2025年大阪・関西万博 開催へ向かって その2~万博会場へ直通!近鉄が蓄電池車両を検討 後編 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。前回からの続きです。

 

 

朝日大阪朝刊 令和元(2019)年6月14日付け 6面(経済面)より。

 

「2025年大阪・関西万博」の開催が決定したことを受け、大阪湾に浮かぶ人工島「夢洲(ゆめしま)」に設けられる万博会場への主要なアクセスとなる「OsakaMetro中央線」、そしてそれと相互乗り入れしている「近鉄けいはんな線」に、他の近鉄線から万博会場(の最寄り駅)まで、直通列車を走らせるという計画が進んでいる、という記事内容でした。

前回の記事でも触れましたが、同じ「電車」とは言えど、給電方式の違い(「OsakaMetro中央線」・「近鉄けいはんな線」は「第三軌条方式」、その他の近鉄線は「架空線方式)」があるため、その双方に対応する車両として「蓄電池車両」も検討されているとのこと。

 

給電方式の違いについては、前回の記事もどうぞ↓

当ブログ

「2025年大阪万博会場へ直通!近鉄が蓄電池車両を検討 前編」(2019年6月24日アップ)

https://ameblo.jp/kyle-of-lochalsh/entry-12484243798.html

 

 

今日はその「万博会場」まで直通運転される計画に当たって、あらたに設けられることになる連絡線のことなどについて触れたいと思います。

 

ところで、こちらは近鉄電車の路線図。

大阪・奈良・京都・伊勢志摩・名古屋・吉野方面などへの長大な路線網を有する、日本最大規模の私鉄です。

その連絡線が設けられるのは、「大阪難波駅(大阪市中央区)」と「近鉄奈良駅(奈良市)」とを結ぶ「近鉄奈良線」の途中区間です(赤い□)。

 

 

「奈良線」が大阪府から奈良県に入ってほどないところ、「東生駒駅~生駒駅(奈良県生駒市)」の間がそれに相当します。

 

 

さらにヤフーの地図で、この「東生駒駅~生駒駅」の様子を見てみます。

画面左側、上部(北側)からやって来るのが「近鉄けいはんな線(緑の↓)」。右側(東側)からやって来るのが「近鉄奈良線(赤い↑)」です。

 

 

「東生駒駅」あたりからこの両線は並走して「生駒駅」へと向かうのですが、その両駅の間に、二路線をつなぐ連絡線が設けられることになりそうです(赤い線、場所は推測です)。

 

 

さて、前回の記事でも触れましたが、この直通運転に当たっては「給電方式の違い」というものが大きな課題になっています。

こちらは「近鉄けいはんな線 新石切駅」から「新生駒トンネル」に入り、生駒方面へと向かおうとしている列車なのですが、よくよく観察しますと、電車の頭上には架線や、パンタグラフの類がいっさいありません。

 

 

「けいはんな線」、そして、万博会場への主要アクセスとなるであろう「OsakaMetro中央線」では、冒頭でも触れたように、この「第三軌条方式」という、架線からパンタグラフを用いて給電する方式ではなく、線路脇に設けられた「第三軌条(サードレール)」から必要な電気を採るという方式を採用しています。

同じ「近鉄」でも、「OsakaMetro」との相互乗り入れを行うため、先に開業していた後者の路線規格に合わせたという経緯があります。

 

 

「東生駒駅~生駒駅」間の連絡線から「けいはんな線(赤い↓)」に入った直通列車は、「OsakaMetro」との境界駅、「長田駅(大阪府東大阪市)」までを結んでいます。

そこから先が「中央線(緑の→)」で、大阪城公園に近い「森ノ宮駅(大阪市中央区)」、古くからの大阪のビジネス街「本町駅(同)」や、人気観光名所「海遊館」の最寄り「大阪港駅(同港区)」を経由し、海底トンネルで「コスモスクエア駅(同住之江区)」へと至ります。

 

 

現在は終着駅となっている「コスモスクエア駅」ですが、そこからさらに海底トンネル(既に掘削済み)を経由して、「2025年大阪万博」の会場となる「夢洲」へと路線が延伸されることになっています。

この路線図には「夢洲」は載っていないのですが、ちょうど「海遊館」の真左あたりになるでしょうか。人気観光名所、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」にも近いところです。

 

 

こちらが「OsakaMetro中央線」の「20系」という車両(「大阪市交通局」時代に撮影、弁天町駅にて)。

現在は大阪市郊外から、また「けいはんな線」沿線の生駒・奈良市方面からの通勤・通学としての需要の他に、大阪ベイエリアへのアクセスとしても、近年利用客が増加している路線です。

この路線に、近鉄からの直通列車が走ることになるという計画です。

 

 

それではここからは、両線の連絡線が設けられる付近の「東生駒駅(奈良県生駒市)」の様子を見て行くことにします(2009年5月撮影)。

ホームは1面、中央に島式のものが使用されているのですが、その両側にホームのない通過線が設けられています。

 

 

停車するのは「準急」以下の列車です。

本来であれば、特急も停車する主要駅の、隣の「生駒駅(同)」に待避線の設備がありそうなのですが、敷地の関係上設置が難しいため、ひとつ前のこの駅にそれが設けられているという事情があります。

 

 

ちょうど、大阪・阪神尼崎方面へ向かう「区間準急」を待たせ、「特急」が通過して行くところでした。

もう10年前のショットになりますが、近鉄特急も新塗装の車両が大部分を占めるようになった現在では懐かしい姿です。

 

 

 

先ほどの地図のところでも触れましたが、この「奈良線 東生駒駅」の北側(画像では左側)には「けいはんな線」の「東生駒車庫」がありまして、そのさらに北側を「けいはんな線」の本線が走っています。

現在のところ、「関西学術文化研究都市」に近い「学研奈良登美ヶ丘駅(奈良市)」までの区間が開業していますが、「けいはんな線」側には「東生駒駅」は設けられていません。

 

 

 

ひとつ大阪寄りの「生駒駅」止まりの列車が設定されていて、ここまで回送されて来る関係上、電車の往来は結構多くあります。

 

 

相互乗り入れしている「OsakaMetro中央線」の車両も、ここでは日常的にみられることが出来ます。

方向幕が「コスモスクエア」になっているので、この車庫で折り返しする列車だったでしょうか。

 

 

駅ホームから、生駒・大阪方を望む。ちょうど「快速急行」が通過していくところです。

右側が「けいはんな線」に当たります。

 

 

さらに遠景してみます。左側からやって来たラッピング車両の最後尾あたり、「奈良線」と「けいはんな線」の線路高さが揃うあたりに、くだんの連絡線が設けられることになりそうです。そうなると、このあたりの風景も変貌するのだろうと思えます。

 

 

「2025年大阪万博」の開催まであと6年ほど。

まだまだ先のことのように感じますが、これまでに例をみない、長距離区間を走破する「蓄電池車両」というのはどのようなものになるのか、実に楽しみではあります。

 

私見ですが、「給電方式」の課題以外でも、乗り入れ先の「中央線」は純然な通勤・通学路線として建設されたものなので、おそらくは「特急列車」となる「直通列車」が「普通列車」を追い抜く設備のある駅が限られて来るなど、ダイヤの面でも解決すべき課題はありそうに感じますが、今後の展開を楽しみに期待したいと思います。

 

今日はこんなところです。