今日は私の専門である電気のお話。

 

 

 

 最近の家電製品はコンセントの差し込み口を見ると100V〜250Vのように色んな電圧に対応していることが多くなりました。

 携帯の充電器などがいい例ですね。

携帯の充電器は変圧器を使わなくとも、プラグの変換器を使用して直接ドイツのコンセントに刺す事ができます。

 

 

小さく100V-240V〜と書かれているのがお分かりでしょうか。

 

 しかし、ここで意外な落とし穴があります。それは「延長コード」。日本の延長コードをドイツのコンセントに直接刺すと大変なことになります。

 

 今からその理由を解説いたします。

 

 

 

 

 

EUの電圧は230V

 

 ご存知の方も多いのですが、日本の電気の技術はアメリカから来たもので、アメリカも日本と同じタイプAというタイプのコンセントを使って、110Vを供給しています。日本の電圧も100Vとアメリカとほとんど変わりません。

 

 しかし、EUは電気の普及がアメリカよりも遅かったため、より電気を無駄なく伝えられる(電力損失が低い)220V〜230Vが普及されました。

 

ドイツのコンセント 画像提供: GIRA

 

 

 アメリカ移住だと変圧器も必要なく、日本専用の家電を直接つなげても、10V程度の電圧の差なら「誤差」の範囲で問題なく使えます。(家電の寿命は短くなるかもしれませんが)

 

 しかし電源が100Vにしか対応していない機器をプラグの変換だけをかまして230Vのドイツのコンセントに差し込んでしまうと、電圧に耐えきれずショートしてしまいます。

ヘタをすると火をふくことになります。

 

私の友人も日本国内で入手した電源100Vの「たこ焼き機」をダメにしてしまいました。

 

 

 

 

 ここまでは周知の事実なので、ドイツへ渡る前に変圧器を持ってこられる方も多いのですが、意外とその導線である延長コードには目がいかないものです。

 

なぜ危険かと言うと、電気を直接消費する側が230Vに対応していると、延長コードにまで230V流れてしまうからです。

 

 

 

 ドイツは日本と比べて130Vも高圧なので、延長コードの銅線も、それに対応したものでないといけないんです。つまり、230Vに耐える太い銅線が必要なんです。

 

 

 日本から持ち出した延長コードですから、もちろん100Vの電圧に合ったものが販売されています。

さらに、ドイツのコンセントは、日本のようにプラス極とマイナス極の2本だけではなく、アースという3本目の銅線も使われています。

安全の面を考えると230Vも流れているので、アースのついている延長コードが無難です。

 

 そして、使われる銅線も太さが決まっており、230Vの電源では1本1.5平方ミリメートル以上の銅線を使う事がVDE(Verband Der Elektrotechnik)という機関により義務付けられています。

 

写真参照

 

左は日本の延長コードの銅線で右はドイツの230Vに対応した銅線です。

 

 

 

 

 高いものではありませんが、私も変換プラグを何個も持っていくのは億劫だと思っていたので、変換プラグ1個と日本の延長コードだけを持ってドイツに来ました。

初めの半年は普通に使えていたのですが、プラスチックが熱で変形してしまったので、身の危険を感じ廃棄するに至りました。

 

よく見ると、上限125Vの文字が。。。

 

 

 

なので、日本で準備するものは、コンセントの変換プラグだけにしてきてください。

1つ300円くらいで嵩張らないので、おすすめです↓