オーソライズドジェネリック
近くリフレックス(レメロン)のジェネリックが発売される。このブログではリフレックスは2006年8月、まだ未発売の時にミルタザピンのタイトルで紹介している。発売されてあっという間にジェネリックの時代になったという感じである。なお、日本ではリフレックスは2009年9月に発売されている。
リフレックスはMeiji Seika ファルマ株式会社から発売されているが、今回、リフレックスのジェネリックをMeiji Seika ファルマ株式会社でもミルタザピンとして発売するという。
今回はこのような奇妙な話についてその詳細を紹介したい。ジェネリックには2種類あり、全ての特許を得ているジェネリックと、全ての特許を得ていないジェネリックがある。前者は成分だけでなく製造法、賦形剤などの添加物まで全て同一である。一般的にはジェネリックは後者が大半である。
この前者の同一タイプのジェネリックをオーソライズドジェネリックという。
オーソライズドジェネリックをグーグルで検索すると一番上に、
オーソライズドジェネリックとは、先発メーカーに特許等の使用を許可されたジェネリック医薬品のことです。 ... オーソライズドジェネリックは、先発医薬品の製造メーカーから特許等の許諾を受けたジェネリック医薬品なので、原薬や添加物、そして製造方法などが先発品と同一の医薬品です。
と出てくる。オーソライズドジェネリックは先発品と比べ価格は安く包装なども異なるかもしれないが、薬自体は全く同じものなのである。
ということは、ジェネリックが発売以降、Meiji Seika ファルマ株式会社の先発品は使う意味がないとまで言える。医療経済的にも国家財政的にもである。
Meiji Seika ファルマ株式会社としても、他社のジェネリックを使われるくらいなら、自分の会社のジェネリックを使ってほしいと思っているから、このようなアナウンスをしていると思われる。
今回発売されるジェネリックは細かいことを言えば、Meiji Seika ファルマ株式会社のミルタピンと他社のミルタザピンは少しだけ違うのである。
個人的な意見を言えば、ミルタザピンはクエチアピンのようにマイルドな効果を及ぼすタイプの向精神薬なので、製造法や賦形剤などが多少異なっても相違がわかりにくいのではないかと思う。僕の患者さんでセロクエルとクエチアピンの相違が体感できた人は1名もいないからである。
参考
字の色がどうしても変えられなくなっているのですが、アメブロをしている人で、この部分のエディタの使い方がわかる人いますか?
(一部のパラグラフを青に変更したい)
訂正
読者の方の指摘あり会社に確認したところ、厳密には今回発売になるミルタザピンはオーソライズドジェネリック(AG)ではないそうです。
原薬が異なるものの、賦形剤などの添加物はまったく同じで、かなりAGに近いものという話でした。特許の関係でそうせざるを得なかったようですが、オリジナルジェネリック(OG)という呼称で、先発品にかなり近いジェネリックであることをアピールしているようです。実際、生物学的同等性試験と溶出試験のデータも掲載したパンフレットもあり、ほぼ同等だと紹介しています。
形状も包装も先発品に酷似しておりパンフレットを見る限り、見分けがつかないほどです。国内工場で製造され、おそらく平成30年12月14日に発売されると言う話です。