九大昆虫班のブログ -10ページ目

九大昆虫班のブログ

九州大学生物研究部昆虫班です。班員が交代して更新します。

さあいきましょう3日目(3/16)。

この日は移動日。
午前中に西表に着く予定となっておりましたが、まあその、いろいろありまして…

バタバタでしたが無事フェリーに乗船。

天気は雲多め、時折晴れ間が覗く、とまあ可もなく不可もなくといったところでしょうか。

予定通り午前中に西表に到着。
レンタカーを借り、いざキャンプ場へ。

道中で思うのは、石垣との違いです。なにかがちがう。
まず道路がほぼ海沿いにしかない。さらに40キロ制限つき。そしてマングローブや森林の規模がでかい。
同じ八重山でもこんなに違うんだなあ。

昼頃キャンプ場に着き、軽く昼を食べいざ採集。
ゴミムシを採りたい先輩についていき湿地へ。
といっても僕は周辺で蝶を採っていただけなのですが…ここがまたいい環境なんですよ。

とりあえず個人的に一番の成果を。

この子は何アゲハでしょうか?
そう、クロアゲハです。

なにかがちがう。日本本土や石垣で見てきたそれと。

そう、尾状突起がないのです。まるでナガサキアゲハ。

↑こちらは九州某所で採集したクロアゲハ♀
通常クロアゲハはこの写真のように、尾状突起というしっぽのようなものが後翅にあります。

このように尾状突起が消失する変異は国内では八重山、特に与那国など西の方でよく見られるようです。いやあ、いいもの見ました。さすが西表ですね。

このクロアゲハもたくさんの成果のほんのひとつで、移動日にもかかわらずこの日は素晴らしい成果に恵まれました。
この湿地では他大学の虫屋さんともお会いできて、情報共有やお話もできました。班を代表して御礼申し上げます。

やがて日も暮れて、スーパーのお惣菜を食べたのちにまた別な湿地に向かいました。

画質はよくないですが、トンボの羽化を見ることができました。昆虫の羽化シーンっていいですよね。セミもまた然り。


西表初日は、個人的には素晴らしい一日になりました。ここで一旦、徳升の記事は終わりです。
ということで今後の西表の鱗翅・セミの成果を簡単にまとめます。

17日はアオタテハモドキやタテハモドキなど、
18日はタイワンキマダラやオオゴマダラなど、
19日はリュウキュウムラサキやベニモンアゲハ、そしてコノハチョウの観察ができました。この日は副部長がイワサキクサゼミを採ってきてびっくりした日でもありますね。

サイズはこれくらい、日本最小のセミです。
ちなみにこれを書いてる今もご存命です。セミは7日の命なんかじゃないんですね。

蛾の記録がない?すみません、蛾はまだ駆け出しなもので同定が…いいものが採れていたら後日報告ということでどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m

次回からは他の班員にバトンタッチです。
違う視点での採集記、どうぞお楽しみに!
前回に引き続き徳升です。
今回参加の班員たちはジャンルの多様な虫屋たちなので、いろいろな面からみた八重山が今後このブログに綴られていくことと思います。乞うご期待!

2日目(3/15)

朝、目が覚めるとテント内に靴が入れてありました。
それも丁寧に袋に入れて。
昨日の記憶をたどったところ、朦朧とした意識の中雨音がしていたことを思い出しました。
(この場を借りて、靴を入れてくれたどなたかにお礼を申し上げます。)

僕が起きたときは雨は止んでましたが、全員目覚めた頃にはまぁまぁひどい雨が降ってました。
島とはいえ、石垣島は広い。このキャンプ場は東の端で、今日行く屋良部は西の端だ。きっとこの雨も…

止んでないんですよねえ。むしろこれ強くなってないか。
蝶を採りたい身としては半ば絶望しておりました。このまま何の成果も得られず西表に行くのか…

とここで雨の中弱々しく飛ぶヤエヤマカラスアゲハ♀を発見。網なしで採れました。よかったこれでボウズは回避だ。

こちらの個体は西表で採った♂ですが、参考までに。ヤエカラは緑みが強く、普通種ながら非常に美しいですね。メスはもっと紫がでて、艶やかな感じになります。

さらに進んだ待避所で車を停め、同行者がカメムシや甲虫などを探す中、僕はひとり林道を進んでいきました。
雨は幾分弱まり、蝶が姿を見せはじめます。

ヤエヤマイチモンジ、ナミエシロチョウ、リュウキュウヒメジャノメ、アサギマダラ…
今思えば普通種ばかりですが、ボウズを覚悟していた身としてはどれも嬉しい成果です。なにより蝶がそこにいてくれることが、とても嬉しい。

さらに進むとおもしろいものがいました。集合体ダメだという方はご注意ください。

カイガラムシというやつでしょうか。群れるとすごいですね。
さらに驚いたのはこれです。

でたなリュウキュウイノシシ!!

小型とはいえ、正直怖かったです。でも写真を撮るのを優先してしまいました。僕も現代の若者なんだな、と変な感慨を抱いてしまいました。

向こうが逃げてくれて助かりました。伊都キャンパスでもまだイノシシに遭ったことのない僕ですが、相手を変に刺激しなかったのがよかったようです。

やがて雨も止み、つきあたりのT字路へ到着。追っかけてたジャコウアゲハをネットインしたところで同行者たちと合流。右か?左か?

海に行きたかった我々は右へ行きました。しかし道は狭くなるばかり。対向車が来たらどうしよう。
無事対向車も来ず、いい感じに暗く湿った環境を発見。甲虫屋の皆さんは特に楽しそうでした。ツマグロスズメバチなんかもいましたね。
さあもうちょっと進もうか。おや道がない。おかしいな、カーナビにはあったのに…

どうやらナビの情報が古かったようです。どうりで対向車がないわけだ。じゃあこの狭い道を引き返さないといけないのか…

草むらに車体を突っ込みかけたり、泥で車輪が空回りしたり、いろいろありましたが無事転回。正しいルートに復帰しました。

正規ルートにはセンダングサが咲き乱れ、マダラやアゲハを中心に無数の蝶が乱舞していました。おや?なんだあの蝶は。
ツマムラサキマダラに似てるが、妙に羽が破れてる。
羽の丈夫なマダラチョウはああはならないはず…

採った!

↑展翅中

え?これヤエヤマムラサキ??

完全に予想外です。今の時期もいるんですね。
調べたところヤエヤマムラサキは年により発生数に差があり、ほぼいない年もあるとのこと。

すなわちこの子は、他の国からの迷子、いわゆる迷蝶の可能性があるようです。
(まだまだ勉強中のため、間違っていたらすみません(ーー;))

ついでにオオゴマダラやシロオビアゲハも採り、「遠征の目標8割は達成しました」などと調子に乗っておりました。長い遠征中、これからも目標は増え続けるのですがね…人間の欲というものは深いですね。

その後は予定通り浜辺に向かい、各自で採集です。
浜辺は数ヶ所巡りましたね。シジミチョウの楽園でした。ツチバチやカメムシも見かけました。

日も暮れてきたので街へ。

西表はコンビニがない田舎、ということを数人から聞いていたので、少し奮発して温玉ライスもつけちゃいました。担々麺の辛味とまろやかな温玉が絶妙に中和しあい、美味しかったです。

その後は野底でルッキング、いろいろいましたがお気に入りのカメムシをひとつ。

かわいいですね。アカホシカメムシというそうです。

その後はもうひとつの班のライトトラップに合流。風が強かったので、目立つ子はでかいカゲロウくらいでしたね。

さて、一旦ここで石垣島を離れます。
次なる舞台は西表、どんな虫がいるのかな。

長文となってしまいましたが、お付き合いありがとうございます。
はじめまして、昆虫班2年の徳升です。
セミ屋として活動する傍らで鱗翅を採っていたら鱗翅の魅力に気づいた平部員です。いやぁ、ヤガっていいですね。

今回諸事情あり遠征の前半に参加できなかった班長に代わり、一部筆を執らせていただきました。
よろしくお願いします。

今回の春休み、我々九大生研昆虫班は恒例の八重山遠征に向かいました。今回は2週間にも及ぶ長期遠征、そしていつにない暖冬…遠征直前の期待度はとても高かったように思います。

さて、その成果やいかに…?

一日目(3/14)

バイトして食費削って貯めたお金、春休み急いでとった免許証。時は満ちた。
待ちに待った八重山遠征、まずは石垣へ!
飛行機は昼頃の便でしたが、ワクワクすると眠れないタイプの僕は三角紙を折りながら夜を明かしました。
遅刻もなく全員集合、順調かに思われたスタート…なんと飛行機が遅延。那覇空港では駆け足で乗り継ぎをしました。

いろいろありましたが無事石垣に到着。


飛行機から降りて浴びる湿った暖かい風。
この空気の感じ、やっぱり南の島はいいですね。

小動物班の合宿にも参加していた班員たちと合流し、車を借りてキャンプ場へ。
テントをたて、荷物を整理し買い出しへ。
…と、島をあちこちしていたらあっという間に夜です。石垣島もかなり西にあるとはいえ、20時を回れば暗くもなります。

ということで夜の採集へ。
今回は諸事情ありライトトラップは控えめに行う予定でした。ですので、今夜は街灯巡りです。

目立つ蛾はこの子、シロスジヒトリモドキくらいですね。のちのちたくさん見ることになるわけですが…

他にもハネカクシやヤモリなどを散見しました。

キャンプ場にはオカヤドカリのなかまもいましたね。
あとはカエルなんかもよく見かけました。

車で少しばかりトラブルはあったものの、安心プランさまさまでどうにかなったようです。

と、ここらで僕の手記は止まっています。なにせほぼ徹夜で三角紙を折っていたもので、誰より早く朝を迎えに眠りについてしまいました…(汗)
他の班員はキャンプ場のルッキングで成果を出していたようです。元気があってなによりです。

初日はこんな感じでした。平成最後の春の八重山、戦いはこれからです。