デン・ハーグからデルフトまでの列車の中は、ふわふわした繭の中にやんわりサンドラと一緒に包まれて過ぎていった。
フェルメールの生きた土地に初めて降り立つと、ゴロワーズを二人で一緒に吸った。
俺は先に旧市街の方に行こうと提案すると、サンドラはデルフトブルーの瞳をぐるりと一回回すと
「私たちには何かが憑いているわ、行きましょう教会で蝋燭を灯すのよ」
「なにかって?」
「あなたが一番よくわかっているでしょう?」
そう言って市庁舎前の新教会へ連れて行った。
彼女と一緒に蝋燭を灯し跪いた、大天使ガブリエルの前で
二人で一緒に塔に登り上からデルフトの風景を見た。
そこに広がる世界は、青ではなく赤だった・・・
「あなたがブルーになるといけないから」
彼女の瞳とデルフトの赤茶けた屋根の構図に、心地好い鳥肌が立った。






