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九大昆虫班のブログ

九州大学生物研究部昆虫班です。班員が交代して更新します。

 8日目(3月21日)も石津が担当します。よろしくお願いします。

 

 この日はとにかく暑かったです。1日中晴れていました。なんと石垣市の最高気温は28.2℃と遠征中で最も高くなりました。

 

 この日まず僕たちが向かったのはとある湿地。今回の遠征では何回も訪れている場所ですが非常に良いところです。トンボや湿地性のゴミムシなど多くの昆虫がいます。また、湿地に行く途中の農道では蝶が数多く飛んでいます。

 

 さて、湿地に到着しましたが既に暑い!帽子を持ってこなかったことを後悔しました。

 それぞれ採集開始ですがゴミムシ屋の先輩は以前仕掛けたゴミムシのトラップを確認されていました。先輩曰く石垣島は西表島に比べてゴミムシが少ないそうです。外来種のヒキガエルの影響なのだとか。

 

 そんな中僕はというと必死にあるトンボを追いかけていました。その名もコフキショウジョウトンボ。遠征に来てほぼ毎日見かけるのですが動きが素早く、敏感なので近づく前から逃げられてばかりでした。今回は何としても採りたいと思い粘っていると1匹こっちに向かってきたので何とかキャッチ。8日目にしてようやく採ることができました。

 他にもタイリクショウジョウトンボ、帰り際にコナカハグロトンボを採ることができました。

 

 お昼過ぎ、次の目的地である干潟へ行きました。潮が引いた時だけ姿を見せるキバナガミズギワゴミムシが数種類がいるそうです。潮が満ちているときは石の下に潜んでいるそうです。いろんな虫がいますね~。

 

 石をひっくり返したりして探してみますが虫が見当たりません。それでも一緒にいたH君はハネカクシなどを見つけていました。相変わらずさすがです。

 しばらく探していると水上で何か動いている気配が・・・。よく見るとウミアメンボが群れていました。網を車に置いて来てしまったので、持っていたビニール袋で捕まえようとしましたが駄目でした。網持ってくるべきだった・・・。

 途中から干潟の生き物観察をしていると、こんなのもいました。

 

 

 シオマネキ、仕草が可愛いです。他にトビハゼなどもいました。

 

 帰る頃には3月とは思えないほどの汗をかいていました。炎天下の干潟はとにかく暑いです。

 結局この日はお目当てのゴミムシが見つからなかったそうです。

 

 夜は朝行った湿地でライトトラップを行いました。ミズムシ、カメムシ、小さいガなどがいました。この日目立ったのはテントウムシでした。とにかく大量に来ました。

 

 今日もライトの最中辺りを歩いているとタイワンクツワムシを見つけました。

 

 

 翅が枯葉のような模様をしていて綺麗です。夜はいろいろな直翅を見かけます。

 

 今日はこれでおしまいです。長文にお付き合い頂きありがとうございました。

 明日に続きます。

 

 

 皆さん初めまして、昆虫班二年の石津です。主にトンボを採っています。今日から少しの間遠征記録を書かせていただきます。よろしくお願いします。

 先にトンボを採っていると書きましたが、今回の遠征では蝶とか直翅とか甲虫とか色々採ってます。(トンボは時期的にちょっと早いんです・・・)。あと、今回の遠征でトンボの写真をほとんど撮ってませんでした。申し訳ございません。m(__)m

 

 さて3月20日は西表島から石垣島へ戻る日です。朝早くに荷造りをして港へと向かいました。港へ着いてから船が出るまで少し時間があったので各自休憩となりましたがさすが昆虫班、この間に港で虫を探している人もいました。

 そして班員の一人が発見したのがウミアメンボの一種です。(種類までは分かりません、ごめんなさい)


 

 やっぱり池とか川にいるアメンボとは雰囲気が違いますね~。その名の通り、海に生息しています。塩水に耐えられるよう特殊な構造をしているらしいです。僕も一度見てみたかったので嬉しかったです。

 そうこうしている間に船が到着。4日間お世話になった西表島を後にしました。色々あったけど西表島楽しかったです。石垣島まで1時間もかかりませんが船内がとても暑く、石垣島に着いた時はぐったりしていました。

 

 今日から先輩が一人途中参加されました。早速港で合流。その後レンタカーを借り、再びキャンプ場へ。4日間しか離れていませんが、なんだか懐かしく感じます。

 夕方からライトトラップを行うため野底へ向かいました。道中偶然出会ったのが・・・

 

 

なんとカンムリワシ(多分)。車でゆっくり近づいたためか、近くまで行っても逃げませんでした。

 目的地について少し時間があったのでスウィーピングしているとちょっと変わったものを見つけました。

 

 

 オオカヤコオロギの幼虫です。スラッとしていて綺麗ですよね。いつか成虫も見てみたいです。他の人たちもシロアリモドキやホタルの幼虫を見つけていました。

 

 暗くなってきたのでライトトラップ開始。いつも最初に飛んでくるのはミズムシ。しかも個体数も多いです。ただ今回目立ったのが意外にもケラでした。いつの間にかケラチャレンジなるものが行われていました。

 他にもゴミムシ、ゾウムシ、カメムシなどいろいろな昆虫が飛んできました。

 ライトの最中に林道を歩いているとコバネコロギスや大きなアマミナナフシなども発見。ナナフシと一緒に記念撮影した先輩もいらっしゃいました。

 

 西表島からの移動でバタバタした1日でしたが、いろいろな虫を見ることができました。

 

今日はこれまで!お付き合いありがとうございました。

明日に続きます。

 

 6日目の記事も引き続き西谷が担当いたします。

 

 2019319

 朝からキャンプ場にはけだるい雰囲気が漂っていました。先日(18)の水田の採集・夜の山採集の疲労がたまっており、だれも早くから活動しようとしませんでした。

 

 この日も10時くらいから採集開始でした。K先輩とHくんと私西谷の3人で名もない林道に向かいました。

 

 登り始めは低木の林でした。西谷は近くの草木をスウィーピングしながら進んでいきました。コバチ上科やヒメバチ上科の小さな寄生蜂がかなり採集できました。また、とくにうれしかったのはゴキブリヤセバチの一種です。ゴキブリに寄生するそこそこ大きな黒い寄生蜂で、後体節がほとんどないに等しいくらい小さいです。石垣島の街中で採集したものと比べると半分くらいの大きさしかなかったので、おそらく2種目だろうと思われました。

 

 このように林の中を歩いていると、何やら見たことのない蝶が飛んできました。走って追いかけてネットに入れて、そして叫びました。

 「なんじゃこりゃ」

 マルバネルリマダラという迷チョウを捕ってしまいました。まさか自分が迷チョウを捕る日が来るとは......。私は展翅が全くできないので、K先輩に差し上げました。写真は撮り忘れてしまいました.....。

 

 しばらくすると林を抜けました。だだっ広い緩斜面にほぼ1種類の草が生えているというところに出ました。その中にところどころアダンの群落があります。多くのツマベニチョウが頭上を高速で通り過ぎていきます。

 ここではとても大きなヘリカメムシを見つけました。アシブトヘリカメムシです。割といい匂いがします。

 

 K先輩はアダンの葉の隙間に入るチャイロヒラナガゴミムシを採集して、とてもうれしそうでした。今回の目標のひとつだったのだそうです。

 

 草原を抜けるとひたすらアダンの茂みが続きます。ここでアダンの葉が食べられている一角を発見、そこのアダンの葉の隙間からはヤエヤマツダナナフシの幼虫が見つかりました。

 

 目がくりくりしてかわいいですね。成虫は化け物みたいになるそうなので、また夏に会いに行きたいです。

 

 この後、道は林に入っていき、沢にあたりました。沢ではすごい数のオオゴマダラが飛んでいました。そのうえ、下流側の崖下からたくさんのチョウが吹きあがってきたのです。採集する気が全く起きないくらい美しい光景でした。

 

 この沢で引き返し、山を下りました。帰りには黄色くて細長いコマユバチが捕れました。

 

この日はこれで終わりです。充実した一日でした。

ほかの人たちは別の林道で採集していて、そちらも充実した一日だったようです。

 

文責 西谷