行雲流水的くっぞこ -159ページ目

南條範夫「わが恋せし淀君」

 南條範夫さんのSFです。
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 南條範夫「わが恋せし淀君」(1958年)です。


 南條範夫さんは、明治41(1908)年東京銀座生まれ。昭和26年デビュー。昭和31年、第35回直木賞受賞。2004年逝去。



 東京の雑誌社に勤める誠之助(25歳)は、女性の趣味が、今風より、和服が似合う人が好きという人。それで、彼の理想の女性は、秀吉の側室の淀君なんですね。しかも、好きで好きでたまらない。

 彼の勤めている雑誌社の新年号で、日本の歴史上の美女を特集した「日本美女史」という企画をする事になり、彼は立候補して淀君を担当する事になります。大阪に出張して取材を進めるんですが、もう一つ、彼には個人的な目的があって、それは、淀君の肖像画を手に入れる事。色々探すんですが、手に入らないんですね。

 そこで誠之助は大阪城へ行き、石垣にもたれて淀君への思いを馳せていると、突然、もたれかかっていた石垣が外れ、大きな穴が開いてしまいます。誠之助がそのトンネルを進んでいくと、そこは……慶長19(1614)年9月、大坂冬の陣直前の大坂城。淀君が亡くなるのは、翌年の大坂夏の陣ですから、淀君はまだ存命中なんですよ。そこから、話が展開していきます。



 切ないですよ~。切ないラブストーリー。SFでしか表せない切なさですね。

 星新一さんが書かれてますが、当時は、まだSFという呼称さえハッキリしない時代。科学空想小説となるんでしょうけど。星さんのデビューが、この小説が書かれた前年の昭和32年ですから。

 お話も面白いですよ。乱暴ですが、一人戦国自衛隊みたいな感じですかね(笑)。装備も何も持ってないんですけどね(笑)。

 当然、誠之助は、後の歴史は知っているわけで、この後、淀君がどうなるのか?というのも、もちろん知っているんですよ。いやぁ~切ない。過去というものには、どうしても越えられない一線というものがありますね~

BORIS「SMILE」

 2008年中は、結構聴いてましたね~ 
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BORIS「SMILE」(2008年)です。


 ボリスは、1992年結成、1998年デビュー。コンサートは、日本でよりも、外国でやってるほうが多いんじゃないか?というバンドですね~。


 このCD、ややこしいんですよ。日本盤とアメリカ盤が出ています。

 ボリスは、以前から、日本盤CDだけでなく、アメリカ盤CDやLP等を発売していたんですが、私は、そういうのは面倒なので、日本盤CDしか買ってなかったんですね。でも、この「スマイル」は、日本盤とアメリカ盤の音が全然違うという事を聞いたので、日本盤だけでなく、結局アメリカ盤も購入してしまいました(笑)。


 まず発売されたのが、↑の画像の、日本盤CD。ビニール製のジャケットの中に、ハート型に切り抜いた黄色いスポンジを入れた特殊ジャケット。

 日本盤では、プロデューサーが、元ホワイトへヴン・マーブルシープの石原洋さん。これが、今までのボリスと違って、バリバリとノイジーで、深いエコーがかかったサイケデックな感じの音になってました。遠くでゆらめいているような音像。打ち込み風な音も入ってて、両耳を両手で抑えて、体内の音に耳を傾けている様な。

 最初は、あれ?と思ってたんですけど、聴いてるとこれも面白いな~と。音が狂ってるんですよ(笑)。

 一番の目玉なのは、PYGの「花・太陽・雨」のカバーじゃないでしょうか。バッチリはまってます。


 ”花・太陽・雨”(ライヴ映像・2008年アトランタ youtube)


 そして、その後すぐ発売されたアメリカ盤「SMILE」(2008年)。
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 こちらは、通常の、プラスチック製CDケース入り(ややこしい 笑)。


 アメリカ盤は、日本盤と違って、ボリスのセルフ・プロデュースです。

 アメリカ盤の音は、今までのボリスの延長上の音。ポップでキャッチーなメロディーのヘヴィーなハードロック。でも、アメリカ盤と言っても、どっちみち日本語で歌ってるので、変わらないと言えばそうなんですけどね(笑)。

 初めて聴いたときは、日本盤の以前と変わってしまった音を聴き込んだ後だったので、何か拍子抜けしてしまったんですけど(爆)、改めて聴き直すと、日本盤とは違うヘヴィさのハードロックでした。今では、日本盤よりこっちを聴く回数が多いかもしれませんね(笑)。

 特に、前半の4曲が、日本盤の音と大分違ってますね~。


 YOUTUBEに、同じ曲の日本盤/米国盤の、ヴァージョン違いの音がアップされていたので、聴き比べを一つ。日本盤では1曲目に収録されている”メッセージ”と、アメリカ盤では4曲目に、曲名を変えて収録されている”STATEMENT”。


 まず、アメリカ盤の、

 ”STATEMENT”(PV映像 youtube)


 そして、同じ曲の日本盤バージョン

 ”メッセージ”(音声のみ youtube)


 ちょっと違いますよね~。日本盤は、アメリカ盤のリミックスみたいな感じでしょうか?どっちも好きですね~。

 ↓他の収録曲のPVも。


 ”となりのサターン”(PV映像 youtube)


 そして、年末に発売されたのがこの2枚組ライブ盤「SMILE」(2008年)。
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 ややこしいというか(笑)、これも同じタイトルなんですよ。しかも、ジャケットも日本盤の色違い。このライヴ盤は、ビニール製ジャケットに、ハート型にくり抜いた”黒い”スポンジを入れた特殊ジャケットです。黄色い日本(スタジオ録音)盤と並べると、いい感じですよ~。

 スタジオ盤「スマイル」のレコ発ツアーでの、2008年8月1日、米国Wolf Creekでのライヴ。よりハードになったライヴで良いですよ。


 スタジオ盤2種類とレコ発ライヴのライヴ盤発売…何だか、90年代キングクリムゾンみたいですけどね(笑)

藤岡真「六色金神殺人事件」

 推理小説の醍醐味って色々ありますけど、トリックに、あぁ~!やられた~!となることもありますよね(笑)
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 藤岡真「六色金神殺人事件」(2000年)です。


 藤岡真さんは、1951年生まれ。1993年デビュー。寡作な作家です。



 主人公は、江面直美(えずら・なおみ)。東京の保険会社で、事故調査の探偵をやっています。

 出張先の青森で事故調査を終え、空港へレンタカーで移動の途中、大雪で車がエンコして、山の中で立ち往生してしまいます。直美は雪の中をさまよって、どうにか津本という町へたどり着きます。津本町では、「六色金神祭」というイベントが開催されていました。

 六色金神祭というのは、昭和19年に津本町で発見された「六色金神伝紀」という古文書(宇宙の誕生から大和朝廷の成立までを記したもの)をテーマにした町おこしのイベント。そのイベントの中で、不思議な事件が起きていきます。

 (ちなみに、六色金神伝紀は、この小説の中だけの設定で、全くのフィクションですよ。)



 表紙に思いきり「伝奇ミステリー」と書いてあって、確かにそう言われればそうなんですけど、これは本格モノの推理小説です。

 古文書関係の、例えば、学研のオカルト系の雑誌「ムー」を好んで読んでるような人(私? 笑)には、どこかで聞いた事があるようなネタも出てきますしね(笑)。横溝正史さんのあの有名な作品の登場人物に似た(?)人も出てきますし(笑)。ただのパロディか?とも思ったんですけど、そうじゃないんですよ。


 見事に、ヤラレタ!と思ってしまった作品です。でも、トリックに怒る人もいるかもしれませんね(笑)

携帯復活

 携帯電話を修理に出してました。二年ほどしか使ってなかったんですけどね。

 電話をかけた時、回線はつながってるみたいなんですが、こちらの声が相手に聞こえず、あちらの声も私に聞こえない、という症状。それと、バッテリーも、フル充電してても2日で無くなる、という状態だったので、バッテリーも交換してもらいました。

 携帯電話が保証期間内だったそうなので、バッテリー代(500円)だけだったので、良かったです~! ホントは、安ければ買い換えようかと思ってたんですけど、携帯電話は高くなりましたね~(驚)

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 画像等は、全部消えてしまったので、改めて、沢田さんを、待受け画面にしました(笑)

人間椅子「人間椅子傑作選 二十周年記念ベスト盤」

 今年で、人間椅子がデビュー二十周年だそうです。その2枚組ベスト盤。
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 人間椅子「人間椅子傑作選 二十周年記念ベスト盤」(2009年)です。


 人間椅子は、1987年結成、1989年テレビ番組「いかすバンド天国」に出演して、1989年デビュー。


 このベスト盤は、前述通り、人間椅子のデビュー二十周年記念のベスト盤で、14枚のアルバムから選曲された24曲+既発曲の新録音3曲+新曲が1曲、の28曲が収められています。選曲に関しては、インタビューでおっしゃってましたけど、現在ライヴで良くやってる曲に、各時期の代表曲を入れたとのこと。基本的に、新録音の3曲は、オリジナル・バージョンで収録されています。

 ジャケットがシンプルで良いんですよ~。和菓子の箱みたいな(爆)。


 人間椅子のベスト盤は、今まで2枚出てるんですが、どちらも、江戸川乱歩さんの小説のタイトルから採られています。1st~4thのベスト盤「ペテン師と空気男」(1994年)、5th~10thのベスト盤「押絵と旅する男」(2002年)。

 だからてっきり、今回のベスト盤のタイトルも、乱歩さんの小説からだろうな~と思ってたんですよ(笑)。「目羅博士の不思議な犯罪」とか、「猟奇の果」とか、意外と「幻影城」かも?とか(笑)、色々想像してたんですけどね(笑)。


 私としては、とりあえず、新録・新曲の4曲なんですけどね(笑)。という事で、新録・新曲について。


 まず、「陰獣」と「猟奇が街にやって来る」の2曲。

 この2曲は、テレビ番組「いか天」のレーベルから出した「人間椅子」(1989年)収録の曲です。
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 この「人間椅子」に収録された7曲のうち5曲は、1st「人間失格」や、シングル(”人面瘡”→ベスト盤・この「人間椅子傑作選」にも収録)・ライヴビデオ「遺言状放送」(”神経症 I LOVE YOU”)に再録音して収録されていますが、この2曲だけは、何故か今まで再録音もなく、未収録でした。

 「陰獣」は、元々の歌詞が著作権で引っかかった為、「人間椅子」収録バージョンでは変更されていたんですよ。このベスト盤では、オリジナルヴァージョンですから、ファンは、これだけで、買わざるを得ないです(私の事ですけどね 笑)。


 ”陰獣”(ライヴ映像 youtube)

 ↑この歌詞が、オリジナル・ヴァージョンです。


 ”猟奇が街にやって来る”(ライヴ映像 youtube)


 もう一つの再録曲「鉄格子黙示録」。これは、1st「人間失格」の1曲目に収録されていたインスト曲でした。でも、ここに収録されているオリジナルバージョンは、このインストが、実は曲のイントロの部分で、その後、曲が続いていきます。

 詞は、暗~いです(笑)。夢野久作色が強いですね~。まるで、”猟奇歌”みたいな感じですよ(笑)。


 そして、新曲「狂ひ咲き」。

 人間椅子にしては爽やかな(笑)、和風なメロディーな曲。ここ数作の「品川心中」「夜が哭く」みたいな感じのキャッチーな曲です。ベスト盤にしか収められてないというのが、逆にもったいない様な(笑)。


 このベスト盤の選曲についてですけど、良いですよ~。この曲が入ってるなら、この曲も入れて欲しいな~とか、そういうのは、もちろんありますけどね(笑)

 ただ、人間椅子の楽曲は、どのアルバムも、基本的に質が高い、と思っているので、結局、良い悪いは、好みの問題だと思ってます(笑)。14枚のアルバムから24曲を選ぶというのも、難しいですよね。