作家 吉井春樹 366の手紙。 -1530ページ目

[恋文]きになるきになる。

知りたいのは、本当のキモチ。

相手の本当のキモチ、

そして、自分の本当のキモチ。

わかってるようでも、

小さな出来事がひとつあるだけで、

そんな自尊心はひっくり返るのですね。

ほんとに楽しいのか。

ほんとに寂しいのか。

ほんとに寂しくないのか。

ほんとに好きなのか。

ほんとに好かれてるのか。

まざりっけなしの、

キモチを知ることは難しいのですね。

過ごした時間が長ければ、

たくさんの情報量の中から

ただひとつの真実を見つけなきゃいけないし。

過ごした時間が短ければ、

その分、妄想が妄想を重ねて、

えらくヒステリックにネガティブになったり。

苦しい、と本音で言える関係がいい。

寂しい、と一心に伝えられる距離がいい。

楽しい、と言葉なくして分かり合える二人がいい。

帰りたくない、と素直に。

離したくない、と自然に。

そやって、伝え、伝えられるのがいい。

ほんとうの、ほんとうの、ほんとうに。

でも、今のところ、

少なくとも、あなたが言う

「だいじょうぶ」が

だいじょうぶじゃないことくらいは、

僕はお見通しなつもりです。

[平和]自分と他人と。

いつもいつも

すべてがいくわけはない。

そのほとんどの原因は、

もしかしたら自分なのかもしれません。

だけど、それは、

なかなか認めたくなかったりします。

受け入れたくないものです。

あのとき、あの人が、

ああ、してくれなかったから。

こう、動いてくれなかったから。

考えようによっては楽な生き方です。

もちろん、僕もそちら側の人間です。

自分で自分を受け入れる人間に、

なれるものなら、なりたいものです。

ただ、すべて一人で

背負い込むだけにはなりたくないですね。

[元気]震えているのは。

実は、いつだって、

震えていると思うんです。

息してるし、生きているし。

それに、気づかないだけだと。

夢中になってるものがあったり、

それ自体に慣れてしまったり、

内面の変化によって

感じ方が変わってくるのではないかと。

確かに肉眼で見ても、

明らかにそれとわかる震えもあります。

それは、この際、度外視です。

心の震え、体の震え。

怯えているようで、

興奮しているようで、

喜んでいるようで、

悲しんでいるようでもあります。

たぶん、証として。