魔法の秘密基地。 -5ページ目

決めた!

田舎に帰って2ヶ月半。
色々悩んだ。
親も苛々した事だろう。
悩んだ挙げ句に5キロ先のスーパーでパートとして働く。
免許はない。最初安定所に紹介を受けた時は交通費が出ると言っていた。
“あーうち交通費は出せんとですよねー”

まぁいい。
5キロ太ったから1日10kmの徒歩はダイエットにもなるかしら。ふふふ。

“シフトも固定じゃなくてバラバラやけんバイトとかは控えて欲しかとですよー。”

はぁ?おいおい、ふざけんなよ。
何でお前に束縛されなきゃいけねーんだよ。一応親がいてさ、親孝行位したいんすよ。もう親が喜ぶ事なんてお金しかないんでね。私結婚はできないし。
いくら“子供の幸せが親の幸せ”って言ったって私は親の人生に責任とれないし、逆もまた然り。形ないものも大切だけどそれはちょっと湿っぽくないか?

しかしこれで思い残す事はなくなった。

働きながら就活する。
もう一回東京に出る。UターンでもIターンでもない。Oターン2周目。

暫く親にはお世話になったけど他人同士なのだ。血が繋がってるとか繋がってないとかじゃなく、同じ道を歩く事はできない。輝ける場所があるなんて夢は持っていない。だって30だもの。
不細工で30だもの。
捨てていくし、削っていく。

ここにいたら上手く地元を愛せない。
人も愛せない。

きっと親はショックだろうと思う。死ぬまで一緒にいると思っているみたいだ。
ごめん、無理だ。
パラサイトしている事だけでも小さな自尊心がズタボロになっている。


本当は住むところさえあればすぐにでも行く。
頭はすっからかんだ。
泣いたりもしない。
もうそういう気持ちはどっかに捨ててきた。

でっかい借金でもこさえて出ていこうかな。
丸坊主にしようかな。
引き続き彼氏はいらん。あ、でも莫大なお金を貢ぎたい。


そう思うことで何でもできそうな気がしてくる。微風が吹くような清々しさだ。
今日のこの気持ちを忘れないように日記に書いた。
職場の人とは一線ひいて付き合わなきゃ。下手に仲良くなると面倒だぞ。
自分に言い聞かせる。
震災はパニックになって冷静になれなかったけど、今回は極めて冷静。

悪いのは自分。罪を償うのも自分だ。

演歌の国

音楽という文化に関して日本人、特に若い世代はコンプレックスを抱いていると思う。
イギリスではビートルズが素敵で、アメリカではブルーススプリングスティーンが格好良くて。

いや、ただ単に自分がそう思ってるだけなんだけど。
黒沢健一さんとか、ミッシェルとかもそっちに憧れ焦がれ過ぎてて大好きだけど。

それでもたまに聴きたくなる、演歌。
若い時は“つまんねぇ、辛気くせぇなぁ”と思っていた。
歳とるって良い事かもしれないな。震える位良い曲がたくさんある。
改めて今日何曲か聴いた。

五木ひろしの“山河”
この曲は山河を母に置き換えて聴くことも出来る。こういう心を持った男の人が今、どれだけ世の中にいるんだろう。

新沼謙治の“津軽恋女”非常に詩的。綺麗。唄自体はサビでガツーンとくるけど絵画の世界。この人の歌心は尋常じゃない気がする、なんとなく。この人鳩が大好きらしい。ニーヌ・マッケンジーとか言われてるらしい。俄然興味がわくよね。
これヒット曲らしい。私も小学2年の時に歌ってたもん。こーゆー曲がヒットする世の中って良い感じ。

森進一の“襟裳岬”
詞が深いと思う。
なにもない春ですって…なにもない事を高らかに歌い上げる。なにもないわけじゃなくて全てがあるんだと思う。

美空ひばりの“愛燦燦”これ凄い。小椋佳凄い。ひとは悲しいけど、人生は素敵。

やっぱり日本人なんすね。春夏秋冬花鳥風月楽しみながら、慈しみながら生きる国民なんすね。

日本人で、よかった。

努めて冷静に書いてるけど興奮している自分がいる。
CD欲しい…

アゴタクリストフ

アゴタクリストフが亡くなったらしい。

悪童日記、持ってはいたが、読んでなかった。
2年前に当時お付き合いをしていた人が読んでいた。
よく本の感想を喋る人だった。ひとしきり説明した後に、
“それでどう?面白い?”
“うーん…難しいし読みにくい。…でも…面白い…よ。”

ぜってー嘘だろ、それ。面白いなんて思ってねーじゃん。
私は前々からこの人とは感覚が違うことに気付いていた。つまりこの人が面白くないものは私的には面白かったりするのだ。なんせ私にカミュを薦めたヤツだ。

だから買った。すぐ。
でも今読むと会話の端々で読んだのがバレて盛り上がりでもしたら最悪だ。そう、離れたかったのだ。
まぁ、私の方が最悪なんだけど。

今回訃報を聞いて本棚から引っ張り出す。
面白いとは言いづらいけど…現実の描写だけでこんなに優しいものなのかと驚いた。
優しい言葉をいくつ並べてみてもあざとさしか残らないものなのに。
静かに悲惨。可哀想とも思わない。むしろどこか牧歌的な気さえする。

“おばあちゃん”は汚くて口が悪くて変人で人殺し。悪者の持つ孤独に惹かれてしまう。たまらなく魅力的だ。

なにもかもが“ある”ことの幸せ。
どんな事やってでも生きていけるんじゃないかと思う気持ち。

ひとつたくましくなれた気がする。

私は好きな本だった。
この法則に則れば次は“どくろ杯”読まなきゃね。