こんにちは。班員Bと申します。
今回は個人活動で先輩らと採集に行ってきたので、軽い採集記のようなものを書こうと思います。
新入生で九大生研の昆虫班に入りたいと思っている方は、活動の参考にしていただければ幸いです。
新歓の情報ですが、そろそろtwitterなどにてお知らせがあるはずなので、入部希望者でTwitterの方を知らないという方がいらっしゃいましたらフォローしてくださると嬉しいです。
https://twitter.com/Quniv_brcinsect
3/20 晴れ
この日は、野焼き後の草原での採集に行ってまいりました。
野焼きとは何か軽く説明すると、こういった草原では環境を保つため、一度植生を焼き払うのです。
九州ですと阿蘇、関東あたりですと渡良瀬遊水地などが有名ですね。これらの草原は野焼きをしなければ瞬く間に草原がなくなってしまうと言われています。
そして…野焼きすると、我々虫屋にとってどんなメリットがあるのかというと、草原に隠れて越冬していた虫が石の下に逃げ込むのです。それを採集するという方法になります。また、焼け野原になっているので、普段は草原によって見えなかった石がより見つけやすくなったりもします。
一面焼けていますね。少々煤の匂いがするのも野焼き採集ならではです。
今日は先輩二人と来ています。
車から降りると、さっそく各々別の場所で石起こしを始めました。
う~ん、出ない…
前情報と違ってあまり振るわないですね。ですが、虫採りはあきらめないことが肝心です。
セアカオサムシ
Carabus (Hemicarabus) tuberculosus Dejean, 1829
金属光沢の赤とエリトラの造形が非常にかっこいオサムシです。
だんだんとテンションとモチベーションが上がってきます。
狙いの虫は採れるかな…
オオヨツボシゴミムシ
Dischissus mirandus Bates, 1873
今度はこの子が出ました。九州では初めてだったのでうれしいです。エリトラのレモンイエローがチャーミングなゴミムシです。
上二種のメンツはどこかの遊水地で見覚えのあるメンツですね。
さらに石をめくっていきますが、なかなか本命の虫たちは出ません。
場所が悪いのか、はたまたものすごく薄いのか…
そう思ってスマホを見ると先輩からのLineが
『(とある目的の虫)以外全部採ったよ』
………は?
こっちは二種しか採れてないが???ずるい!!!
大急ぎでその先輩が採集したという地点に向かいます。
「ここら辺めくったら採れたよ。」
その言葉を聞き言われるがままに石をめくっていくと…
コモリアオホソゴミムシ
Dendrocellus geniculata (Klug, 1834)
いた!!!!!今回の目標だった種類の一つです。
良好な草原環境に生息していて、全国的には珍しい種類です。いやはや嬉しいですね。
その周囲の石をめくっていくと
いっぱいいる!!
一度に複数得られることもしばしば、多いところですと一つの石の裏に5頭いました。
それからも場所を変えたりしながら石を捲っていきましたが、最後の目標種がなかなか出てくれない。やはり場所が重要で、出ないところでは全く出ないのかもしれない…
ヒトツメアオゴミムシ
Callistoides deliciolus (Bates, 1873)
やっと出ました…
本州、四国、九州に生息していますが、九州だと得られやすいようです。
先の情報だとヒトツメアオゴミをここでたくさん採集したとのことですが、先輩とあわせて4頭のみでした。
間隙の大きいところを好むのか、より大きめの石の下から得られました。まぁ小さい石もめくらずにはいられないのですが…
というわけで、今回の採集では目的の種を無事に採集することが出来ました。
この場所は九州大学のある福岡市から2時間くらいで行けるのでアクセスが良くまた虫も多くていいポイントですね。
どうやらこの草原ではほかにも、ダイミョウアトキリゴミムシやナガサキクビナガゴミムシ、クロモンヒラナガゴミムシなどなどいいゴミムシがまだまだ採れるそうです。
もう少し暖かくなったらルッキングやライトトラップなどもしてみたいので、是非また採集に行きたいですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
活動の参考になりましたでしょうか?もし楽しそうだな、一緒に虫採ってみたいなと思いましたら、九大生研昆虫班に入って下さると大変うれしいです。
もちろん、新入生以外も大歓迎です。
もう少しで新歓のご案内があるはずなので、暫くお待ちください。
そんなわけで班員Bでした。