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九大昆虫班のブログ

九州大学生物研究部昆虫班です。班員が交代して更新します。

どうも、皆さん。
新班長のC(仮名)です。
いやぁ…長いこと更新されていなかったブログを動かした班員Bには頭が上がりませんね。
なぜAがいないんでしょう。謎です。


それはさておき、九大生研、昆虫班の勧誘についてのお知らせです。お待たせしました。
入部を検討している方は昆虫班TwitterアカウントにDMでご連絡いただけないでしょうか?
そこから班長のLINEアカウント及び新歓グループへ招待させていただきます。
Twitterアカウントを持っていない、DMとかはちょっと…というような方は大学が始まってから行われる予定の全班合同の新歓(説明会)の際に加入していただいても大丈夫です。
連絡したからといって入部を強制するものでもないので気になる方は気軽にどうぞ。
もちろん新入生だけでなく、2年生、3年生の方々も歓迎です!
私達と一緒に昆虫の沼に浸かりましょう!
ご連絡、お待ちしています。

こんにちは。班員Bと申します。
今回は個人活動で先輩らと採集に行ってきたので、軽い採集記のようなものを書こうと思います。
新入生で九大生研の昆虫班に入りたいと思っている方は、活動の参考にしていただければ幸いです。

新歓の情報ですが、そろそろtwitterなどにてお知らせがあるはずなので、入部希望者でTwitterの方を知らないという方がいらっしゃいましたらフォローしてくださると嬉しいです。

https://twitter.com/Quniv_brcinsect

 




3/20 晴れ


この日は、野焼き後の草原での採集に行ってまいりました。
野焼きとは何か軽く説明すると、こういった草原では環境を保つため、一度植生を焼き払うのです。

九州ですと阿蘇、関東あたりですと渡良瀬遊水地などが有名ですね。これらの草原は野焼きをしなければ瞬く間に草原がなくなってしまうと言われています。


そして…野焼きすると、我々虫屋にとってどんなメリットがあるのかというと、草原に隠れて越冬していた虫が石の下に逃げ込むのです。それを採集するという方法になります。また、焼け野原になっているので、普段は草原によって見えなかった石がより見つけやすくなったりもします。

一面焼けていますね。少々煤の匂いがするのも野焼き採集ならではです。

今日は先輩二人と来ています。
車から降りると、さっそく各々別の場所で石起こしを始めました。
 

 

う~ん、出ない…

前情報と違ってあまり振るわないですね。ですが、虫採りはあきらめないことが肝心です。

石を見つけては裏返すという作業を繰り返します。
すると

セアカオサムシ

Carabus (Hemicarabustuberculosus Dejean, 1829

 

金属光沢の赤とエリトラの造形が非常にかっこいオサムシです。
だんだんとテンションとモチベーションが上がってきます。
狙いの虫は採れるかな…

 

オオヨツボシゴミムシ
Dischissus mirandus Bates, 1873

今度はこの子が出ました。九州では初めてだったのでうれしいです。エリトラのレモンイエローがチャーミングなゴミムシです。


上二種のメンツはどこかの遊水地で見覚えのあるメンツですね。



さらに石をめくっていきますが、なかなか本命の虫たちは出ません。
場所が悪いのか、はたまたものすごく薄いのか…

そう思ってスマホを見ると先輩からのLineが

『(とある目的の虫)以外全部採ったよ』

………は?
こっちは二種しか採れてないが???ずるい!!!

大急ぎでその先輩が採集したという地点に向かいます。

「ここら辺めくったら採れたよ。」

その言葉を聞き言われるがままに石をめくっていくと…

コモリアオホソゴミムシ
Dendrocellus geniculata (Klug, 1834)

いた!!!!!今回の目標だった種類の一つです。
良好な草原環境に生息していて、全国的には珍しい種類です。いやはや嬉しいですね。

その周囲の石をめくっていくと

いっぱいいる!!
一度に複数得られることもしばしば、多いところですと一つの石の裏に5頭いました。

それからも場所を変えたりしながら石を捲っていきましたが、最後の目標種がなかなか出てくれない。やはり場所が重要で、出ないところでは全く出ないのかもしれない…

ヒトツメアオゴミムシ

Callistoides deliciolus (Bates, 1873)

 

やっと出ました…
本州、四国、九州に生息していますが、九州だと得られやすいようです。

先の情報だとヒトツメアオゴミをここでたくさん採集したとのことですが、先輩とあわせて4頭のみでした。

間隙の大きいところを好むのか、より大きめの石の下から得られました。まぁ小さい石もめくらずにはいられないのですが…

 

というわけで、今回の採集では目的の種を無事に採集することが出来ました。
この場所は九州大学のある福岡市から2時間くらいで行けるのでアクセスが良くまた虫も多くていいポイントですね。


どうやらこの草原ではほかにも、ダイミョウアトキリゴミムシやナガサキクビナガゴミムシ、クロモンヒラナガゴミムシなどなどいいゴミムシがまだまだ採れるそうです。

もう少し暖かくなったらルッキングやライトトラップなどもしてみたいので、是非また採集に行きたいですね。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
活動の参考になりましたでしょうか?もし楽しそうだな、一緒に虫採ってみたいなと思いましたら、九大生研昆虫班に入って下さると大変うれしいです。

もちろん、新入生以外も大歓迎です。
もう少しで新歓のご案内があるはずなので、暫くお待ちください。

そんなわけで班員Bでした。

 

お久しぶりです。更新が去年の新歓から滞っていたことに戦慄しております。

新歓の通達も当ブログでは行ってなかったですし…来年以降はどうするんですかね。どうしましょうか。

 

それは置いておいて、私はこのブログの中での投稿が初めてなので自己紹介から

一年の班員Bと申します。(名前は適当です笑)糞虫をはじめとしたコガネムシ上科やゴミムシが好きなミーハーです。知識は浅いですし、甲虫以外は採りませんし何も分かりません。

というわけであいさつも済んだので、虫の話をしようと思います。



こちらはキュウシュウニセコルリクワガタです

今月に大分県で採集したものになります。

というわけで今回は九州のルリクワガタ類について紹介しようと思います。


九州にはこれを含めて3種1亜種が記録されています。
順に紹介していくと
 

  1. キュウシュウニセコルリクワガタ
    Platycerus urushiyamai Imura,2007
    従来ニセコルリクワガタとされていたものがY. Imura, 2007. によって当種を含む4種に分類されました。原記載では和名がキュウシュウルリクワガタとされています。
     
  2. ニシコルリクワガタ 九州亜種
    Platycerus viridicuprus kanadai K. Kubota, N. Kubota & Otobe, 2008
    本州に生息しているニシコルリクワガタの九州亜種になります。福岡や大分県で得られています。コルリクワガタのグループがKohei Kubota et al., 2008.によってニシコルリクワガタを含む4種に分類されました。そのなかでキュウシュウコルリクワガタとして記載されています。
     
  3. ルリクワガタ(オオルリクワガタ)
    Platycerusu delicatulus LEWIS, 1883
    九州以外の地域にも広く分布している種です。Y. Imura, 2007にてオオルリクワガタという和名が提唱されていますが、ここではルリクワガタとしておきます。ルリクワガタ派である理由は、和名を見たときにどのように分類が整理されたかが分かるという点を評価してです。一番の理由はオオルリクワガタという名前がダサいと思ってるからです笑笑
     
  4. ルリクワガタ 雲仙亜種(ウンゼンルリクワガタ)
    Platycerus delicatulus unzendakensis Fujita & Ichikawa, 1982
    上記のルリクワガタの亜種になります。無印のルリクワガタと比べて青みが強いのが特徴です。雲仙山系と多良山系に生息していますが、雲仙岳は国立公園に指定されており、特別保護地区では動植物の採集が禁止になっています。また多良岳は多良岳自然環境保全地域に指定されており、佐賀県の条例によって特別地域でのウンゼンルリクワガタの採集が禁止されています。県にお問い合わせをしたところ、多良岳自然環境保全地域は全域が特別地域に指定されているそうです。


私は、まだキュウシュウニセコルリしか採れてないのでぼちぼち集めていけたらいいなと思います。

今回のブログは以前と少し毛色を変えてみました。私、班員Bは今後もこういった好きな虫の紹介の投稿が多くなると思います。これから何卒よろしく願いします!

 

 

引用

 

  • Kohei Kubota et al., 2008. Biogeography 10. 79-102
    A Revision of Platycerus acuticollis Y. Kurosawa ( Coleoptera, Lucanidae) and its Closely Related Species,
  • Y. Imura, 2007. Elytra 35 (2). 471-489
     tructure of the Genus Platycerus (Coleoptera, Lucanidae) of Japan, with Descriptions of Two New Species
  • Kohei Kubota et.al, 2011. Entomological Science 14. 411–427
    Diversification process of stag beetles belonging to the genus Platycerus Geoffroy (Coleoptera: Lucanidae) in Japan based on nuclear and mitochondrial genes
  • 佐賀県条例による希少野生動植物の指定 
    佐賀県の自然公園区域図