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九大昆虫班のブログ

九州大学生物研究部昆虫班です。班員が交代して更新します。

 6日目の記事も引き続き西谷が担当いたします。

 

 2019319

 朝からキャンプ場にはけだるい雰囲気が漂っていました。先日(18)の水田の採集・夜の山採集の疲労がたまっており、だれも早くから活動しようとしませんでした。

 

 この日も10時くらいから採集開始でした。K先輩とHくんと私西谷の3人で名もない林道に向かいました。

 

 登り始めは低木の林でした。西谷は近くの草木をスウィーピングしながら進んでいきました。コバチ上科やヒメバチ上科の小さな寄生蜂がかなり採集できました。また、とくにうれしかったのはゴキブリヤセバチの一種です。ゴキブリに寄生するそこそこ大きな黒い寄生蜂で、後体節がほとんどないに等しいくらい小さいです。石垣島の街中で採集したものと比べると半分くらいの大きさしかなかったので、おそらく2種目だろうと思われました。

 

 このように林の中を歩いていると、何やら見たことのない蝶が飛んできました。走って追いかけてネットに入れて、そして叫びました。

 「なんじゃこりゃ」

 マルバネルリマダラという迷チョウを捕ってしまいました。まさか自分が迷チョウを捕る日が来るとは......。私は展翅が全くできないので、K先輩に差し上げました。写真は撮り忘れてしまいました.....。

 

 しばらくすると林を抜けました。だだっ広い緩斜面にほぼ1種類の草が生えているというところに出ました。その中にところどころアダンの群落があります。多くのツマベニチョウが頭上を高速で通り過ぎていきます。

 ここではとても大きなヘリカメムシを見つけました。アシブトヘリカメムシです。割といい匂いがします。

 

 K先輩はアダンの葉の隙間に入るチャイロヒラナガゴミムシを採集して、とてもうれしそうでした。今回の目標のひとつだったのだそうです。

 

 草原を抜けるとひたすらアダンの茂みが続きます。ここでアダンの葉が食べられている一角を発見、そこのアダンの葉の隙間からはヤエヤマツダナナフシの幼虫が見つかりました。

 

 目がくりくりしてかわいいですね。成虫は化け物みたいになるそうなので、また夏に会いに行きたいです。

 

 この後、道は林に入っていき、沢にあたりました。沢ではすごい数のオオゴマダラが飛んでいました。そのうえ、下流側の崖下からたくさんのチョウが吹きあがってきたのです。採集する気が全く起きないくらい美しい光景でした。

 

 この沢で引き返し、山を下りました。帰りには黄色くて細長いコマユバチが捕れました。

 

この日はこれで終わりです。充実した一日でした。

ほかの人たちは別の林道で採集していて、そちらも充実した一日だったようです。

 

文責 西谷

 5日目の記事も西谷が引き続き担当いたします。どうかお付き合いください。

 

 遠征5日目、318日はゴミムシ屋のK先輩のもとで2か所の湿地をめぐりました。昼の部のメンバーはK先輩・甲虫屋のHくん・トンボ屋のIくん・西谷の4人です。

 

 4日目はかなり遅くまで活動していたので、10時ころにキャンプ場を出発しました(かなり前から起きていた西谷はアカアシセジロクマバチらしきハチを振り逃したり、ヨツメオサゾウムシを捕ったりしておりました)。

 目指す場所はとある水田です。森に囲まれた谷にため池と水田があるという環境です。

 ここではまずクビナガゴミムシを狙いました。ここはクビナガゴミムシの仲間が2種類いるようなのですが、午前中にスウィーピングなどで採集できたのは1種のみでした。

 

 西谷は何をしていたかというと、池の真ん中にいるミズスマシらしき昆虫を狙っておりました。Iくんがタモ網を持っていたのでそれを借りて、限界まで伸ばして捕ろうとしますがまったく届きません。

 あきらめきれない西谷は奇策を繰り出します。「そうだ。6mの長竿にタモ網をくくり付ければいいのでは?」

 こうして作った6mのタモ網を手に再びミズスマシに挑戦です。今度は何回か振り逃したのちに捕獲することができました。

 Hくんに訊くと、ツマキレオオミズスマシだということでした。池全体での生息数は20頭くらいであるように見えました。池の中心近くで群れを作って泳いでいました。

 

 昼頃にはちょうど干潮になるため、干潟に海の甲虫を探しに行きました。

 結果は、何もいない、ということでした。選んだ場所と潮の引き方がいまいちだったようです。

 

 昼過ぎからは前述の水田に戻って採集の続きを行いました。西谷は道ばたの木の葉や草の葉をスウィーピングしましたが、特に目立ったものは捕れませんでした。5~1㎜の寄生蜂が少し捕れましたが、科や上科すらもよくわかりません。勉強不足です……。

 Iくんは水田の上を飛んでいるヤンマを狙っていましたが、捕獲できなかったようです。

 K先輩は無事2種類目のクビナガゴミムシを採集していました。さすがです。

 Hくんは様々な甲虫を採集していました。彼の捕る甲虫は本当に多様で、面白いです。

 

 このような感じで夕方まで採集を続けて、昼の部は終了です。夕方からは一旦キャンプ場に戻り、ライトトラップの道具をとってきました。

 

 ライトトラップの場所は、また例の水田です。メンバーはK先輩・Hくん・Iくん・徳升くん・西谷の5人です。

 この水田の近くの森はヒメボタル観察のポイントであるらしく、夜になると多くの人が水田の入り口に車を停めていました。

 この日は特に湿気が多く、水田に向かう農道にはたくさんのカエルたち(サキシマヌマガエルだと思われます)が出てきており、踏まないように運転するのが大変でした。幸い、1頭も轢かずに到着できました。

 さて、池の近くまで行ってライトトラップを点灯します。が、風が強いです。白い幕を固定するのに大変苦労しました。そして、小雨が降り始めました。

 「虫は、来ないんじゃないかな……」という会話がなされ始めます。そして予想通り、ライトトラップにはあまり昆虫が来てくれませんでした。一番のハイライトはコガムシらしきものが飛んできたことでしたが、コガムシはそのまま闇に消えてしまいました。

 一方で、水田周辺のナイトルッキングは大変面白かったです。湿度が高いおかげでものすごい数のゴミムシたちが出てきてくれたのです。目につく中で大きなものではオオスナハラゴミムシ、オオミイデラゴミムシ、ムナグロミイデラゴミムシなど、小さなものではキベリアオゴミムシ類などがいました。キベリアオゴミムシ類はとても個体数が多かったです。とてもきれいでした。K先輩やHくんはほかにも多くの種類のゴミムシを採集していました。

 西谷はもっぱらカエルの観察とカタツムリいじりをしていました。カエルではヒメアマガエル、サキシマヌマガエル、ヤエヤマアオガエルが見られました。また、ヘビではサキシママダラと思しき尾を確認しました。すべて普通種だと思いますが、初めて見るものばかりで感動しました。

 

 ちなみに西谷たちが水田にいる間、N先輩とTくんは先日行った山に登っていました。雨の中ものすごく大変だったのではないかと思います。

 

 西表3日目はこれで終了です。

 

 この日も写真を撮り忘れておりました。申し訳ありません。

 

 文責 西谷

 ブログを読んでくださっているみなさま、初めまして。生物研究部昆虫班の西谷と申します。ハチとアリが好きです。昆虫採集は昨年から本格的に始めたというへっぽこ部員ですが、よろしくお願いいたします。

ここまでブログを書いてくれた徳升くんに代わって少しだけ遠征の記録を書かせていただきます。更新が遅くなって申し訳ありません。

 

 それでは、西表島2日目の始まりです。

 

 317日の朝は7時ころに日の出とともに目が覚めました。前日は移動日で大変疲れたため、早く寝てしまったためです。

 

徳升くんの言う「移動日のいろいろ」には思い出(恨み?) があるので少し書きます。16日の移動日にはフェリーが出る離島ターミナルで荷物と荷物番3(西谷、トンボ屋のIくん、カメムシ屋のTくん) をレンタカーから降ろし、4人でレンタカーを返却に行くという計画でした。しかし、私たち3人が7人分の荷物とともに降ろされたのは「離島ターミナル」から1㎞程離れた「石垣港ターミナル」だったのです。7人分の荷物(1人分が12㎏くらい) を前に途方に暮れる3人……。車を返しに行った先輩たちに「戻ってきて車で荷物を離島ターミナルまで運んでほしいのですが……」と電話するも「時間がないから無理」とのお言葉。結局3人で2往復して(最後の1往復はK先輩も来てくれました)7人分の荷物を運びました。

 

 (愚痴を書いてすっきりしたので)17日に戻ります。

 朝起きてすぐに麦を炊いて食べました。そして徳升くんとN先輩のインスタントラーメンのお湯を沸かします(西谷だけがガスを持ってきているため。「麦~ラーメン」の流れは西表で毎朝繰り返されます。18日からは省略します)

 

 ご飯を食べたところで出発です。

 昼の部はキャンプ場の近くの山の下見をしました。メンバーは甲虫屋のN先輩とHくん、カメムシ屋のTくん、西谷です。

 

 登山道に入ると、初めから道がありません。よく見ると川が道になっていました (「道が川のようになっている」のではなく、細い川が道として機能しているのです)。ヌマエビやアメンボたちを見ながら川を進みました。すぐに道は陸に上がりましたが、そこからハードな道を突き進みます。ハードすぎて登山中は昆虫採集が全くできませんでした。

 

 しばらく進んで皆が疲れてきたところで自然に採集開始です。この山は鬱蒼とした原生林に覆われていて、落葉層や倒木がかなり豊富でした。登山のメンバーは甲虫屋が多いので、皆で落ち葉をふるったり、倒木を叩いたりしました。私もザルで落ち葉をふるっていると、ひとふるいでたくさんの小さな甲虫たちを見つけられました。アリヅカムシやコケムシやハネカクシやムクゲキノコムシや正体不明の虫……。これほど多くの甲虫をひとふるいで出せたことに驚きました。小さすぎて写真に残せていないのが残念です。採集した甲虫はその場でN先輩やHくんにすべて託しました。

 

 満足したところで登山を再開し、マダニまみれの藪を抜け、山頂までの3分の2くらいの地点に着きました。すると何か大きな動物のいる物音が聞こえました。ここで皆のやる気が失せ、引き返しました。正直なところ、福岡で1000m級の山に登った時よりきつかったです。

 

 この後は登りで目星をつけておいたポイントで採集しながら下山しました。

 するとなんと、N先輩がピッカピカの昆虫を落ち葉ふるいで採集しました。

 なんと緑色のオオヒゲブトハナムグリが捕れました。長竿を使って捕るイメージの昆虫ですが、ふるいでも捕れるのですね。

 この後はN先輩が黒いクモバチを捕獲してくださいました。まだ同定できておりませんが、クモバチはかっこいいと思います。

 

 夕方に下山した後は疲れたのでキャンプ場に戻って夜まで休憩しました。

 

 夜になりましたら再び同じ山に挑戦します。夜の部ではスジダカヤセヒラタゴミムシを探しに行きました。スジダカヤセヒラタゴミムシは西表島のみから見つかっているゴミムシなのだそうです。メンバーはゴミムシ屋のK先輩、甲虫屋のHくんと私西谷の3人です。また、登山している間、徳升くんに登山口でのライトトラップの番をお願いしました。

 目的のポイントに行く間は、枯れ木を丹念に眺めてゴミムシダマシなどを探していきます。

 しばらくすると私は枯れ木に飽きてきたので、サキシマキノボリトカゲやらバッタやらナナフシやらを見ながら葉の上を眺めていました。すると、きれいなシリアゲムシがいました。

 後日調べてみたところ、どうやらイシガキシリアゲのようでした。しっかりと同定したわけではありませんが、翅の模様が特徴的だと思います。

 また私たちのヘッドライトにつられて来たのか、大型のガと出くわし、K先輩が大喜びで採集していました。ルリオビクチバの仲間だそうです。

 このようにいろいろあって目的地に23時ころに着きました。ゴミムシ捜索開始です。

 ……開始5分。岩の上でのんびり食パンをほおばっていた私が見つけてしまいました。

 「いた――――!!!

 明らかに見たことのないゴミムシです。全くの素人の私にもわかりました。

 この発見のため、K先輩の心の導火線に火が付きました。先輩曰く「捕るまで帰らないからね」とのことでした。が、30分後くらいにHくんが1頭、さらにその30分後にK先輩も1頭採集し、ポイントで夜明かしという事態は免れました。

 帰りには巨大なゲジ類や多彩なゴキブリを見られました。また、途中で道を間違えるというアクシデントもありましたが、2時ころには無事下山できました。駐車場に戻るとライトトラップの電池はとっくに切れており、徳升くんは眠っていました。聞くと、ライトトラップは微妙だったそうです。

 この後は速攻で眠りました。

 この日は、同じ山に2回登るのはとても疲れるけれど山の違う顔が見られて面白いということを初めて知りました。

 採集があまりに忙しく、写真を撮っていませんでした......。

 

(文責 西谷)