2025年大阪・関西万博 開催へ向かって その1~万博会場へ直通!近鉄が蓄電池車両を検討 前編 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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みなさんこんにちは。今日の話題です。

新緑の「石切さん」へお参りに行った際の様子をお送りしているところですが、先日、気になる記事を見つけましたので、ちょっと割り込ませて頂きたいと思います。

 

 

朝日大阪朝刊 令和元(2019)年6月14日付け 6面(経済面)より。

 

 

昨秋、令和7(2025)年に「大阪・関西万博」の開催が決定したことは大きく報道されたところですが、その万博会場への主要アクセスになると計画されている「近鉄けいはんな線」、「OsakaMetro中央線」への直通列車の運行を、その「中央線」と乗り入れしている「近鉄」が計画しているという中で、実際に乗り入れする列車について「蓄電池式車両」も検討している、という記事が載っていました。

 

 

「近鉄」・「OsakaMetro」ともに、運行しているのはともに同じ「電車」、さらに軌道幅も同じ「標準軌(レール幅が1,435mm)」なので、乗り入れるのにはさほど支障がなさそうにも思えるのですが、実はこの事例に限っては、大きな課題があります。

 

 

それは「給電方式の違い」です。

「近鉄」のみならず、全国で電化されている多くの路線では「架空線方式」と言いまして、線路の上に架線を設け、屋根上のパンタグラフを通して、そこから電気を受け取る方式を用いています。「電車」というと、これがまず想起されるものです。

 

 

ところが、直通運転が想定されている「OsakaMetro中央線」や、それと相互乗り入れしている「OsakaMetro」に合わせた路線規格の「近鉄けいはんな線」では「第三軌条方式」という給電方式を採用しています。

具体的には、線路の横に設けられた「第三軌条(サードレール、画像赤い□内)」というものから台車に取り付けられた板(シュー)を通し、電車の走行に必要な電気を受け取るという方式なのですが、これは大阪のみならず、全国の地下鉄で標準的に採用されている給電方式です。

 

ちなみに、地下鉄の多くでこの方式が採用されている理由のひとつとしては、地下線という特殊な規格の中、「架空線方式」ならば必要不可欠な架線を設けたり、パンタグラフを通す空間を省き、トンネル断面を少しでも小さくすることで、多額の工事費を圧縮させるということがありましょうか。

逆に「第三軌条方式」では「架空線方式」のように、高速での運転が出来ないというデメリットもあるようです(理論上では、最高時速90~100km/hくらいまでは可能だそうですが)。

つまりこの直通運転の計画に限っては、この二つの規格の差異をクリアすることが、直通運転の実現には解決しなければならない大きな課題と言えそうです。

 

「第三軌条方式」についてはこちらもどうぞ↓

当ブログ

「近鉄けいはんな線 開業30周年を迎えて~その4」(2016年10月14日アップ)

https://ameblo.jp/kyle-of-lochalsh/entry-12477827256.html

 

これまでの報道を見聞していますと、近鉄社内ではこの「架空線方式」と「第三軌条方式」双方に対応する車両開発の検討もなされていたようですが、個人的には想像し得なかった、この「蓄電池式車両」という構想でした。個人的にはちょっと驚いた次第です。

 

 

 

ところで「蓄電池式電車」と言いますと、すでに「JR東日本」で導入されているこの「ACCUM(アキュム)」という電車のことをはたと思い出しました。平成27(2015)年、宇都宮駅にて。えらい写真ですいません…

 

 

この「ACCUM」という車両、「宇都宮駅(栃木県宇都宮市)」から少し先にある「宝積寺駅(ほうしゃくじえき、同塩谷郡高根沢町)」から「烏山駅(からすやまえき、同那須烏山市)」までを結ぶ「烏山線」で運行されているものです。4年前に乗り鉄した路線でした。

 

「蓄電池電車 ACCUM」についてはこちらもどうぞ↓

当ブログ

「JR東日本 全線完乗への道!その24」(2015年9月4日アップ)

https://ameblo.jp/kyle-of-lochalsh/entry-12477799992.html

 

 

ところで、この「烏山線」は全線非電化(停車しているのも、電車ではなく気動車=ディーゼルカー)なのですが、この「烏山駅」構内の一部には架線が張られているのがわかります。

 

 

線路の終端部には発電施設が設けられ、先ほどの架線上で車両に給電を行うというシステムです。

現在では、この「烏山線」では「蓄電池車両」は主力になっているそうですが、これと同じようなシステムが「近鉄=OsakaMetro」間の直通列車でも導入されることになるのでしょうか。

 

ただ「蓄電池車両」は長距離の運行が難しい(この「烏山線」の場合、「宇都宮~烏山」間では総延長30km超ほど)という課題もあるようで、これを名古屋・伊勢志摩方面という遠方から、大阪の万博会場までの直通列車に導入するとなると、途中での給電の必要性もあるようで、記事を読む限りでは、技術的にはまだ導入には時間がかかりそうです。

しかし、これが実現すればいままでにない、実に夢のある車両になるのだろうなと感じます。

 

次回は、その「直通列車」が接続する地点と計画されている「東生駒駅(奈良県生駒市)」の様子を取り上げたいと思います。

今日はこんなところです。