九大昆虫班のブログ

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九州大学生物研究部昆虫班です。班員が交代して更新します。

九州大学生物研究部昆虫班です。日本中の昆虫を求めて奮闘中です。班員が交代で綴って行きます。

九大生研昆虫班ブログをご愛読の皆様、超、お久しぶりです。
そうでない方は初めまして。
班員Bです。


今年も新歓の季節になってまいりました。この時期になると我々既存班員もどんな子が来るのか待ち遠しい季節になってまいります。
春、新しい出会いの時期ですね。しかし、こと昆虫に於いてはあまり数が見られない時期でもあります。
ですが春を含めた寒い時期でしか採集できないものもあります。
今回はそんな虫を狙いに行った出来事でも記そうかと思います。


新しく生物研究部に入りたい!という新入生、興味あったけど入りそびれてしまった上回生、是非この記事を読んで普段の活動の参考にしていただければ幸いです!
新歓の日程については、生研公式Twitter(現X)やオープンチャットなどでお知らせがあるはずなので、是非是非チェックしてくださいまし~

九州大学生物研究部公式Twitter

 

生物研究部2026年新歓オープンチャット(LINE)

 

 

昆虫班についての質問などなどは昆虫班のツイッターアカウントのDMなどでお気軽にご相談ください!
私も中に入っているのでお答えしていきたいなと思っております😉

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前置きが長くなってしまいましたが、採集記は以下からです。お付き合いいただけると嬉しいです☺️

♢♢♢♢♢♢

2026年3月

 

なんか採ったことがないFamily(科)の甲虫が採りたい!

そんな機運に身を任せ、人を募って高標高地に行くことにしました。

 

我々が住んでいる糸島近辺には一応、脊振山系の標高1,000メートルを超える山々があります。しかし主峰が1100メートルに届かない山なので得られる虫には限りがあります。そのため九州を南北に貫く、九州脊梁山地の山々に行くことにしました。

私の狙いはツガなどにつくカサアブラムシを専ら食べる生態をしていて、脊振山系ではまあ見られないような虫です。(記録も恐らくない)。しかも、前述の通り秋から春にかけての寒い時期にしか出現しないそうです。

これより前の時期ですと雪に閉ざされていて車で行くのは厳しいので、この時期になりました。

 

今回のメンバーは他メンバーが実家に帰っていたこともあり新部長殿に新2年のウズムシ大好きマン、そして私の3人で行くことになりました。九州外出身は私だけかい

 

 

2026 3月某日

 

レンタカー屋でレンタカーを借り、各参加者の家まで迎えに行きます。弊班では大抵こういう遠征が多いです。採集装備などは嵩張ったり、重かったりするので車で迎えに行かないと大変というのが一番の点です。

なにより遠征後に疲れた体で家まで帰らなきゃいけないのは辛い

 

目的地まで3時間半、安全運転で向かいます。

 

朝から行けばあちらをつく頃にはお昼過ぎでお腹が空いてしまうので向かう途中で腹ごしらえをすることとしました。


うっひょ~~~~~

ここのラーメン屋は3年前に見つけてから、その味に感動して近くを寄るたびに訪れているお店です。

私が九州で出会ったラーメン屋の中で一番好き。

 

福岡出身の後輩君も大層喜んでいました。やっぱ美味しいものは人と食べるに限るね。
遠征では営業時間が合えばおいしいものを食べるのが好きです。その土地の虫しか知らないというのもなんか悲しいし。
ハイシーズンだと夜はライトトラップやらで基本人里に降りることがないのでコンビニ飯になりがちですが、なるたけおいしいものを食べたいの心。

腹も膨らんだことですし、フィールドに向かいます。
ここからまだ時間はかかります。

途中、目的地からほど近い山道に染み出しがあったのでちょっと見てみる

個人的にうれしいものはなかったけど、後輩君はヒルやら何かを採集していたご様子。


目的地に着くと目につくのは大きなモミ。
糸島近辺に住んでいるとなかなかお目にかからない樹種です。

当地はモミが多く、そこに交じって生えているツガ、それにつく虫が狙いです。

少し登山道を登っていくと

ありました。ツガです。
モミとは葉の根元が吸盤状にならないことで見分けられます。


以前当地に訪れたときはあまり気にしていなかった木で、認識したのは初めてだったので少し嬉しい。
ツガと間違えてカヤをひたすらスウィープしていたときもありました。やはり虫を採るなら樹種にも詳しくないとね

狙いのツガにつく虫は小さいので流石に目視で見つけるのは厳しい
なのでこの時期に長竿と虫網でスウィープしていきます。

………
採れない…
言われればそりゃそう。文献によると弱った木にカサアブラムシが付きやすいらしく、弱った木を探しているのですが、周りのツガはみな青々としていて元気すぎます。本命虫どころかカサアブラムシの影もありません。
当地では記録もないので居ないかもなとは思っていましたが厳しそう。
時間めいいっぱいまでツガを掬いましたが、入りませんでした。

流石にこのまま帰るのは悲しいので周りに落ちている良さげな材を削って部長殿と虫を探します。

甲虫の種数で言えば針葉樹林は少ないイメージもあり、特にめぼしい虫は出ません

すると部長殿から声が上がります。
「いました~」

ツヤハダクワガタ四国九州亜種(ミナミツヤハダクワガタ) Ceruchus lignarius nodai Fujita, 1987
今回のサブターゲットを部長殿が先にゲット!嬉しそうな笑顔です


くぅ~うらやましか~しかも大きめの♂です。私が最初に採ったときは♂を出すのに苦労した思い出があります。

わざわざ来たからには何かしら採って帰りたいの精神で材を削ります

おお。

出ました。やっぱかっこいいですね
クワガタは小さめの種のほうが好きです。


この日はこれだけで、登山口付近の水場でウズムシを採集していた後輩君と合流して車で山を後にします。

軽食を食べてから温泉に。ハイシーズンでなければ夜は基本暇なので温泉とかに入れるのが良いところですね。
因みに私は温泉には一家言ありまして、濃いめが好きです。今回の温泉もすこしトロっと系でよかったです。


温泉の駐車場からの星空


また明日も採集の予定なので、コンビニで夕飯を買い、道の駅で仮眠をとります。
街灯に来た蛾を見て少し楽しみました。

これはクラマトガリバ?
 

ホソバキリガ(らしい)

 

蛾は全く分からないですし、収集もしていないのですが、生き物全般好きなので見れると面白いです。

 


昆虫班の遠征では泊りになると基本車中泊かテント泊になります。学生ですから、毎回宿をとるわけにもいかず…
一泊で宿をとるとなるとチェックインの時間や門限などに縛られることになりフレキシブルな予定を立てるのが難しくなってしまうというのもあり。

流石に離島とかに行くときは宿取りますが

翌日
天気も上々。今日はまた別の山に行きます。そこにもツガがあるらしく目的のものが狙えそう。
この山はよく通行止めになっていて、現在のルートですとダムをまわって行くのでやたらと遠く感じます。
今までに一回しか行ったことはないのですが、その際にいい虫が採れていたので確かなポテンシャルを感じる場所です。

駐車場に車を止め、最初は車道沿いでの採集です。
車道沿いはツガがなく目的の虫は採れなさそうですが、採集に来ているからにはいろんな虫が見たいですよね。

道脇にある細い枯れ枝をビーティングしていると虫が落ちてきました。

おそらく チビネスイRhizophagus (Rhizophagusparviceps Reitter, 1884
です。(展足後の写真でスミマセン今後も小さい虫はこういう感じの写真になります)
採集したのは初めてだったのでちょっとうれしい。

日が出ていて春の陽気を感じるとはいえ気温は一桁。その中でもビーティングネットの上で活発に動いていました。ご機嫌だなあ


その後も近くの材からツノクロツヤムシなどが出たりしましたが特にめぼしいものは出ずだったのでいよいよツガの虫さんを採りに山を下ることにします。
ここは峠なので虫が良いところに行くには山を下ることになります。
これがまあめんどくさく、疲れた足で帰りは登らなきゃいけないので大変。
虫の採集は基本山を登ってから降りますから、あまりこうはならないのですが、行きはよいよいってやつですな。

気を付けながらえっちらおっちら降っていきます。
降ってすぐはブナ主体、モミが少し混じるような林でしたが、場所によってやはり生えている木が違います。
日当たりのいい尾根に出るとモミが主体の林になりました。

お目当てのツガもありました。もちろん掬うのですが、本命が入る気配は一向にないです。
そもそも昨日訪れた場所に比べツガがほとんどありません。結局見たのはこれを含めて二株だけでした。


枯れた材の樹皮をめくっていくと、別の虫が出てきました。

ルリヒラタムシCucujus mniszechi Grouvelle, 1874

これは採集した経験がなかったので嬉しい。後輩や同輩、先輩にはよく目の前で採られていた虫なだけに喜びもひとしお。
誰が言ったかUSB。確かにその実物を見ると納得の造形です。

 

 

この虫は一度にまとまって採れる虫だと思っていなかったのですが、5つもまとまって出てきました。
以前後輩が秋に採っていたので、秋ごろに羽化してそのまま冬眠。その後暖かくなってきたら活動するのかな?


途中、ブナの樹洞からケシマキムシやマルテントウダマシを得ました

Dexialia sp.

丸くて可愛い甲虫です。嬉しい。

 

そのあとは特にめぼしい成果もなく。

最近の少雨からか谷はカラッカラに乾燥しています。私はツルグレンをやろうと思っていたので、ある程度湿ったリター(落葉層)を回収したいのですが、湿っている場所はなさそうです。

なので下の沢まで降りることにします。

 

途中、ここでもミナミツヤハダクワガタが採れたらいいなと思い材を削りますが、出てくる気配はありません。
自分たちの腕がないのか、環境が悪化しているのか…

結局、日暮れになったのでまた登って駐車場に戻ることにしました。
夜は気温が下がるのかまだ凍っている材もあり、あまり虫の落ちはよくありませんでした。

帰りは恐い。やはり疲れます。純粋に登るだけでも一時間はかかる上にかなりの斜面なので体力を奪われます。

登っている途中、ツガの葉が落ちていてよく見るとカサアブラムシがついています。
これはもしやと思い疲れた腕で一生懸命に葉を掬ってみますが、芳しくない。


木についているカサアブラムシを見ても視界に1、2頭見えるくらいであまりついていません。
文献やお友達の情報で見た木はもっとびっしりとカサアブラムシがついていたので多くないと厳しいのでしょうか。
甘くないね

結局狙いの虫は採れずじまいで駐車場まで歩いていきました。
またの機会に今回狙っていた虫を紹介できたらいいな

帰りは夜の山道に気を付けながら、運転していきます。
少しおなかがすいたので、夜間でもやっている資さんうどんに寄って帰りました。

久々の山道の上り下りで大変疲れて、本命の虫は採れなかったのですが、ルリヒラタムシをはじめとした採集したことのない虫が採れたのと、いろいろな知見を得られたのでいい遠征でした。

最後に沢沿いでお持ち帰リターして、ツルグレンで落ちた虫でも

 

ツルグレンの様子

 


キリクチマルハナノミダマシTohlezkus rufus (M. Sakai, 1980)
だと思います。本種の属するマルハナノミダマシ科はあまり採れないので嬉しかったです。小っちゃくてカワイイ🫶

こんな感じで本記事は終わりになります。
いかがだったでしょうか、生研に入部を考えている新入生、上回生諸兄ら、活動の参考にしていただければ幸いです。

一応、もう一度オープンチャット生研公式Twitter昆虫班Twitterのリンクを貼っておくのでオープンチャットへの加入、お待ちしております。
他愛のないご質問でも構いませんので是非是非DMやらリプやらしてください。何卒よろしくお願いいたします~

 

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以上、班員Bでした~最後まで読んでいただきありがとうございました~
また新歓でお会いしましょう👋

初めまして、今年度昆虫班班長をしています3回生のKと申します。


突然ですが、昨今の昆虫班は遠征の同行者が集まりにくく、数人で集まってレンタカーを借りて採集に行くというのを頻繁に行うのは難しくなっています。

そのため、特に予定のない週末は原付で採集に行くことが多いのですが、原付はコスパがいいという確固たる武器がある一方で、法定速度の壁や車中泊ができないこと、積載が限られることなどから所謂"限界遠征"になりがちです。

嬉しい虫が採れればそれで良いのですが、やはり、思うようにいかなければブツブツ呪言を吐きながら帰路に着くことになります。



さて、本題に入ります。

5/28から29早朝にかけて、片道150キロの大分県の有名な山に原付で採集に行ってきました。

朝の5時に糸島を出発して、現地に着いたのは9時過ぎでした。そこから日が出ている内はスプレーイングなどで、日没後はライトトラップ(HID)と2基のライトfit(ブラックライト)、ルッキングで日付が変わるくらいまで採集しました。その後、かなりの疲労のために、コンビニや公園でこまめに休息をとりながら時間をかけて帰宅しました。そのため、家に着いたのは朝の6時頃になっていました。帰宅後、気絶するように眠ったのは言うまでもありません。



 

 

 

 

まずは昼間の成果です。


まず、トガリバホソコバネカミキリとカンボウトラカミキリです。

前者は2年前に先輩方に案内していただいたポイントにて採集しました。このメスはかなり大型の個体でした。
後者はあまり多くない種で立ち枯れに来ていたものを採集しました。



マルムネチビキカワムシはキクイが穿孔しているノリウツギの立ち枯れの表面から得られました。一見、カッコウムシ科にも見える非常に特徴的な種です。スプレーイングも行いましたが、一頭のみでした。



他にも少し嬉しかったものとして、アオアシナガハナムグリ、フクチセダカコブヤハズカミキリ、クロオビヒゲナガゾウムシ、オオゴマダラコクヌスト、エンマムシモドキ、オオヒラタエンマムシ、ホソエンマムシ、ツノブトホソエンマムシ、マダラホソカタムシ、クリイロチビキカワムシ、クロムクゲキスイ、ムナビロネスイ、ヒメコブスジツノゴミムシダマシ、ツヤハダヒメゾウムシ、オオナガニジゴミムシダマシ、ルイスマルムネゴミムシダマシ、ムネアカヒメクチキムシ、アシブトカクホソカタムシ

などがあります。


 

エンマムシモドキやオオヒラタエンマムシは樹液などに見られることが多い種ですが、キクイムシが穿孔している細木の立ち枯れと隣の生木の隙間にキクイムシのフラスが溜まっているところに多く見られました。こういった枯れ木の虫を捕食しているのでしょうか。

ヒメコブスジツノゴミムシダマシはサルノコシカケに見られますが、同所的にみられるコブスジツノゴミムシダマシやクワガタゴミムシダマシよりもずっと少ない種です。

スプレーイングはホソエンマムシ類、ムナビロネスイ、初採集のマダラホソカタムシ、クロムクゲキスイ。ケマダラムクゲキスイ、ヒメマルミツギリゾウムシくらいでぼちぼちといったところです。


そして何より嬉しかったのが、Endomychus tomishimai Nakane, 1994

 トミシマテントウダマシと呼ばれている種です。
九州固有種の珍品です。
以前ご一緒したベテランの甲虫屋さんに是非気にかけて欲しいといった感じで紹介されたこともあり、密かに狙っていた種でした。

毎回キボシテントウダマシやイツホシテントウダマシが多くいる倒木付近の下草の葉上に静止していたので、そこから発生したのでしょうか。

 






次に日没後の成果です。

 

 

以下はライトfitに入っていた虫です。

 


まず、目立つのは巨大なミヤマクワガタです。当地のミヤマクワガタは大きなものが多く、1番大きな個体は71mmもありました。本種は高標高地であればよく目にする種の一つですが、ここまで大きな個体は初めて見ました。HIDのライトトラップにはほとんど飛来しませんでしたが、ライトfitには多く入っていました。意外と弱光を好む種なのでしょうか。

他に目ぼしい虫として、ヒメコブスジコガネ、キオビナガカッコウムシ、コメツキガタナガクチキ、コモンホソナガクチキ、ヒメクロオオクチキムシ、ホソヒゲナガビロウドコガネ基亜種、ガロアムネスジダンダラコメツキ、コスジマグソコガネなどがありました。

 

、


最初の5種はどれも多くない種で、HIDを主としたライトトラップでは採ったことがなく、これらもブラックライトのような弱光を好む虫なのかも知れません。
HIDとブラックライト単体では飛来する虫が多少異なるというのは非常に興味深いです。大量のカワゲラだかトビケラだか鱗翅だかで黒濁した保存液をソーティングするのは苦行ですが。

 

コスジマグソコガネは日本産コガネムシ上科図説 第1巻 食糞群では★★★★「稀種」とされていますが、当地で採集したことはもちろん、福岡、宮崎(2か所)、対馬でも採集しています。鹿の増加に伴って増加している種なのでしょうか。

もう一つ、気になる種です。

チャイロコガネ属Sericaniaの一種です。メス1頭のみでオス交尾器を見ることはできません。

体型など最も似ているのはイツツバクロチャイロコガネですが、触角の先端3節が片状部になっており、一節飛ばして、一節が突出しています。日本産コガネムシ上科図説 第3巻 食葉群Ⅱに図示されているイツツバクロチャイロコガネでは5節全てが片状部となっており、少し異なります。触角の形状はシコクチャイロコガネにも似ますが、前胸が異なります。

単なる把握漏れかもしれませんが、このような特徴を持つ種は見当たりません。ご存知の方がいらっしゃれば、ご教示いただけると嬉しいです。



 

 

 

 

以下はライトトラップ(HID)と夜間ルッキングで採集した虫です。



まずはわかりやすい美麗種であるキンスジコガネです。九州ではかなり少ない種らしく、点灯直後に1個体のみ飛来しました。



次にオオクロキノコゴミムシダマシです。九州固有の珍品で、アラゲキクラゲにみられます。
この日のアラゲキクラゲは乾燥しているか、あまり発達していないものが多く、本種を見ることはできないかと思われましたが、よく発達した群落から6個体が落ちてきました。

日本産ゴミムシダマシ大図鑑では珍品度は最も高い★★★★★「稀」とされますが、多産地でよく発達したアラゲキクラゲ群落があればみられることも多いため、★★★★★の種のなかでは、比較的見やすい種といえます。

別地では、冬季にアラゲキクラゲが生えていたであろう倒木の樹皮下から採集したこともあります。



他に目ぼしいものとして、クチキクシヒゲムシ、ヒメクロオオクチキムシ、オオマダラヒゲナガゾウムシ、ホソヒゲナガビロウドコガネ基亜種、ガロアムネスジダンダラコメツキ、マルツヤニジゴミムシダマシキ、エンマムシモドキ、オオヒラタエンマムシなどがありました。

 

 

クチキクシヒゲムシは広く分布しますが、生態が良く分かっておらず、神出鬼没の虫として有名です。夜間に生木の樹幹に静止している個体を採集しました。

ヒメクロオオクチキムシはド普通種のオオクチキムシと違って、分布が限られ、はるかに少ない種です。

両者とも、初めて採集しました。

キュウシュウクロナガオサムシも何頭か見られましたがこちらは出始めのようで、上翅が柔らかい個体ばかりだったので、採集はしませんでした。

 

 

 

 

以上がおおまかな当地での成果ですが、もう一つ嬉しかったものです。
帰路にナビを合わせるのと虫が来ていないかの確認のために草地にある自販機に立ち寄った際に、セアカオサムシを見つけました。
某遊水地などの野焼き後採集にも何度か行きましたが、自分で採集したのは初めてでした。


 

 

 

以上です。片道150キロで、長時間採集すると疲労で帰り道が危ういので、もう少し計画性を持つべきかと思いました。

個人的にはそれなりに良い成果が得られたと思います。
冗長な駄文でしたが、ご覧いただきありがとうございました。

 

P.S. 本ブログの更新は滞りがちなので、生研メンバーはなんか書いてくださるとうれしいです。

九大生研昆虫班ブログをご愛読の皆様、お久しぶりです。
そうでない方ははじめまして。
班員Bと申します。

 

最近の更新が滞ってしまって大変申し訳ない限りです。
何か何か上げようとは思っていたのですが書き始めるまでは調子が乗らないもんですね。

前置きはさておき、今回は去年の初夏に大隅に行ったときのことをブログにしようと思います。
大隅と言えば私が大好きな場所で虫がたくさんいるという九州では稀有な場所です。福岡からは遠いですが年に何回かは絶対に訪れる地になっています。

 

 

2024年6月15日 くもりのち雨

 

今日は今年初の大隅に行こうかと思う。
今回のメンバーは少し変わって後輩の二年ズ2人に私、あとは生研OBでD1のHさんの三人だ。
Hさんはハネカクシの研究をしている方で、他の雑甲虫類にも興味があるとのことで大隅にご同行して頂く運びになった。
このHさん、歩く原色みたいなお方で知識量がすごい…
ちょっと憧れの先輩だ。
このHさんとちゃんと採集に行くのも初めてだし、初夏の大隅は初めてだったのでかなり楽しみではある。

レンタカーを借り、他の三人を乗せ福岡から車を走らせ大隅に向かう。
今回最初に訪れたポイントまでは勿論高速を使う。因みに糸島から大隅間だが…

 

所要時間5時間、距離にして380km弱(googlemap)

 

といったところである。
うーん遠い…
私は関東の人間なので東京からどこまでと言った方が距離にイメージがつきやすいのでこう表現する。


東京駅から名古屋駅間が4時間半、350km弱(googlemap)


つまり、東京から名古屋へ行くよりも遠い場所となる。
九州を縦断するわけだからそりゃそのような距離になるのは当たり前なのだが、この距離を運転するのは少々骨が折れる。
なので交代で運転することが殆どである。流石にね…

最初に訪れたのは大隅半島西部の海岸部。
高速が通行止めになっていたり解除されたりして時間が余計にかかってしまったので到着したのは14時半ごろ。やはり大隅は遠い。


このポイントはある狙いの種が採れると生研OBのカミキリ屋、Nさんに教えて頂いた場所である。

階段を下り、海岸沿いに降りていく。

かなり石が大きめの礫海岸である。
ここのマルバニッケイを掬うと採れるという。

ご教示いただいたとおりに掬っていく…

カノミドリトラカミキリ

Chlorophorus kanoi Hayashi, 1963

 

おお入った。

種子島や屋久島、そして鹿児島など九州に固有のトラカミキリである。
でも生息地での個体数は少なくないようで、みんな採集出来ていた。
こういった採集は予定調和になってしまいがちだが、狙いのものがちゃんと採れるというのはそれだけで楽しみがある。

採集していると雨模様になってきた。
いそいそと車に戻って雨宿り。
今日はこのまま大隅に残ってライトトラップをやる予定なのだが雨だと少し気分が下がる。
止んでくれるといいが…

 

本土最南端のAコープで夕飯を買い、別のポイントに移動。

いい時間なのでライトを設営してライトトラップと洒落こむか?

 

だが一向に止まない雨!どうする?!

いや、強行だ。ここまで来てライトトラップをしないというのも変な話だ。雨に打たれながらライトを設営していく。

だが、なんとこのライトおびただしい量の虫が飛来することになった…

 

シロアリがね!!!!!!!

これは大変ですよ本当に。
雨に打たれ、無数に飛来するシロアリ。
どうやらそのタイミングに当たってしまったらしく、方々の朽木に目を向けると至る所からシロアリの王や女王が這い出てくるのが見える見える。
 

あまりの多さに飛来してきたノコギリクワガタくんもシロアリに溺れてしまいました~~~~~~!!!!!

 

うん、酷い。
こんな雨の中シロアリしか飛来しないライトはやめてしまえ
ということで早々に撤収。
だが撤収時はこのシロアリが無数についた幕を払わねばいけない訳で大変手間である。
ライトやらない方が良かったな…そう思ったライトトラップだった。

 

余談だがライトトラップをする前にスプレーイングをした立ち枯れからエノキミツギリゾウを採集した。欠品だがこれは嬉しかった。本州でも得られているがメインは九州のいい虫である。

Eterozemus celtis (Lewis, 1884)

 


後輩君は立ち枯れで以前から採集したいと思っていたキンヘリアトバゴミムシを採集できたようで何より。雨でもいるもんだね…
こっちは画像無し。
 

2024年6月16日 晴れ

 
今日は少し北上しムラサキアオカミキリを狙いにまたもやNさんに教えていただいたポイントへ赴いた。
朝から15時までみっちり探したがほぼ成果なしなので割愛!昨日の雨の影響かなあなんて思いつつまた大隅半島へ戻っていく…
 
今日は昨日から場所を変えてのライトトラップ&夜間徘徊。
 
ライトをつける前に少々周りを徘徊しながら気になる材を見ていく感じ。
 
すると倒木から後輩君が目の前でクロサワツツヒラタムシを採集していた。
キクイの穿孔跡のある材なので怪しいとは思っていたがまさかツツヒラタとは…
未採集のファミリーなので私も探してハイエナをさせて頂いた。
Ancistria kurosawai Sasaji, 1993
 
こちらも欠品だったが良し。
どうやら夕方から夜間にかけて倒木上に出てくるようだ。
ツツヒラタムシ科の中でもエリトラに紋があってかっこいい種類。しかも九州固有の箔がついている。
後輩君はそのあと無印のツツヒラタも採集していた。悔しい。
 
同じ材を見ていると、
オオムクゲキスイ
Biphyllus satsumanus Nakane, 1988
 
九州固有の大型ムクゲキスイで珍品。
雑甲虫においては素晴らしい成果だ。
この倒木を崇めておこう
セスジツツホソカタムシ
Carbothrus hiranoi (Aoki, 2008)
 
これも例の倒木から。採集時はヒュウガツツホソカタかと思っていたがセスジの方だった。でもどちらにせよ未採集だったのでヨシ!これ以降セスジツツを見る機会が何回かあったがライトにも飛来するほか細い新しめの材にも来ていたりとそこまで材にこだわりがある種には思えない。
 
さてライトトラップ。
残念ながらライトトラップの写真は撮ってなかった…
ムモンチャイロホソバネカミキリ
Thranius rufescens (Bates, 1884)
 
ライトを見ていると早々に飛来したルフェことムモンチャイロホソバネカミキリ。大隅ではいつも見る顔だ。
でも採れるとなんだか嬉しい。そして手が汚い。
ライトには当種くらいで他に目ぼしいものはいなかった。悲しい。
材が昨日の雨で濡れているせいか材を見回ってもカミキリなどは貧しい成果だった。
 
他に夜間徘徊の成果は、
コモンキノコゴミムシダマシ
Spiloscapha ichihashii (Nakane, 1956)
 
大大図鑑星4の美麗ゴミムシダマシで本州と九州からの記録が知られている。ここ大隅では比較的採りやすい。
ある特定のキノコに集まるようで、いる材にはいっぱいついているがその材を見つけるのが大変といった感じ。
 
明日は月曜で普通に授業があるので早めに切り上げて、夜通し運転して帰路に就く。
後輩君は疲れていそうだったので私一人で休憩を挟みつつ運転することになった。やはり遠いよ大隅…

クタクタになりながら家へ帰る。
長時間の運転と夜間の徘徊、睡眠不足でものすごい疲労感だ。
でもまた行きたいなと訪れてしまうそんな場所、大隅。
私の大好きな場所だ。
因みにこちらは帰宅した際に自分の足を確認したらついていたマダニ3exs.
大隅はマダニが多いのが玉に瑕。
 
 
とまあこんなところで今回の採集記はおしまいです。
こんな年明け一か月後くらいに半年以上前の採集記を上げるのも中々な気がしますが楽しんでいただけたら幸いです。
やはり夏は虫がいっぱい採れて楽しいですね。今から待ち遠しいです。でも夏は夏でブヨやら暑さやらでやられてしまうんですが…
 
ではまたお会いしましょう~
班員Bでした~👋