みなさんこんにちは。前回からの続きです。
今年5月で開業から100周年を迎えた「近鉄生駒線・旧東信貴鋼索線」。
大阪・奈良府県境を成し、古くから霊峰として崇められていた「信貴山(しぎさん)」へ向かった鉄道網にまつわる歴史に触れるべく、現地を巡った訪問記をお送りしています。
「鶴橋駅(大阪市生野区)」から、快速急行でわずか20分弱。府県境を越えて「生駒駅(いこまえき、奈良県生駒市)」に到着しました。
ちょうど「けいはんな線」の列車が「生駒トンネル」に進入しようというところ。
左側の複線は先ほど乗車して来た「奈良線」ですが、大阪方面へこれらが揃って駅を出ると、すぐ生駒山の山腹に入って行きます。
「新石切駅(大阪府東大阪市)」を出発し「生駒トンネル」に入る「けいはんな線」列車。
「奈良線」がトンネルを抜けて大阪側に出るのは画像中央からさらに左奥、山の中腹あたり。
このように、奈良側の開口部は「奈良線」と同じ場所ですが、トンネル内では互いに交差していること、また大阪側の出口はまったく異なる場所、標高の場所にあるというのも特徴です。
「生駒トンネル」大阪側開口部から「新石切駅」を望む。
赤矢印が「奈良線」、緑矢印が「けいはんな線」大阪側の開口部付近を示しています。

さて、話しは前後しますが、この「生駒駅」は
4つの近鉄路線が乗り入れる、県北部では交通の要衝になっています。
近鉄ホームページより。
先ほどまで乗車して来た「奈良線」、関西学研都市付近を始発に、東大阪・大阪市内中心部を縦貫して湾岸ベイエリアに至る「けいはんな線」。そして別駅名「鳥居前駅」の「生駒ケーブル」とこれから乗り鉄する「生駒線」です。

「けいはんな線」は「長田駅(大阪府東大阪市)」を介して「Osaka Metro中央線」と相互乗り入れしています。
Osaka Metro車両が、府県境を越えてはるばるここまでやって来る姿は、興味深いものです。
先日の記事でも取り上げましたが、開催まで3年を切った「2025年大阪・関西万博(日本国際博覧会)」。
乗り入れ先の「中央線」は会場最寄りの「夢洲(ゆめしま)」に直結するので、会期中は近鉄沿線からの観客が乗り換える拠点の役割を果たすことになりそうです。
さらに、直通特急列車の構想もありますし…


さて、改札を出ます。橋上駅舎はゆったりとさしたつくりで、改札は「けいはんな線」「奈良線・生駒線」と分けられています。

ところで、コンコースを兼ねた自由通路に目立つのは「リニア新駅を生駒へ」という看板。
「リニア中央新幹線」は、2027年の完成を目指して「品川〜名古屋間」の工事が進められていますが、最終的には「新大阪駅(大阪市淀川区)」までの延伸が構想されています。「JR東海 リニア中央新幹線」ホームページより。
ルート自体は、三重・奈良を経由するとだけは決まってはいるものの、各都府県にひとつずつ設置される駅の場所は、まだ未確定です。
ゆえ、県内に候補地は乱立しているとのこと。
「生駒に新駅」ということなので、おそらくは
奈良・京都・大阪の3府県が境を成す、開発途上のこのあたりに駅を誘致する活動でしょうか。
近年、住宅地や企業団地などの開発が進んでいるところで「関西学術文化研究都市(関西学研都市)」も近いところです。

ただし、県庁や市役所があり、観光名所が近隣に点在する奈良市付近が、昭和40年代半ばの計画から優勢だと聞きます。
さらに新大阪までの延伸は、名古屋まで開業した後の着工だということなので、まだまだ先の話しになりそうですが、気になるものです。
次回に続きます。
今日はこんなところです。