新馬戦はドゥアイズ、ドゥーラ、トップナイフなど
OP馬が並ぶ新馬戦でした。
シュバルツガイストはダート1200mで2勝を挙げました。
管理する国枝栄調教師の馬に伴啓太騎手が乗って、これまで
シャンドゥレールとガンダルフの2頭で障害未勝利を勝ち上がっています。

平地5戦を使ったものの、未勝利戦を勝ち上がれなかったワカムシャ。
ワカムシャもシュバルツガイストと同じ日に伴啓太騎手が障害試験を
合格していますが、こちらのワカムシャには水沼元輝騎手が騎乗します。
父はバゴ。かつては菊花賞馬のビッグウィークを輩出しましたが
そのビッグウィークが障害未勝利を勝ったのは2013年7月でした。
直近でのバゴ産駒の障害戦勝利は、2024年7月のデシマルサーガです。

ゴールデンステップは平地の芝2000mの未勝利戦で勝利。
1勝クラスでは7戦走りましたが、最高着順は4着でした。
2歳上の異父姉ホウオウフラッシュも現役時代の晩年は障害入り。
8戦して勝ち上がることは出来ませんでした。
姉はエイシンフラッシュを父に持っていましたが
ゴールデンステップの父はブリックスアンドモルタル。
この産駒が障害入りしたのはこれまで、フォージドブリック1頭だけ。
フォージドブリックは障害2戦目に、9番人気で勝利しました。

2024年3月に厩舎を開業した、栗東の藤野健太調教師がイーサンバーニングを

障害入りさせます。藤野厩舎の初勝利は、前厩舎から引き継いだ馬でしたが
ヴァレッタカズマの障害未勝利戦でした。
こちらの厩舎には、障害レースで活躍された元騎手の北沢伸也助手が

所属しており、おそらく障害馬の調教にかかわっているとされています。
ヴァレッタカズマ以来、障害戦での勝利はありませんが
どんな障害馬を作ってくるか、楽しみでもあります。

史上初のJRAの女性調教師として今年開業した前川恭子調教師。
これまで障害戦には2回、テクネチウムを出走させていますが
木原一良厩舎から引き継いだ馬でした。
前川厩舎で調教から馬を作って入障となると
シルヴァーデュークが初めてとなります。
ちなみに父シルバーステートの産駒の障害成績は0-2-3-30。
アルカンサスの2着2回が最高着順となっています。


・9月28日(日)阪神1レース ダ2970m 発走09:45
(栗東)
パワポケビー
→106秒1 8/21・田村【ダ/-】
テーオードラッカー
→95秒9 9/18・中村【ダ/短】
メイショウウネビ
→103秒3 9/25・森一【芝/中】

日曜日の未勝利戦に出走予定の初障害馬3頭は全て関西馬です。

6歳牝馬のパワポケビー。
デビューは美浦の中野栄治厩舎でしたが、その後に矢嶋大樹厩舎を
経由して、栗東の森田直行厩舎から障害デビューを果たします。
森田厩舎は障害戦では今年はビーンスタークで1勝していますが
騎手はその時と同じ、黒岩悠騎手が騎乗予定です。

兄にダートGⅠ勝ち馬、テーオーケインズを持つ
テーオードラッカーは平地で17戦2勝、2着4回、3着3回。
8月の盛岡での交流戦を使った後に障害試験を受験。
9月18日に合格して10日後にレースを迎えます。
父はコパノリッキー。先週の障害未勝利戦を勝ち上がった
コパノニコルソンと同じ父です。

芝2000m戦で3勝を挙げたメイショウウネビ。
9月25日に障害試験に合格して、その直後の週に障害の初陣を迎えます。
試験もレースも、森一馬騎手が騎乗予定。
管理する本田優厩舎の馬に森一馬騎手が騎乗するのは
2023年のナギサ以来となります。

先週は土曜日に阪神ジャンプステークスが行われました。
ネビーイームが勝って、障害戦5勝目を挙げました。
暮れの大一番、J・GⅠの中山大障害に向けてのステップレースも
今後は増えてきますし、障害のOP馬の動向も気になる季節です。

日曜日は阪神で未勝利戦が行われました。
そちらの振り返りをしておきたいと思います。


・9月21日(日)阪神1レース ダ2970m
(美浦)
トゥルース
→7人気/8着
(栗東)
エブリモーメント
→6人気/6着

勝ちタイム:3分21秒8(晴・芝:良/ダート:良)

初障害馬で馬券になった馬はいませんでした。
また、馬券圏内に来た3頭は全て「障害2戦目」の馬でした。

2番人気に推されたコパノニコルソンが勝ち上がりました。
障害初戦の前走は控えるレースでしたが、今回は2番手追走。
2周目の3コーナーで逃げ馬がスパート、さらにオステリアが並んできても
慌てず騒がず、しっかりと脚を溜めて末脚に繋げました。
もともと平地4勝馬、さらに直線ダートもこの馬には向きました。
「上(OP)でやるには、まだ覚えることが多い」
「とはいえ、能力はあるし、まずは折り合いを教えていきたい」
と小牧加矢太騎手。素質はありそうです。

関東馬ながら1番人気に支持されたゴールデンスロープは2着。
ハナに立つ積極策も、1周目のスタンド前では右に斜飛。
それでも走りながら修正をして、最後はキチンと飛べていました。
勝ちパターンに持ち込んだようにも見えましたが、最後は平地力の差。
次も好勝負になると思います。

3歳馬のセイフウサツキも障害2戦目で3着と好走。
初戦は勝ち馬から2秒以上離された7着でしたが、見事な変わり身でした。
難波剛健騎手は、よくなるのはまだ先、と良化する余地がまだありそうな
コメントを残していました。障害2戦目で、本場の置き障害で3着なら
メドが立った内容と言えそうです。

5着だったリードアクトレスは最初の障害でリズムに乗れず。
結果として自分の位置を守るだけで、伸びもバテもしない内容でした。
中山で走って、中1週でこの日のレースを迎えました。
馬体重はマイナス6キロ。馬にはキツいローテーションだったかも
しれません、一息入れて立て直しが必要かもしれません。

9月も半分を過ぎましたが、まだ東京は暑い日が続いています。
週末は天気も下り坂で酷暑にはならない予想ですが……。
とはいえ、木曜日も局地的な雨や突風など、自然の力には逆らえない
出来事も増えています。
大きな被害が出ないことを願うばかりです。

週末の中央競馬は今週も2場開催。
そして障害戦も引き続き、暑熱対策下での開催。
土曜日の重賞の阪神ジャンプステークスが4レース。
日曜日の未勝利戦も朝の1レースに組まれています。


・9月21日(日)阪神1レース ダ2970m 発走09:45
(美浦)
トゥルース
→116秒3 8/14・上野【芝/マ】
(栗東)
エブリモーメント
→98秒9 9/4・黒岩【ダ/短】

初障害馬は、東西から1頭ずつの計2頭です。

2022年12月に斎藤誠厩舎からデビューしたトゥルース。
中山競馬場の芝マイル戦の新馬を勝ちましたが、その後は低迷。
2024年の夏に金成貴史厩舎に転厩しました。
金成厩舎は2012年に開業、以来障害戦ではこれまで5勝を挙げていますが
厩舎が最後に障害戦で勝ったのは、2020年5月のマスラオです。

平地で18戦2勝の成績を残したエブリモーメント。
勝った2勝はどちらもダートの1200m戦でした。
父はベストウォーリア。2022年から産駒が走っていますが
障害戦を走る産駒は、このエブリモーメントが初となります。
管理するのは牧田和弥調教師。この厩舎の馬に黒岩悠騎手といえば
イロゴトシで中山GJ制覇の実績がありますし、先週の中山での
未勝利戦でもゴーツウキリシマを3着に持ってきたコンビです。