新型肺炎と精神科の新患 | kyupinの日記 気が向けば更新

新型肺炎と精神科の新患

最近、毎日のように新型コロナ肺炎のニュースが報道されている。朝のテレビ番組などこればかりである。
 
精神科病院では、もし1名でも感染者が出れば、最初の1名はともかくクラスターが起こってしまうと搬送する病院などない。そもそも病棟で起こった際にまとまった数の職員を自宅待機させざるを得ないなら、人員不足で病院がやっていけないと思う。
 
そのようなこともあり、受診時に発熱している人は病院内に入らせず、電話で症状を聴取し処方箋だけ渡している。この処方箋は職員が車内に待機している患者さんのところまで持っていく。これは無診察診療であるが、現在は非常事態なので厚生局も許可しているのである。実際、うちの病院ではそこまでした人は1名だけである。
 
精神科病院ではこんな時でも外来患者数が減っていない。それは定期的に14日ないし30日以内に受診する人が多く、もし薬を切らしてしまうと、病状が悪化するとか眠れなくなるからだと思う。
 
新患も決して減ってはいない。新患の人たちは連日の新型コロナ肺炎や、マスクがない、トイレットペーパーがないなどの報道で、不安感やら心痛で眠れなくなると言ったものが多い。おそらく交感神経緊張状態から来る不眠で、狭義のうつ病や統合失調症ではない。せいぜいあって不安障害である。
 
ちょっと書きながら思ったのは、地方都市は基本、車社会なので大都市のような人口密集の場面が少ないこと。日本の地方都市の患者数がそこまで爆発的に増えないのはそれらの要因もありそうである。その他、日本人はきれい好きでマスクも嫌がらずするし、他国民に比べ衛生面の気遣いが全然違う。またイタリアのようにハグする習慣がない。韓国、イラン、イタリア、ドイツ、フランスの患者数はあっという間に日本を追い抜いている。(クルーズ船を除く)。また死亡者数も圧倒的に多い。これは上に書いた日本人の生活習慣が新型コロナ感染を予防する傾向があることもあるのかもしれない。
 
イタリア、アメリカなどの国々で死亡者数が増えているのはなんとなくわかる。彼らは日本人より肥満しており循環器系の疾患を持つ人が多そうだからである。循環器系の疾患は特にコロナウイルスの予後を悪くすると言われる。
 
また、韓国は宗教団体のクラスターを契機に爆発的に増えたが、日本との患者数、死亡者数の差は意外に見える。確かに、日本はあまりコロナウイルス検査が行えないという状況があるが、肺炎が重くなれば今であれば検査を行うので患者数が爆発的に増えてもおかしくない。
 
つまり日本人は真の感染者数は不明だが、他国民に比べわりあい症状が軽いのでは?という推測もできると思う。あまり重くならないからこそ、患者数がイタリアや韓国、イランのようにならないのである。(1名症状のある陽性者が出れば濃厚接触者を調べるので)
 
日本人と韓国の人は同じように見えても、韓国の人たちは、日本人に比べ遺伝子の多様性があまりないのかもしれないと思う。韓国は日本のように名字が多くないらしい。つまり究極を言えば、かつてのスペイン王家のようなモデルである。韓国ではいとこ同士の結婚が禁じられていることもそれを示唆している。
 
日本人は、今の新型コロナウイルスに部分免疫を持っていることすらありうると思う。過去の大きなパンデミックでも、特定の国民に比較的流行しなかった話がある。(ペスト、ユダヤ人。スペイン風邪、中国人)
 
参考