作家 吉井春樹 366の手紙。 -1538ページ目

[元気]なかなおり。

もしかしたら、

あなたに必要な物は、

ほんの少しの勇気です。

それさえあれば、きっと、

ふたりは友達にでも仲間にでも、

なれるんじゃないかと思います。

うれしい話も、かなしい話も、

つらい話も、こわい話も、たわいない話も。

いろんな話ができる、

別に話さなくても友達でいられる。

世界中のみんなが出会えて、

握手して、仲間になれるわけじゃない。

たまたま近くにいて、たまたま同じ頃に生まれて、

たまたま今、出会えたわけです。

だから、さあ、ほら。

[小話]なかよしさん。

きみと、

ぼくは、

いつもいっしょ。



ふたりは、

ひとつで、

なかよしさん。



なかよしさんには

ともだちが、

たくさん。



いっしょに

いるだけで、

ともだちを

ひきよせます。



たとえば、

よろこびさん、を。



ときどき、

あんしんさん、を。



そして、

しあわせさん、を。



だけど

なかよしさんは

気まぐれ。



ふたりの

あいだに

すきま風がふくと



すぐに

どこかへ



とんで

きえて

見えなくなります。



きらいな

だれかが

近づいてきたら



すぐさま

ふぅっと

いなくなります。



どちらか

ひとりのこころに



イライラさんがきたら

こっそりと。



ワガママさんがきたら

いちもくさんに。



イバリンボさんがいると。

あっという間に。



ほら、

なかよしさんは

消えてしまうのですね。



ふたりは、

ひとつで、

なかよしさん。



そう、

ふたりが

バラバラになると

なかよしさんでは

なくなってしまいます。



よろこびさんも

あんしんさんも

しあわせさんも。



みんな

どこかへ

行ってしまって。



ぼくは

ひとりぼっちで

さみしくなって。



ぼくは

涙がでてきて

悲しくなって。



なかよしさんに

帰ってきてもらうには



ふたりが

魔法をかけなきゃ

だめなのです。



とっても

かんたんだけど

とっても

むずかしい。



ふたりの

合ことば。



それは

ごめんね。



そして

ありがと。



どちらが

さきでも

いいのです。



それは

ふたりの

ごめんねで、



それは

ふたりの

ありがとです。



いますぐ

じゃなくても



何十年後

でもいいです。



いつか

ごめんねは、



おかえりに

聞こえます。



いつか

ありがとは、



あいしてますに

聞こえます。



そして

ふたりは

なかなおり。



おかえりと

あいしてますが



ふたりのこころに

ちゃんとある。



ぼくと

きみは



ふたりで

ひとつ。



ぼくと

きみは、

前よりもっと

なかよしさん。



おわり。


[元気]ふふふふ。

何かやりたいことがあったとき、

それを進めていこうとして、

ふと、ひとつだけ、

できない理由をみつけたとします。

で、そのひとつのせいで、

はじめる前にはたくさんあった、

山ほどのやりたい理由は、

負けてしまったりするのですね。

理由についての大きい小さいは、

状況によって違うんだろうけど、

あくまで負の要素ではあるけれど、

不の決定打でもないと思うのです。

なんだか言葉あそび染みてるけど、

ほんとうにそう考えたりしてます。

マイナスはいつかプラスに変えられる。

もしくはマイナスを減らすことはできる。

でも、ゼロにしちゃったら、

それはもう、±の問題ではなくて、

放棄したも同然になっちゃうのですね。

負は不じゃない。

可能性があるうちから、

削いじゃうのは忍びない面持ちです。

ということで、

今まで諦めてたいろいろ。

掘り返してみることにします。