九大昆虫班のブログ

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九州大学生物研究部昆虫班です。班員が交代して更新します。

九州大学生物研究部昆虫班です。日本中の昆虫を求めて奮闘中です。班員が交代で綴って行きます。

初めまして、3回生の班員Sと申します。

 

今回は私が単独で南大東島に行った遠征についてブログにしようと思います。南大東島といえば固有種であるダイトウマメクワガタ、固有亜種のダイトウヒラタクワガタなどクワガタが有名であると思う。私は小さい頃図鑑で見て以来一度は見てみたいと思っていたので大学の春休みを利用していきたいと思っていた。南大東への交通手段は主に船と飛行機があり、いずれも那覇から行くことになるが、ネットでは船だと直前までスケジュールがわからず欠航も多いと書かれていたため今回は飛行機で行くこととした。那覇発の飛行機が片道約15千円、往復だと3万円…。痛い出費である。

 

ちなみに飛行機は那覇→南大東は8:008:55着と14:2515:25着、南大東→那覇は9:2510:35着と15:5517:00着で、いずれもJALの琉球エアコミューターの、1日2便ずつのみである。

 

さて、突然だが私は3月の前半に免許合宿に行っていた(なぜか3回生目前にして運転免許を取っていないという…)。セオリーとしてはその後に本免試験を受けると思うのだが、なんと私の地域では本免試験が完全予約制であり3月はもう予約がいっぱいであるという悲劇に見舞われ春休み中に免許を取ることができなかった。

 

…、南大東遠征が徒歩に決定となった瞬間であった。

(ちなみに4月の新歓でも運転できないため完全に無能部員である。)

 

余談となってしまったが、そんな無能部員Sは失意の中実家から福岡に帰り、すぐ南大東へと向かったのであった。

 

 

2026326

 

昼の飛行機で実家から福岡に帰り、不要な荷物を下宿先に置いてすぐ福岡空港に向かい那覇行きの飛行機に乗るという正気ではないスケジュールで夜21時に那覇に到着。

 

次の日の朝の飛行機で南大東へ行くためそれまで空港内で過ごそうと思っていたのだが、なぜか那覇空港の至る所でシャッターが閉まり始めた。どうやら那覇空港は24時でターミナルが閉まるらしい。詰んだ。

 

急いでホテルを調べたところ那覇空港内にカプセルホテルがあるということでそこに泊まることに。一泊5000円…。

 

 

 

2026327日 晴れ

 

8:00発の飛行機であるため7時ごろにホテルのチェックアウトを済ませJALのチェックインカウンターへ。一応持ってきた長竿を入れたロッドケースを預ける。カウンターのグランドスタッフに釣竿ですか?と聞かれ、「…はい!」。

 

保安検査を終え搭乗ゲートに向かおうとマップを見るとエスカレーターで下ったところにあるらしい。行ってみるとゲートの向こうにバスの姿が…。どうやらバスでプロペラ機まで向かうらしい。プロペラ機…。

 

 

こうしてバスに乗り向かったプロペラ機、なんとも可愛い見た目である。

 

搭乗後にプロペラがすごい音を立てて回り出した。ガンバッテイル。

 

そんなわけで南大東空港に到着した。

 

 

ここで預け荷物がどこで受け取れるかわからず空港内をうろうろしてしまったがJALのチェックインカウンターの隣で受け取ることがわかり一安心。

 

 

(JALホームページの画像に追記)

 

 

飛行機を降りると青矢印の通りに空港ロビーに入る。預け荷物は青◎で手渡しで受け取れる。

 

空港からホテルまでは距離があり、車で送迎してもらい到着(先程の空港地図の左下のレストランマークの場所に売店がありそこの職員さんらしき方が送迎してくれる)。直前までホテルを取っておらず、3泊4日で約28千円。荷物を置いて早速出発。

 

南大東島は開発により原生林がなくダイトウマメクワガタとダイトウヒラタクワガタは共に防風林にあるモクマオウという、松のような見た目であるが広葉樹とかいう謎の木の朽木に生息しているらしい。ダイトウヒラタクワガタは特に面白く日本の他のヒラタクワガタと異なり成虫でほとんど後食せず樹液や灯火共に飛来しないというものらしい。しかし捕まえるのはかなり困難らしく(ホテルの方は年配の方であったが子供の頃はよく捕まえていたが今はかなり少なくなっていると言っていた)今回はダイトウマメクワガタ狙いに決めた。

 

 

これがモクマオウである。広葉樹…?

 

まずホテルの近くの防風林へ行ってみたがモクマオウの倒木がどれかわからない…モクマオウの生木付近の倒木は硬くなかなか割ることができなく、また良さげな材がほぼない(おそらく同業者に割られている)印象である。ここでは成果を得られなかった。

 

余談であるが南大東島は国指定の鳥獣保護区域があり、そこでは植物を傷つけてはいけないため保護区域に近づくことは望ましくない。

 

気分転換にさとうきび畑のそばを歩いているとシジミチョウが飛んでいたのでネットイン。

 

 

ウラナミシジミであった。大きめのシジミチョウは大体こいつでたくさん飛んでいる。また、国内外来種のミヤコヒキガエルがたくさん干からびている。そしてこんなものも

 

 

フェロモン誘引剤を使ったサイカブトトラップであり、島のあちこちでたくさん見かける。

 

その後ホテルに戻りテレビで甲子園を見て、1日目が終わった。

 

 

2026328日 晴れ

 

8時、朝食で大東寿司を食べ早速防風林へ。島の西側を攻めてみる。良さそうだが先人に割られている材を見つけ、見てみる。木屑の中からダイトウマメクワガタのものらしきエリトラが出てきた。

 

 

うん…。

 

ちなみに南大東の防風林は歩きづらい。私はボロボロのスニーカーなので尚更であるが。珊瑚礁が隆起してできた島なのでとてもゴツゴツした岩が多い。

 

 

余談であったが、そんな中とあるカミキリが視界に入る。

 

オキナワアヤモンチビカミキリSybra (Sybraordinata loochooana Breuning, 1939

 

クワガタじゃなくてカミキリですか…。ともかくこの種はアヤモンチビカミキリの沖縄諸島亜種で、南大東では2013年に記録された(槇原・吉武 , 2013)らしい。ありがたくいただく。

 

マメクワは出ず、午後は北側の防風林を攻めるため北上していると…

 

サイカブト(タイワンカブトムシ) Oryctes rhinoceros Linnaeus, 1758

 

さとうきび畑の脇にいた。見たことがなかったためプチ興奮。ありがたくいただく。私が来た時期は丁度さとうきびの収穫時期であり、さとうきび畑のそばはずっと黒糖の匂いがしていた。

 

また大きな蝶の影が…。思わずネットイン。

 

アサギマダラ Parantica sita niphonica Moor, 1883

 

アサギマダラ!、個人的に好きな蝶なので嬉しい。島内では定期的に見られた。

 

しかし北側の防風林ではリュウキュウマツが多く生えており成果はなし。

 

 

こちらがリュウキュウマツ。防風林では生えていないとこもある。モクマオウに似ているため最初は紛らわしいがモクマオウより幹がひび割れており、葉のつき方なども違いため慣れれば見分けやすい。朽木も一般的なマツの朽木と同じような見た目である。

 

帰りに大東神社へ。

 

 

界隈では64円のお賽銭を投げるとクワガタが取れるジンクスがあるとか…。私も例に漏れずお詣りして64円を納める。ちなみに現在では大東神社一帯は保護地区に設定されておりダイトウヒラタやダイトウマメクワはとれない(材割してはいけない)。お詣りを済ませたらすぐに立ち去る方が良い。

 

こんな感じでマメクワがとれないまま2日目が終わった。2日後の飛行機で帰るため1日中採集できるのは明日が最後。一抹の不安を抱えたまま眠りにつく

 

 

2026329

 

例によってホテルで大東寿司を食べ、朝から採集に向かう。今回は防風林ではなく海岸沿いを攻めてみようと思う。

 

南大東島では大きく海岸沿い、防風林、島の中心部の3箇所から場所を選定する。ただし島の中心部はほとんどの場所が保護区に指定されており避けた方が良いと思う。

 

そんなわけで島の西側から北に向かって海岸沿いの森林の中を通る道を進み良さそうな場所を探す。

 

…厳しい、か?。気のせいかモクマオウが少ない気がする。少し中に入ろうとするとトゲトゲのアダンの攻撃を受ける。何もとれずに北の方まで行ってしまった。

 

とりあえず気分転換に観光。バリバリ岩という場所があるのでそこへ行く。

 

 

壮大だなあ…(何しに来たんだろう)

 

とりあえず宿に戻ろう。帰っている途中にサイカブトのメスを拾いつつ宿でもう一度考え直す。初日の西側が一番良かったなあ…

 

というわけで夕方であったが一縷の望みをかけ初日に行った西側の防風林へ。開き直ってモクマオウの枝部分らしきカピカピの倒木を割る。

 

…ん?小さい黒いシルエットが…

 

ダイトウマメクワガタ Figulus daitoensis (Fujita & Ichikawa, 1986)

 

!!!!!!!!!ッきた!大東神社のご加護(?)かな!

 

初日はモクマオウの朽木がどれかわからなかったため大きめの材を割っていて見逃していた。一匹とれたら他にも取れるものでこの材からは2匹の成虫と2匹の幼虫が得られた。その後そばにあった別の材からも成虫2匹が得られ、計4匹の成虫を得ることができた。

 

参考までに出てきた材の写真をあげておく

 

 

あり得ないくらい乾燥してカピカピだったが幼虫もいたため、ダイトウマメクワガタはヒラタと違いどんな材にもいるようである。しかし硬い材が多い(柔らかい材はすでに割られている)ため割るのは大変である。また、南大東島は私個人の主観であるがかなり乾燥しており雨もほとんど降らないため湿った材を見つけるのはかなり困難であると思う。

 

ひとまず30分も経たずに目的の虫を得られたため日が落ちる前にホテルに戻る。こうして3日目も終了した。

 

2026330日 晴れ

 

最終日。ダイトウマメクワガタは昨日採集し、午後の便で帰るため、朝10時ほどに起床。JAL公式ラインから通知が来ているではないか。

 

 

…ん?  …んんん?!

 

目が覚めました。どうしよう。とりあえず空港に向かおう。外に出ると壁に何かが…

 

リュウキュウヒメカミキリ Ceresium fuscum fuscum Matsumura et Matsushita, 1932

 

前胸背板が一様に毛で覆われているため基亜種。ありがたくいただこう。…じゃない!

 

ひとまずカミキリを確保した後、もう一度空港に行こうとするとホテルの方が送っていただけるとのことでありがたく頼らせていただく。かなり虫に詳しく親切にいろいろ教えていただきつつ、空港に到着。JALのカウンターにて翌日の朝の便に振り替えてもらい、その後ANAに乗る予定があったがJALの方に対応していただき振り返ることに成功。もちろんホテル代も負担していただけることに…。というわけでもう1日分南大東島に幽閉滞在することに。

 

とりあえず観光をしようということで日の丸展望台に

 

 

意外と低いなと思いつつ登るとかなり景色が見渡せる。

 

 

防風林はボコボコだったが島内は平らでかなり頑張って開拓したのだなと感じる景色であった。

 

その後の移動中のさとうきび畑脇の草むらに輝く物体が…

 

ナナホシキンカメムシ Calliphara excellens Burmeister, 1834

 

私は初めて見たのでかなり興奮。友達へのお土産も兼ねて複数ありがたくいただく。

 

またヒサマツサイカブトや大東神社産のダイトウヒラタクワガタの標本などを展示している島まるごと館にも行ってみたかったが今はリニューアル準備中のため閉館しており行けなかった(再開時期は令和8年度の予定とのこと)。

 

他にも大池のオヒルギ群落や上陸記念碑などを巡り大東そばを食べホテルへ。4日目が終わった。

 

2026331日 晴れ

 

朝の便で帰るため特に書くことはない。間違えて手荷物にピンセットを入れており回収されてしまったくらいだ。行きと同じプロペラ機で南大東を後にする

 

 

予定通り那覇空港に到着。実はこの後昆虫班の同期たちと石垣島に行くため、ANAの石垣行きの飛行機へ乗り継ぎ。時間ギリギリであったがなんとか搭乗できた。

 

とまあこんなところで今回の採集記はおしまいです。初めてのブログで拙い文章であったと思いますがご覧いただきありがとうございました。

 

ではまたお会いしましょう〜

班員Sでした〜🫛

 

九大生研昆虫班ブログをご愛読の皆様、超、お久しぶりです。
そうでない方は初めまして。
班員Bです。


今年も新歓の季節になってまいりました。この時期になると我々既存班員もどんな子が来るのか待ち遠しい季節になってまいります。
春、新しい出会いの時期ですね。しかし、こと昆虫に於いてはあまり数が見られない時期でもあります。
ですが春を含めた寒い時期でしか採集できないものもあります。
今回はそんな虫を狙いに行った出来事でも記そうかと思います。


新しく生物研究部に入りたい!という新入生、興味あったけど入りそびれてしまった上回生、是非この記事を読んで普段の活動の参考にしていただければ幸いです!
新歓の日程については、生研公式Twitter(現X)やオープンチャットなどでお知らせがあるはずなので、是非是非チェックしてくださいまし~

九州大学生物研究部公式Twitter

 

生物研究部2026年新歓オープンチャット(LINE)

 

 

昆虫班についての質問などなどは昆虫班のツイッターアカウントのDMなどでお気軽にご相談ください!
私も中に入っているのでお答えしていきたいなと思っております😉

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前置きが長くなってしまいましたが、採集記は以下からです。お付き合いいただけると嬉しいです☺️

♢♢♢♢♢♢

2026年3月

 

なんか採ったことがないFamily(科)の甲虫が採りたい!

そんな機運に身を任せ、人を募って高標高地に行くことにしました。

 

我々が住んでいる糸島近辺には一応、脊振山系の標高1,000メートルを超える山々があります。しかし主峰が1100メートルに届かない山なので得られる虫には限りがあります。そのため九州を南北に貫く、九州脊梁山地の山々に行くことにしました。

私の狙いはツガなどにつくカサアブラムシを専ら食べる生態をしていて、脊振山系ではまあ見られないような虫です。(記録も恐らくない)。しかも、前述の通り秋から春にかけての寒い時期にしか出現しないそうです。

これより前の時期ですと雪に閉ざされていて車で行くのは厳しいので、この時期になりました。

 

今回のメンバーは他メンバーが実家に帰っていたこともあり新部長殿に新2年のウズムシ大好きマン、そして私の3人で行くことになりました。九州外出身は私だけかい

 

 

2026 3月某日

 

レンタカー屋でレンタカーを借り、各参加者の家まで迎えに行きます。弊班では大抵こういう遠征が多いです。採集装備などは嵩張ったり、重かったりするので車で迎えに行かないと大変というのが一番の点です。

なにより遠征後に疲れた体で家まで帰らなきゃいけないのは辛い

 

目的地まで3時間半、安全運転で向かいます。

 

朝から行けばあちらをつく頃にはお昼過ぎでお腹が空いてしまうので向かう途中で腹ごしらえをすることとしました。


うっひょ~~~~~

ここのラーメン屋は3年前に見つけてから、その味に感動して近くを寄るたびに訪れているお店です。

私が九州で出会ったラーメン屋の中で一番好き。

 

福岡出身の後輩君も大層喜んでいました。やっぱ美味しいものは人と食べるに限るね。
遠征では営業時間が合えばおいしいものを食べるのが好きです。その土地の虫しか知らないというのもなんか悲しいし。
ハイシーズンだと夜はライトトラップやらで基本人里に降りることがないのでコンビニ飯になりがちですが、なるたけおいしいものを食べたいの心。

腹も膨らんだことですし、フィールドに向かいます。
ここからまだ時間はかかります。

途中、目的地からほど近い山道に染み出しがあったのでちょっと見てみる

個人的にうれしいものはなかったけど、後輩君はヒルやら何かを採集していたご様子。


目的地に着くと目につくのは大きなモミ。
糸島近辺に住んでいるとなかなかお目にかからない樹種です。

当地はモミが多く、そこに交じって生えているツガ、それにつく虫が狙いです。

少し登山道を登っていくと

ありました。ツガです。
モミとは葉の根元が吸盤状にならないことで見分けられます。


以前当地に訪れたときはあまり気にしていなかった木で、認識したのは初めてだったので少し嬉しい。
ツガと間違えてカヤをひたすらスウィープしていたときもありました。やはり虫を採るなら樹種にも詳しくないとね

狙いのツガにつく虫は小さいので流石に目視で見つけるのは厳しい
なのでこの時期に長竿と虫網でスウィープしていきます。

………
採れない…
言われればそりゃそう。文献によると弱った木にカサアブラムシが付きやすいらしく、弱った木を探しているのですが、周りのツガはみな青々としていて元気すぎます。本命虫どころかカサアブラムシの影もありません。
当地では記録もないので居ないかもなとは思っていましたが厳しそう。
時間めいいっぱいまでツガを掬いましたが、入りませんでした。

流石にこのまま帰るのは悲しいので周りに落ちている良さげな材を削って部長殿と虫を探します。

甲虫の種数で言えば針葉樹林は少ないイメージもあり、特にめぼしい虫は出ません

すると部長殿から声が上がります。
「いました~」

ツヤハダクワガタ四国九州亜種(ミナミツヤハダクワガタ) Ceruchus lignarius nodai Fujita, 1987
今回のサブターゲットを部長殿が先にゲット!嬉しそうな笑顔です


くぅ~うらやましか~しかも大きめの♂です。私が最初に採ったときは♂を出すのに苦労した思い出があります。

わざわざ来たからには何かしら採って帰りたいの精神で材を削ります

おお。

出ました。やっぱかっこいいですね
クワガタは小さめの種のほうが好きです。


この日はこれだけで、登山口付近の水場でウズムシを採集していた後輩君と合流して車で山を後にします。

軽食を食べてから温泉に。ハイシーズンでなければ夜は基本暇なので温泉とかに入れるのが良いところですね。
因みに私は温泉には一家言ありまして、濃いめが好きです。今回の温泉もすこしトロっと系でよかったです。


温泉の駐車場からの星空


また明日も採集の予定なので、コンビニで夕飯を買い、道の駅で仮眠をとります。
街灯に来た蛾を見て少し楽しみました。

これはクラマトガリバ?
 

ホソバキリガ(らしい)

 

蛾は全く分からないですし、収集もしていないのですが、生き物全般好きなので見れると面白いです。

 


昆虫班の遠征では泊りになると基本車中泊かテント泊になります。学生ですから、毎回宿をとるわけにもいかず…
一泊で宿をとるとなるとチェックインの時間や門限などに縛られることになりフレキシブルな予定を立てるのが難しくなってしまうというのもあり。

流石に離島とかに行くときは宿取りますが

翌日
天気も上々。今日はまた別の山に行きます。そこにもツガがあるらしく目的のものが狙えそう。
この山はよく通行止めになっていて、現在のルートですとダムをまわって行くのでやたらと遠く感じます。
今までに一回しか行ったことはないのですが、その際にいい虫が採れていたので確かなポテンシャルを感じる場所です。

駐車場に車を止め、最初は車道沿いでの採集です。
車道沿いはツガがなく目的の虫は採れなさそうですが、採集に来ているからにはいろんな虫が見たいですよね。

道脇にある細い枯れ枝をビーティングしていると虫が落ちてきました。

おそらく チビネスイRhizophagus (Rhizophagusparviceps Reitter, 1884
です。(展足後の写真でスミマセン今後も小さい虫はこういう感じの写真になります)
採集したのは初めてだったのでちょっとうれしい。

日が出ていて春の陽気を感じるとはいえ気温は一桁。その中でもビーティングネットの上で活発に動いていました。ご機嫌だなあ


その後も近くの材からツノクロツヤムシなどが出たりしましたが特にめぼしいものは出ずだったのでいよいよツガの虫さんを採りに山を下ることにします。
ここは峠なので虫が良いところに行くには山を下ることになります。
これがまあめんどくさく、疲れた足で帰りは登らなきゃいけないので大変。
虫の採集は基本山を登ってから降りますから、あまりこうはならないのですが、行きはよいよいってやつですな。

気を付けながらえっちらおっちら降っていきます。
降ってすぐはブナ主体、モミが少し混じるような林でしたが、場所によってやはり生えている木が違います。
日当たりのいい尾根に出るとモミが主体の林になりました。

お目当てのツガもありました。もちろん掬うのですが、本命が入る気配は一向にないです。
そもそも昨日訪れた場所に比べツガがほとんどありません。結局見たのはこれを含めて二株だけでした。


枯れた材の樹皮をめくっていくと、別の虫が出てきました。

ルリヒラタムシCucujus mniszechi Grouvelle, 1874

これは採集した経験がなかったので嬉しい。後輩や同輩、先輩にはよく目の前で採られていた虫なだけに喜びもひとしお。
誰が言ったかUSB。確かにその実物を見ると納得の造形です。

 

 

この虫は一度にまとまって採れる虫だと思っていなかったのですが、5つもまとまって出てきました。
以前後輩が秋に採っていたので、秋ごろに羽化してそのまま冬眠。その後暖かくなってきたら活動するのかな?


途中、ブナの樹洞からケシマキムシやマルテントウダマシを得ました

Dexialia sp.

丸くて可愛い甲虫です。嬉しい。

 

そのあとは特にめぼしい成果もなく。

最近の少雨からか谷はカラッカラに乾燥しています。私はツルグレンをやろうと思っていたので、ある程度湿ったリター(落葉層)を回収したいのですが、湿っている場所はなさそうです。

なので下の沢まで降りることにします。

 

途中、ここでもミナミツヤハダクワガタが採れたらいいなと思い材を削りますが、出てくる気配はありません。
自分たちの腕がないのか、環境が悪化しているのか…

結局、日暮れになったのでまた登って駐車場に戻ることにしました。
夜は気温が下がるのかまだ凍っている材もあり、あまり虫の落ちはよくありませんでした。

帰りは恐い。やはり疲れます。純粋に登るだけでも一時間はかかる上にかなりの斜面なので体力を奪われます。

登っている途中、ツガの葉が落ちていてよく見るとカサアブラムシがついています。
これはもしやと思い疲れた腕で一生懸命に葉を掬ってみますが、芳しくない。


木についているカサアブラムシを見ても視界に1、2頭見えるくらいであまりついていません。
文献やお友達の情報で見た木はもっとびっしりとカサアブラムシがついていたので多くないと厳しいのでしょうか。
甘くないね

結局狙いの虫は採れずじまいで駐車場まで歩いていきました。
またの機会に今回狙っていた虫を紹介できたらいいな

帰りは夜の山道に気を付けながら、運転していきます。
少しおなかがすいたので、夜間でもやっている資さんうどんに寄って帰りました。

久々の山道の上り下りで大変疲れて、本命の虫は採れなかったのですが、ルリヒラタムシをはじめとした採集したことのない虫が採れたのと、いろいろな知見を得られたのでいい遠征でした。

最後に沢沿いでお持ち帰リターして、ツルグレンで落ちた虫でも

 

ツルグレンの様子

 


キリクチマルハナノミダマシTohlezkus rufus (M. Sakai, 1980)
だと思います。本種の属するマルハナノミダマシ科はあまり採れないので嬉しかったです。小っちゃくてカワイイ🫶

こんな感じで本記事は終わりになります。
いかがだったでしょうか、生研に入部を考えている新入生、上回生諸兄ら、活動の参考にしていただければ幸いです。

一応、もう一度オープンチャット生研公式Twitter昆虫班Twitterのリンクを貼っておくのでオープンチャットへの加入、お待ちしております。
他愛のないご質問でも構いませんので是非是非DMやらリプやらしてください。何卒よろしくお願いいたします~

 

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以上、班員Bでした~最後まで読んでいただきありがとうございました~
また新歓でお会いしましょう👋

初めまして、今年度昆虫班班長をしています3回生のKと申します。


突然ですが、昨今の昆虫班は遠征の同行者が集まりにくく、数人で集まってレンタカーを借りて採集に行くというのを頻繁に行うのは難しくなっています。

そのため、特に予定のない週末は原付で採集に行くことが多いのですが、原付はコスパがいいという確固たる武器がある一方で、法定速度の壁や車中泊ができないこと、積載が限られることなどから所謂"限界遠征"になりがちです。

嬉しい虫が採れればそれで良いのですが、やはり、思うようにいかなければブツブツ呪言を吐きながら帰路に着くことになります。



さて、本題に入ります。

5/28から29早朝にかけて、片道150キロの大分県の有名な山に原付で採集に行ってきました。

朝の5時に糸島を出発して、現地に着いたのは9時過ぎでした。そこから日が出ている内はスプレーイングなどで、日没後はライトトラップ(HID)と2基のライトfit(ブラックライト)、ルッキングで日付が変わるくらいまで採集しました。その後、かなりの疲労のために、コンビニや公園でこまめに休息をとりながら時間をかけて帰宅しました。そのため、家に着いたのは朝の6時頃になっていました。帰宅後、気絶するように眠ったのは言うまでもありません。



 

 

 

 

まずは昼間の成果です。


まず、トガリバホソコバネカミキリとカンボウトラカミキリです。

前者は2年前に先輩方に案内していただいたポイントにて採集しました。このメスはかなり大型の個体でした。
後者はあまり多くない種で立ち枯れに来ていたものを採集しました。



マルムネチビキカワムシはキクイが穿孔しているノリウツギの立ち枯れの表面から得られました。一見、カッコウムシ科にも見える非常に特徴的な種です。スプレーイングも行いましたが、一頭のみでした。



他にも少し嬉しかったものとして、アオアシナガハナムグリ、フクチセダカコブヤハズカミキリ、クロオビヒゲナガゾウムシ、オオゴマダラコクヌスト、エンマムシモドキ、オオヒラタエンマムシ、ホソエンマムシ、ツノブトホソエンマムシ、マダラホソカタムシ、クリイロチビキカワムシ、クロムクゲキスイ、ムナビロネスイ、ヒメコブスジツノゴミムシダマシ、ツヤハダヒメゾウムシ、オオナガニジゴミムシダマシ、ルイスマルムネゴミムシダマシ、ムネアカヒメクチキムシ、アシブトカクホソカタムシ

などがあります。


 

エンマムシモドキやオオヒラタエンマムシは樹液などに見られることが多い種ですが、キクイムシが穿孔している細木の立ち枯れと隣の生木の隙間にキクイムシのフラスが溜まっているところに多く見られました。こういった枯れ木の虫を捕食しているのでしょうか。

ヒメコブスジツノゴミムシダマシはサルノコシカケに見られますが、同所的にみられるコブスジツノゴミムシダマシやクワガタゴミムシダマシよりもずっと少ない種です。

スプレーイングはホソエンマムシ類、ムナビロネスイ、初採集のマダラホソカタムシ、クロムクゲキスイ。ケマダラムクゲキスイ、ヒメマルミツギリゾウムシくらいでぼちぼちといったところです。


そして何より嬉しかったのが、Endomychus tomishimai Nakane, 1994

 トミシマテントウダマシと呼ばれている種です。
九州固有種の珍品です。
以前ご一緒したベテランの甲虫屋さんに是非気にかけて欲しいといった感じで紹介されたこともあり、密かに狙っていた種でした。

毎回キボシテントウダマシやイツホシテントウダマシが多くいる倒木付近の下草の葉上に静止していたので、そこから発生したのでしょうか。

 






次に日没後の成果です。

 

 

以下はライトfitに入っていた虫です。

 


まず、目立つのは巨大なミヤマクワガタです。当地のミヤマクワガタは大きなものが多く、1番大きな個体は71mmもありました。本種は高標高地であればよく目にする種の一つですが、ここまで大きな個体は初めて見ました。HIDのライトトラップにはほとんど飛来しませんでしたが、ライトfitには多く入っていました。意外と弱光を好む種なのでしょうか。

他に目ぼしい虫として、ヒメコブスジコガネ、キオビナガカッコウムシ、コメツキガタナガクチキ、コモンホソナガクチキ、ヒメクロオオクチキムシ、ホソヒゲナガビロウドコガネ基亜種、ガロアムネスジダンダラコメツキ、コスジマグソコガネなどがありました。

 

、


最初の5種はどれも多くない種で、HIDを主としたライトトラップでは採ったことがなく、これらもブラックライトのような弱光を好む虫なのかも知れません。
HIDとブラックライト単体では飛来する虫が多少異なるというのは非常に興味深いです。大量のカワゲラだかトビケラだか鱗翅だかで黒濁した保存液をソーティングするのは苦行ですが。

 

コスジマグソコガネは日本産コガネムシ上科図説 第1巻 食糞群では★★★★「稀種」とされていますが、当地で採集したことはもちろん、福岡、宮崎(2か所)、対馬でも採集しています。鹿の増加に伴って増加している種なのでしょうか。

もう一つ、気になる種です。

チャイロコガネ属Sericaniaの一種です。メス1頭のみでオス交尾器を見ることはできません。

体型など最も似ているのはイツツバクロチャイロコガネですが、触角の先端3節が片状部になっており、一節飛ばして、一節が突出しています。日本産コガネムシ上科図説 第3巻 食葉群Ⅱに図示されているイツツバクロチャイロコガネでは5節全てが片状部となっており、少し異なります。触角の形状はシコクチャイロコガネにも似ますが、前胸が異なります。

単なる把握漏れかもしれませんが、このような特徴を持つ種は見当たりません。ご存知の方がいらっしゃれば、ご教示いただけると嬉しいです。



 

 

 

 

以下はライトトラップ(HID)と夜間ルッキングで採集した虫です。



まずはわかりやすい美麗種であるキンスジコガネです。九州ではかなり少ない種らしく、点灯直後に1個体のみ飛来しました。



次にオオクロキノコゴミムシダマシです。九州固有の珍品で、アラゲキクラゲにみられます。
この日のアラゲキクラゲは乾燥しているか、あまり発達していないものが多く、本種を見ることはできないかと思われましたが、よく発達した群落から6個体が落ちてきました。

日本産ゴミムシダマシ大図鑑では珍品度は最も高い★★★★★「稀」とされますが、多産地でよく発達したアラゲキクラゲ群落があればみられることも多いため、★★★★★の種のなかでは、比較的見やすい種といえます。

別地では、冬季にアラゲキクラゲが生えていたであろう倒木の樹皮下から採集したこともあります。



他に目ぼしいものとして、クチキクシヒゲムシ、ヒメクロオオクチキムシ、オオマダラヒゲナガゾウムシ、ホソヒゲナガビロウドコガネ基亜種、ガロアムネスジダンダラコメツキ、マルツヤニジゴミムシダマシキ、エンマムシモドキ、オオヒラタエンマムシなどがありました。

 

 

クチキクシヒゲムシは広く分布しますが、生態が良く分かっておらず、神出鬼没の虫として有名です。夜間に生木の樹幹に静止している個体を採集しました。

ヒメクロオオクチキムシはド普通種のオオクチキムシと違って、分布が限られ、はるかに少ない種です。

両者とも、初めて採集しました。

キュウシュウクロナガオサムシも何頭か見られましたがこちらは出始めのようで、上翅が柔らかい個体ばかりだったので、採集はしませんでした。

 

 

 

 

以上がおおまかな当地での成果ですが、もう一つ嬉しかったものです。
帰路にナビを合わせるのと虫が来ていないかの確認のために草地にある自販機に立ち寄った際に、セアカオサムシを見つけました。
某遊水地などの野焼き後採集にも何度か行きましたが、自分で採集したのは初めてでした。


 

 

 

以上です。片道150キロで、長時間採集すると疲労で帰り道が危ういので、もう少し計画性を持つべきかと思いました。

個人的にはそれなりに良い成果が得られたと思います。
冗長な駄文でしたが、ご覧いただきありがとうございました。

 

P.S. 本ブログの更新は滞りがちなので、生研メンバーはなんか書いてくださるとうれしいです。