ラストで上野樹里がエイリアンに変身しなくて良かった!「隣人X 疑惑の彼女」 | 映画と音楽のある生活

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 何の予備知識もなくアマプラで視聴した。紹介文には、「日本は惑星難民のXを受け入れる発表をした。Xは人間の姿をコピーすることができ、、。」とあり、SFモノかと思って「それがいる森」の様な大外れだったらどうしようかと思った。

 見始めたら「宇宙人のX」とは比喩であり、テーマは日本における外国人労働者の受け入れとか、多様性に対する許容度なのだと理解した。

 実際に、上野樹里と一緒にXの疑惑を掛けられる台湾人女性は、日本語に馴染めないことから仕事先のコンビニや居酒屋で大変な苦労を強いられている。

 ストーリーは、林遣都演じる雑誌記者と上野樹里。そして上記の台湾人女性とギタリストの二つのカップルを中心に進んで行く。

 雑誌記者(林遣都)は、最初はXかもしれない女性(上野樹里)の取材を続けるが、やがて彼女に惹かれ同棲するようになる。ところが、売上至上主義の編集長の命令で彼女の父親がXであるという記事を書かされ、彼女の家族はマスコミの取材攻撃にさらされることになる。

 自宅を取り囲んだ記者達に対し、父親がパスポートと戸籍謄本を掲げ「私は日本人です。」と訴える姿は、現代人のアイデンティティー喪失の象徴に思えた。やがて、上野樹里が父親に感じていた違和感の正体は、「市子」なんだと明らかになる。

 視聴後、他の人のレビューを見ると辛口な評価が多かったが、個人的には、様々な問題をファンタジーという切り口で取り上げた良作だと思った。