定期演奏会曲紹介第2弾は
トーマス・ドス作曲『アインシュタイン』です
この曲は「20世紀最高の物理学者」と評されるアルベルト・アインシュタインを題材にした曲です。
楽譜には
There is something behind… (背後には何かがある…)
Speed of light(光の速度)
Annus Mirabills!(驚異の年!)
The Formula(公式)
The Theory(理論)
Lonesome Genius(孤独な天才)
Researching…(研究…)
Conquer the World(世界を制覇)
という作曲者のガイドがついており、
曲はアインシュタインの人生に沿って展開します。
アインシュタインは4~5才のころ、父親にもらったコンパスによって自然界の仕組みに興味を持つようになります。
常に一定の方角を向くコンパスの針を見て物事の背景には深く隠された何かがある…
という考えに至ります。
16歳のころ、アインシュタインは自分が光の速さで光を追いかける夢を見ます。
光を光の速度で追いかけたらどう見えるのだろうか? その疑問がのちに相対性理論を生み出すきっかけとなりました。
そして奇跡の年と呼ばれる1905年、アインシュタインは「特殊相対性理論」「光量子仮設と光電効果」「ブラウン運動」という、20世紀の物理学の基礎となった三つの重要な論文を発表します。
1907年には世界一有名な公式 E=mc²を発表、
1915〜16年に特殊相対性理論を発展させた一般相対性理論を発表します。
これらの革新的な論文によってアインシュタインは一躍脚光を浴びることになります。
1921年にはノーベル物理学賞を受賞し、
名実ともに世界的なスターとなったアインシュタインですが、革新的すぎる彼の論文を正確に理解できるのはわずかな人しかいませんでした。
ノーベル賞を受賞後、「神はサイコロを振らない」そう言ってアインシュタインは量子力学を批判し、孤立しながらもこの宇宙の力すべてを統べる「万物の理論」(統一場理論)を構築しようと心血を注ぎます。
アインシュタインは死の間際まで研究に没頭していましたが、結局この理論は完成させることができませんでした。
「私には特別の才能はない。ただ私は、情熱的に好奇心が旺盛なだけだ。」
「重要なのは、疑問を持ち続けること。知的好奇心は、それ自体に存在意義があるものだ。」
生涯を研究についやした天才アインシュタインが残した論文は私たちの世界を一変させました。
原子力発電やレーザー、GPS、はたまた宇宙の仕組みの解明、現在の私たちの生活にかかわるものはたくさんあります。
この曲もアインシュタインの偉大な功績を讃えるように盛大なクライマックスを迎えます。
宇宙の仕組みに興味を持った少年時代、世界を驚かせた論文、方程式、そして研究の日々…
数々の情景が浮かび上がってくるようなドラマチックな曲です。
アインシュタイン=相対性理論という事は知っていますが、文系の私には相対性理論の中身まではいまいち理解できず…
アインシュタインは相対性理論について問われた際に
「熱いストーブの上に1分間手を当ててみて下さい、まるで1時間位に感じられる。
では可愛い女の子と一緒に1時間座っているとどうだろう、まるで1分間ぐらいにしか感じられない。
それが相対性です。」
と答えたそうです。すごくお茶目な回答ですね
私も仕事中は時間が長く感じるけど、休みの日はあっという間に終わってしまいます。。
それが相対性か(違う)
また、平和主義者だったアインシュタインは広島と長崎への原爆投下にとてもショックを受けたとも伝えられています。
死去の前年
「もしヒロシマとナガサキのことを予見していたなら、1905年に発見した公式は破棄していただろう」
と語ったそうです。
アインシュタインと言えばむかーし読んだ
『GLOBAL GARDEN アインシュタイン睡夢奇譚』というマンガが思い出されます。
このマンガではアインシュタインが自らの研究が原子爆弾製造に関与してしまったことを深く後悔している…という設定で登場します。
ファンタジー要素強めですが興味がある方は探してみて下さい
担当:きみどり@打楽器