京都から世界へ -藤田功博の京都日記-

京都から世界へ -藤田功博の京都日記-

「京都の魅力を日本へ、世界へ」をキーワードに活動する観光企画会社のぞみ代表・藤田 功博のblogです。アイデアとフットワークを武器にして、観光業界を盛り上げていきたいと思っています。

 

土日2日間ともに、体育館。

トレーニングを担当している地元のミニバスケットチームの大会だった。

卒業する6年生の最後の大会である、YMCA主催の「Yカップ」。
実力が均衡した京都市内の8チームが集い、グループリーグとトーナメントで戦う。

 

土曜日のグループリーグは、健闘して2位通過。

日曜日が決勝トーナメント。

 

どの試合も、最後の最後まで、2点差3点差の熱戦。

お互いが勝ちたいという気持ちを全面に出すからこその、緊張感。

そのスリルとストレスの中で、子どもたちが試合中に上手くなっていくのがわかる。

 

強い相手がいてくれるから、自分たちも強くなれる。

1回のドリブル、1本のパス。均衡した試合では練習とは比較にならないほどの

重みがある。

 

結果は最後のQに逆転されて惜しくも準優勝だったけれど、スポーツの素晴らしさを感じられた

清々しい2日間だった。体育館が出る頃にはもう日が暮れそうになっており、

薄いオレンジ色の光で照らされた子どもたちの表情は、充実感にあふれていた。

勝ち負けも大事だけど、目の前に集中し、力を出し切ることの大切さを学んでくれたら、それでいいと思う。

 

明けて月曜日からは、今度は僕が勝負の一週間。

コロナ後の最多動員を目指して、最後のプロモーションと、

来ていただく方にむけたオペレーションの最終の詰め。

終わったら即、東北へ4日間の視察ツアーだ。

 

心かき乱される事件が起き、前途ある若い方が命を落としたことに思いを寄せる。

と同時に、真実は何なのか、それを他人が憶測することに意味はあるのかと、考え込んでしまう。

自分が見ていた像の確かさをどこまでも考えてみたところで、見たものは見たままで、

感じたことは感じたままのはずである。しかし1つのニュースに触れるだけで、その輪郭が揺らいでしまう。

今はただ、何かの間違いであってほしいという直感を持っていたいと思う。それが裏切られるとしても。

 

そうして、命について考えることになった日は、ちょうど、先日亡くなった中学時代の部活の顧問の先生の

自宅を尋ねる日であった。


宇治方面へ行き、駅前で先輩後輩のOB約10名で待ち合わせ、訪問。

まだお元気な奥様が、色々とお話してくださった。

仏壇の前で静かに手を合わせ、その後は別の部屋に移動した。

 

亡くなられたのは70歳を越えてからだが、遺影は、40代の頃の写真だそうだ。

まさに、自分が指導を受けていた頃のお写真だ。

先生と会話した記憶などはほとんどなく、接点というととにかく叱られたこと。

あの時代だったからこそ成り立ったような、厳しく、とにかく厳しい指導だった。

その指導があったからこそ今の自分がある、と心からそう言えるのは、

それなりに、充実した今を送れているからだろうか?

人生の何かにもし行き詰まっていたら、本当にそう思えるのだろうか?

など色々と考えてしまうこともあるが、とにかく、今の自分にとっては、

まぎれもなく恩師と呼べる大切な方だ。

 

そして、この日集まったのは、その思いを同じくする10名なのである。

 

お写真を前に、OBどうしが在りし日の「厳しき指導」を語り合う時間は、

とても心にしみた。懐かしくて懐かしくて、心の中で何度も「あー」とつぶやいていた。

 

逆説的ではあるけれど、恩師の死があったからこそ、またこの時間もあった。

こういう時間を豊かだと心から感じることが、何かしら、恩師の死に対する弔いのような気もした。

 

帰り道、暖かい日差しに当たりながら、まだ頭の中は昔のことを考えている。はずだった。

その刹那、せっかく宇治に来たんだからという言葉がよぎり、思わずスマホで

「抹茶団子」と検索する。徒歩3分の場所に和菓子店があることを確認し、

入店後、目当ての団子といちご大福を購入した。 人間、そんなものである。

 

 

 

うちの会社は2023年3月現在で、まだリモートワークとリアル出社のハイブリッドであり、

出社日は月曜日と水曜日だけだ。会社に来た日はせっかく顔を合わせるのだから

思ったことをなんでも気軽にしゃべっていこうということで、要はあんまり仕事にならない。

会社の各所で、それぞれが、話したい人と勝手に話をしている。

 

んで、僕のところにも相談が来たり雑談が来たりと、話題に事欠かない。

その中の1つのトピック。

 

3/5金曜日の夜にちょっとした集まりがあり、その茶菓子をどうするかという話の中で、

デパ地下のお菓子はどうかという意見が出た。ある有名な洋菓子店に人気の商品があり、

それだったらウケが良いんじゃないかという話だ。

 

根っからの天の邪鬼体質な僕は、そういうありきたりな提案は受け入れられない。

 

気心知れた社内の集まりならともかく、社外の方が来る可能性のある場で、

企画を売りにする会社の一員として、ひねりのないものをお出しするというのが

イケてない所作だと感じるのだ。

 

というわけで、30分が惜しい慌ただしい日中だったが、車を走らせて八幡市へ。

先日のiCCサミットで知り合った「おさぜん農園」さんにイチゴを買いに行った。

(写真は直売所のスタッフの方に撮ってもらったもので、僕は入っていません)

 

朝摘みのいちごは確かに美味しかった。こうでなくちゃね、と自己満足に浸る。

 

それが正しかったのかはわからない。時間がない日なのだから、サッと百貨店で

ひなまつりの限定菓子でも買うのが賢い行動なのかもしれない。

 

いろんな考え方がある。いろんな正解があるのだろう。

だからこそ、自分が本当に納得できる道を歩くことが大切なんだと思う。

弊社の超・重要なお客様である会社様から新社屋にお招きいただきつつ、新しい案件のディスカッション。

アートやデザイン関係のお仕事をされている女性は、だいたいが「キリッ」としたヘアスタイル/メイク/ファッションを

されていて、打ち合わせの空気が大変引き締まる。それがとても好ましい。

自分の言葉遣いなど「モード」を上手に切り替えて、期待していること、こちらができることを整理する。

アイデアが拡散したあとに適切にまとめを行って、次までに何をするかに着地させる。

そういう「キリッ」としたみなさんは酒場に行くとどんな風になるのか?と興味はあるけど、

そういった提案をする余裕がないほどスケジュールがない。

月はテニス、火曜と木曜はバスケで深夜のテニス。水曜はトレーニング+α。金曜は子どもと食事。

手帳を開いてみると、もう連休までの週末は全て埋まっている。

子どもも僕も、いよいよ試合シーズンに突入するからだ。

 

最初の社内見学で見せていただいた調度品の数々。特に、車のロゴを独自に解釈して

家紋にアレンジしたというシリーズ(写真4枚目)は、見事でうなってしまった。

京都ではどんな場面でも、仕事のクオリティを高く保つことを意識させられる。本当に凄い街だ。

 

あまりにもあっさりと負けた奈良での試合のあと、24号線をゆっくり京都方面に走っていると、思いっきりロードサイド風の店舗が。

 

 

いいですね、こういうフォント。よく見てみたら回転寿司で有名な「大起水産」の文字が。
新しい業態なのかなと思って車を停めて入ってみました。
仕事に直接関係あるとかないとか関係なく、こういう、話題のネタになりそうなものが大好きなんです。

 

 

簡素な作りなんですが、椅子のカバーがおしゃれだったり

注文コーナーの写真デザインや看板サインがしっかりとデザインされており、

質感が高いです。 こういうお店はだいたい美味しいものが出てきますね。

 

 

 

海鮮丼を美味しくいただきました。

とても美味しかったですが、1,620円と、「ちょっとだけ」高く感じました。

1,400円くらいの感じというか。

 

この値付けが海のない奈良でどのように受け取られるのか。

 

で、ここはとてもおもしろく、お店の裏側に回転寿司もあり、

その隣には、魚屋さんも。

 

 

切り身の魚だけでなく、魚一匹で売って、好みの状態(三枚おろしとか、柵にしてもらうとか)に

仕上げてくれるサービスもあったりと、今や失われてしまった魚屋のスタイルで営業しておられました。

 

こういう風に、最近の勢いある会社が、「古い業態」を今の時代に合わせてアレンジして

挑戦するパターンが増えている気がします。 とても面白く見学しました。

 

いま京都で最も予約が取れないと話題の中国料理店「仁修楼」に、偉大なる先輩が連れて行ってくれました。
手間ひまと時間をかけて実現した、強く旨味が凝縮し、輪郭のくっきりした味わい。

多種多様な器での見た目、そして音と香りの演出。
熱いものはきっちり熱く、食感を生かしたいものはしっかりそれを表現する。
上岡シェフの意図がものすごく明確に表現された料理の数々。

本当に素晴らしいお店です。 カウンターたった8席、17時と20時スタートでも回転はせず
1番に本当に8名のゲストのみ。2023年いっぱいの予約が埋まっているそうです。
紹興酒のハイボールや、食後のジャスミンティーなど、飲み物にも工夫を凝らしておられます。

また来年行けたらいいなぁ〜〜

 

縁あって、週に2-3回、あるミニバスケットチームの体力トレーニングを担当しています。

バスケットに欠かせないダッシュ力、切り返し、判断力などを総合的に育成する役割です。
ダッシュ力の養成を通じて「絶対的なスピード」を身につけることも大切なのですが、
バスケのように小さなコートだと、0.3秒、0.5秒の判断遅れが追いつけない距離を生むので、

読みの力や、反応スピードの向上なども取り組んでいます。

昨日は体育館が丸1日借りられるということで、なんと朝9時から夕方4時までの練習。

飽きが来ないように他のコーチの方と話し合いながらメニューを組み実施しました。

 

このチームには、小学1年生から6年生まで約40名、かなり幅広い年齢の子たちが参加しています。

小学生、とひとくくりにするとわかりにくいですが、

5-6歳の幅があるというと、中学生と高校生をまとめて相手にしている感じですよね。

 

幸いなことに、このチームの子どもたちはみんな、うまくなりたいと前向きで積極的です。

親に言われたからイヤイヤ来ているとか、仕方なくやっている子というのは本当にひとりもいません。

お昼休みを1時間ほど取っていても、弁当を食べたら早々に、フリースローやシュート練習を

始めています。なので意欲的には十分。

 

一方で、「聞く姿勢」というのが本当にバラバラです。

まず、集合の声がかかったときに、走ってくる子、歩いてくる子、そもそもわかっていない子。

色んなパターンがありますが、どの子がどのパターンなのかというのが、「ほぼいつも同じ」

なんですね。

 

そして、話をしているときも、まっすぐ目を見て聞いている子、途中でソワソワしだす子、

友達とヒソヒソ話をしている子…… これもだいたいいつも同じパターンです。

 

こういうのはある程度想定していましたが、これは学年を問いません。

2年生でも、しっかり聞く子は聞いている。5年生でも、聞いていない子は聞いていない。

 

さらには、聞いている子は、上達が早くて上手い。そうでない子は、反対です。

 

小さい子どもたちと関わってみて改めて、「聞く力」「聞いて理解する力」というのが、

成長のために最も重要なことなんだと気づかれました。スポーツでも勉強でも同じなのかもしれません。

 

だとすると、自分の役割としては「スポーツや運動のスキルを教えること」というよりも、

「話をしっかり聞き、理解する習慣づくり」なのではないかと思うようになりました。

この、社会生活のベースとなる力をしっかり付けさせてあげれば、バスケがうまくなるだけでなく、

今後何をするにしても、基礎力として生きてくるのではないでしょうか。

 

ここからは、腕の見せどころで、聞いていない子に「聞いてましたか?」と尋ねるのはあまり意味がありません。

実際に説明を再現してもらったり、説明した動きをデモンストレーションしてもらったりすることが

ひとつの方法になるし、自分にそういう出番が回ってくるとわかれば、しっかり聞くようになるかもしれません。

あの手この手を試してみて良い方法を見つけたいです。

 

 

これって考えてみると、大人の世界でも役に立つかもと思っています。

相手が大人だと、「説明すればわかるだろう」と思ってしまいがちです。

でも大人ほど、「理解していると錯覚する」とか「わかっているふりが上手になる」面があります。

大人と大人の会話でも、話している内容をしっかり理解できているとは限りません。

特に最近では、チャットなど簡易コミュニケーションツールが便利すぎるので、

「わからなかったら後で聞けばいいや」という感じで、その場限りの理解が不十分なまま

会議や会話が終わったりするケースも増えているのではないでしょうか。

 

マネージャーとしては、自分が一緒に仕事をするメンバーの「聞く力 理解する力」に敏感になり、

それをいかに高めて行くか? を考えることが、能力育成の観点からとても重要ではないでしょうか。

 

 

2023大和まほろばオープンベテランテニス選手権大会

1R

1st set

1-4

2nd set
1-4

 

負け

 

相手はとてもめずらしい、左利きのサーブアンドボレーヤーでした。

思いっきり冷え込んだ朝9時からの試合にもかかわらず、サーブのスピードやコースが

とても良く、勝負所でのリターンがしっかりとラケットに当たりませんでした。

かなり良いリターンに対しても、見事なボレーを決められたりして要所が取れず。

ちょっとでも甘くなったら、ガンガン前に出てきてボレーを狙って来られます。

 

去年までダブルス中心に出られていたそうですが、とても強く感じました。
というか、自分が目指すプレースタイルはこういう感じだなと、良いお手本になりました。

 

対して僕の方はアップ不足なのか1stサーブが全く入らず、フォア側に振られたときの切り返しも

微妙に感覚がズレてしまいました。

 

ほとんどのポイントが短い決着となったため、試合時間40分ほどで敗戦となりました。

1月くらいから急激に忙しくなり、週末土曜日の朝9時開始ってのが本当にツラいです。

(この日は6時起き、7時に出発して8時半からアップ、9時試合開始)

せめてあと1時間遅くなってくれたらなぁ……と思いながらも、今はシードもついていないので

贅沢は言えません。 相手選手に朝早い試合のアップのコツなどを聞いておくべきだったかもと

今更ながら思います。

 

これだけあっさり負けたのですが、長いラリーでポイントを取れていたケースもあり、

着替える必要もないほどあっさりと終わってしまったので、遠征恒例の「スーパー銭湯めぐり」もなしに。

夕方から東山テニスクラブの練習に参加しました。

 

今年の冬に取り組んできた「脱力」のコツがかなりわかってきて、サーブもストロークも

あまり力まずに良いボールが打てるようになってきました。今まで1時間半くらいのレッスンでも

それなりに疲れていたのが、ほぼ全く疲れなくなりました(これはこれで達成感が薄いのですが)

試合などでも、同じです。これはこれで個人的にかなり進歩しているのではと感じる部分です。

 

両手バックハンドも、ラリーが一定続くようになり、スライスもスピード差のある2種類のショットが

打てるようになってきています。 あらゆるショットをゼロから見直した結果が、少しずつですが

出てきているような気がします。 そして、これもなんとなくですが、「試合に勝てるようになりそう」な

手応えも出てきています。

 

3月は仕事の予定盛りだくさんなので試合の予定が入っていませんが、JOP以外の大会にいくつか出て調整し、

いよいよ、4-5月の大きなポイント大会への準備を進めたいと思います。

 

なばなの里 の手前の花市場

 

チューリップの球根詰め合わせが1袋333円で売られていたり、
その横には「袋に詰め放題」がなんと200円。

それ以外にありとあらゆる果樹が売られていて、眺めているだけでも飽きません。

価格的に女王は、やはりバラでした。

 

 

 

ライトアップは、関西にいて馴染みがあるから「お!」という程度の驚きですが、

地方に暮らしていると、けっこうインパクトがあると思います。

このネオンのトンネルよりは、その奥にあるネオンショーの方が良かったです。

ロングラン開催していてこれだけ集客するのは凄いな、と思えるほどたくさんのお客さんでした。

 

 

 

レゴランド

 

オープンした直後に行って以来なので、5年ぶりくらい?
天気が悪かった上に、園内に雨をよけて楽しめるアトラクションが

少なかったので、難儀しました。 子どもたちは喜んでいたので良かったです。
場内のオブジェもレゴで表現してあるのはさすがですが、

冷静な目線で見れば、関西なら「ひらかたパーク」とか「生駒山上遊園地」に軍配が上がるかな。

 

 

 

 

人生初の、阪急水無瀬駅での下車。今日は駅から歩いてすぐの「リストランテ コンテ」を会場に、
肉のことや、食文化を研究するプロたちの集まる勉強会が開催された。

 

人が牛肉を食べ始めた歴史や、代用肉や培養肉など将来の話など、内容はややアカデミック寄りだった。

もっと味のことや調理法に関しての内容があるかなと期待していた分、少し物足りない部分もあった。

 

しかし、トピックの中で最も印象深かったのは、このお店のオーナーシェフであり、プロのハンターである

宮井一郎さんのお話だ。ちなみに、ハンターでもありシェフであるという人は、日本でも大変少ない。

 

宮井さん、最初は猟銃や散弾銃を使う一般的な猟を行っていたが、しだいに違和感を感じ始めたという。

それは、

 

ハンターとして……仕留めるのに、そこまで大げさなことをしなくても良いのではないか? 動物1頭のために散弾銃まで使うのは、「やり過ぎ(over kill)」ではないか?

 

料理人として……現場での血抜き作業や、手早い解体作業などは肉の美味しさを考えたときに重要な要素となるが、その腕前を持っていない人が多い。猟銃で仕留めてしまうと、即死してしまうため、血抜きができないケースも多い。そのようなクオリティの低い肉がジビエのイメージを下げているのではないか?

 

といったこと。

 

この島本町に移って以来、宮井さんは「わな猟」のみを行っている。

毎日、山に行き、わなにかかったイノシシやシカがいないのか確認して回る。

 

「牛や豚というのは、家畜なので、考えてみればずーっとストレスがかかっているわけですよね。そういう肉の味って、実は、本来の味ではない味なのかもしれないと思うこともあるんです。でもシカであれば、直前まで自由に生きていたわけです。それをできるだけ負荷をかけずに仕留めて、きっちりした技術で解体、調理し、味わうことで、本来の命のありがたさに触れられるんじゃないかと」。

 

イノシシやシカは、今となっては「害獣」に指定されている。放置しておくと、近隣の田畑の農作物を食い荒らしたり、

時として人を傷つける場合がある。よって一定数を捕獲することは大切であり、仕留めるからには、山の恵みとして美味しくいただくことが、結果的に命を大切にすることでもあるのではないかというのが、宮井さんの考えである。

 

よって、手がけられるフルコースには、肉だけでなく内臓も用いられるのだが、どれも素晴らしい仕上がりで、テーブルを囲んだ全員が感嘆の声を上げた。

 

宮井さんのセンスは、手作りで温かみのある店内の造作や装飾にも生かされている。

個人的な経験則だが、調和の取れた空間作りができるシェフは、料理も上手い。

このお店も、料理の味付けのバランスが絶妙であり、しっかりと、何の味に焦点を当てているのか、

それをどういう味に仕上げたかったのかがはっきり分かる仕上がりになっていた。

合わせるワインも、赤も白も、きちんと選ばれた美味しいものだった。

 

こういう心地よい場所には不思議と、面白い人達も集まってくる。

今は口コミで集まった「ハンター志願者」7名ほどが弟子入りして、

猟や解体を学んでいるそうだ。志願者は、都会で会社を経営していたり、

水商売をしていたり、普通のサラリーマンだったりと、多種多様なバックグラウンドだそうだ。

 

今夜も、お店の外では志願者たちが教えあいながら解体の練習をしていた。

 

シカも美味しいのだが、ヘルシーがゆえの、食後のあっさり感が、物足りないときもある。

個人的にはさんの捕ったイノシシをぜひ食べてみたい。

少し遠いものの、また来てみたいと強く思えるお店だった。

何より、料理だけでなく、宮井さんの食材に対する考え方や取り組みを聞くだけでも訪れる価値がある。