曲紹介
バレエ組曲「青銅の騎士 」より
この曲はロシアの文学者アレクサンドル・プーシキンによる同名の長編叙事詩を元に作られたバレエ「青銅の騎士」の音楽としてレインゴリト・グリエールが作曲した作品です。
バレエ音楽から十数曲を抜粋した演奏会用組曲が広く知られており、
今回の演奏会では
第1曲 序奏(荒涼たる川岸の波)/元老院広場にて/広場での踊り
第2曲 エフゲニー/パラーシャ
第3曲 踊りの場面
第4曲 輪舞
第7曲 胸騒ぎ(嵐の始まり)
第8曲 偉大なる都市への賛歌
以上の9曲を抜粋して演奏します。
タイトルにもなっている”青銅の騎士”は
ロシアの都市サンクトペテルブルグの元老院広場に立っている銅像のことで、
街を創建したピョートル1世がモデルになっています。

あらすじ
サンクトペテルブルクに住むエフゲニーとパラーシャは恋人同士です。
愛を育む2人ですが、ある日、
嵐でネヴァ川が氾濫を起こします。
川の近くに住んでいるパラーシャを心配したエフゲ二ーは彼女のもとへ急ぎますが、洪水に行く手を阻まれます。
嵐が過ぎ去った後、エフゲニーが目にしたものは、洪水に流され何も残っていないパラーシャの家の跡でした。
パラーシャを失い、絶望のあまりに気が狂ってしまったエフゲニーは、
この地に街を作ったピョートル1世が不幸の元凶だと思いこみ、青銅の騎士に戦いを挑みますが、
命が吹き込まれた像に追われ、
逃げ惑いながら命を落とします。
今回演奏する曲は組曲からの抜粋ではあるものの、
青銅の騎士の世界感を十分に感じて頂ける選曲になっています。
特に、全てを押し流すかのような荒々しい川のうねりが不穏な嵐を感じさせる「胸騒ぎ(嵐の始まり)」と、何度も災害に見舞われながらも復興をとげてきた偉大な都市への誇りを歌う「偉大な都市への賛歌」
この2曲は個人的にも聴きごたえのあるとても好きな曲です。
「偉大な都市への賛歌」はサンクトペテルブルクの市歌にも採用されており、サンクトペテルブルクの市民に愛されている曲でもあります。
