平成最後(仮)の八重山遠征 その2 迷子 | 九大昆虫班のブログ

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九州大学生物研究部昆虫班です。班員が交代して更新します。

前回に引き続き徳升です。
今回参加の班員たちはジャンルの多様な虫屋たちなので、いろいろな面からみた八重山が今後このブログに綴られていくことと思います。乞うご期待!

2日目(3/15)

朝、目が覚めるとテント内に靴が入れてありました。
それも丁寧に袋に入れて。
昨日の記憶をたどったところ、朦朧とした意識の中雨音がしていたことを思い出しました。
(この場を借りて、靴を入れてくれたどなたかにお礼を申し上げます。)

僕が起きたときは雨は止んでましたが、全員目覚めた頃にはまぁまぁひどい雨が降ってました。
島とはいえ、石垣島は広い。このキャンプ場は東の端で、今日行く屋良部は西の端だ。きっとこの雨も…

止んでないんですよねえ。むしろこれ強くなってないか。
蝶を採りたい身としては半ば絶望しておりました。このまま何の成果も得られず西表に行くのか…

とここで雨の中弱々しく飛ぶヤエヤマカラスアゲハ♀を発見。網なしで採れました。よかったこれでボウズは回避だ。

こちらの個体は西表で採った♂ですが、参考までに。ヤエカラは緑みが強く、普通種ながら非常に美しいですね。メスはもっと紫がでて、艶やかな感じになります。

さらに進んだ待避所で車を停め、同行者がカメムシや甲虫などを探す中、僕はひとり林道を進んでいきました。
雨は幾分弱まり、蝶が姿を見せはじめます。

ヤエヤマイチモンジ、ナミエシロチョウ、リュウキュウヒメジャノメ、アサギマダラ…
今思えば普通種ばかりですが、ボウズを覚悟していた身としてはどれも嬉しい成果です。なにより蝶がそこにいてくれることが、とても嬉しい。

さらに進むとおもしろいものがいました。集合体ダメだという方はご注意ください。

カイガラムシというやつでしょうか。群れるとすごいですね。
さらに驚いたのはこれです。

でたなリュウキュウイノシシ!!

小型とはいえ、正直怖かったです。でも写真を撮るのを優先してしまいました。僕も現代の若者なんだな、と変な感慨を抱いてしまいました。

向こうが逃げてくれて助かりました。伊都キャンパスでもまだイノシシに遭ったことのない僕ですが、相手を変に刺激しなかったのがよかったようです。

やがて雨も止み、つきあたりのT字路へ到着。追っかけてたジャコウアゲハをネットインしたところで同行者たちと合流。右か?左か?

海に行きたかった我々は右へ行きました。しかし道は狭くなるばかり。対向車が来たらどうしよう。
無事対向車も来ず、いい感じに暗く湿った環境を発見。甲虫屋の皆さんは特に楽しそうでした。ツマグロスズメバチなんかもいましたね。
さあもうちょっと進もうか。おや道がない。おかしいな、カーナビにはあったのに…

どうやらナビの情報が古かったようです。どうりで対向車がないわけだ。じゃあこの狭い道を引き返さないといけないのか…

草むらに車体を突っ込みかけたり、泥で車輪が空回りしたり、いろいろありましたが無事転回。正しいルートに復帰しました。

正規ルートにはセンダングサが咲き乱れ、マダラやアゲハを中心に無数の蝶が乱舞していました。おや?なんだあの蝶は。
ツマムラサキマダラに似てるが、妙に羽が破れてる。
羽の丈夫なマダラチョウはああはならないはず…

採った!

↑展翅中

え?これヤエヤマムラサキ??

完全に予想外です。今の時期もいるんですね。
調べたところヤエヤマムラサキは年により発生数に差があり、ほぼいない年もあるとのこと。

すなわちこの子は、他の国からの迷子、いわゆる迷蝶の可能性があるようです。
(まだまだ勉強中のため、間違っていたらすみません(ーー;))

ついでにオオゴマダラやシロオビアゲハも採り、「遠征の目標8割は達成しました」などと調子に乗っておりました。長い遠征中、これからも目標は増え続けるのですがね…人間の欲というものは深いですね。

その後は予定通り浜辺に向かい、各自で採集です。
浜辺は数ヶ所巡りましたね。シジミチョウの楽園でした。ツチバチやカメムシも見かけました。

日も暮れてきたので街へ。

西表はコンビニがない田舎、ということを数人から聞いていたので、少し奮発して温玉ライスもつけちゃいました。担々麺の辛味とまろやかな温玉が絶妙に中和しあい、美味しかったです。

その後は野底でルッキング、いろいろいましたがお気に入りのカメムシをひとつ。

かわいいですね。アカホシカメムシというそうです。

その後はもうひとつの班のライトトラップに合流。風が強かったので、目立つ子はでかいカゲロウくらいでしたね。

さて、一旦ここで石垣島を離れます。
次なる舞台は西表、どんな虫がいるのかな。

長文となってしまいましたが、お付き合いありがとうございます。