藤井聡太八冠が棋王戦五番勝負に連勝して、棋王防衛に王手をかけました。ところが、定時ニュースでちょろんと出ただけで、脇見してたら見逃す程度の扱いです。勝ち続けると、ニュースにはならなくなるということでしょうか。
中学校で英語を習い始めた時、NEWSの語源は二つの説があると習いました。一つは、新しい記事をたくさん集めるから、NEWの複数形でNEWS。もっともらしい説ですが、形容詞のNEWを複数にするのは納得がいきません。
話がそれました。新しいNEWSという説でいけば「藤井聡太くんが勝っても目新しくない」ということになります。なにしろ、タイトル戦に限れば13連勝。「東海道新幹線は平常運転しています」と同じレベルです。
NEWSのもう一つ語源は、東西南北の頭文字を集めた説。NEWSの順番なら北東西南。ところが、英語では「north south east and west 」北南東西となります。まあ、順番で屁理屈をこねても、大した問題ではありません。
日本語でも、社会の教科書では「東北地方」といい、理科の教科書では「北東の風」という。「表裏一体」といったり、「裏表のない人」といったり。「貧富」といえば「貴賤」ともいう。しょせん、順番など無意味です。
話を元に戻します。藤井聡太くんがタイトル戦で瀬戸際に立たされたのは、2021年の叡王戦2勝2敗のたった一度だけ。それ以外は余裕を持って勝利しています。さらに、一敗もせず零封したタイトル戦は7回を数えます。
将棋は先手が有利といいますが、タイトル戦の後手でも勝率75パーセントを誇ります。もっとも、先手では90パーセント近い勝率を叩き出しています。こと将棋に関していえば、順番が影響しているともいえます。
タイトル戦無傷の20連勝は大記録です。羽生さんが破れなかった大山名人の連勝記録を、あっさり抜き去ります。全盛期のイチローさんは、ヒットを打たないとニュースになりました。もし、藤井くんがタイトルを奪われでもしたら、号外が出るかも。