【映画】「関心領域」 | 【ココロと友達】大人の自己肯定感を育てる専門家かとちゃん

【ココロと友達】大人の自己肯定感を育てる専門家かとちゃん

うつや病気で休職3回を経験。今は心理カウンセラーとして優雅に生きるかとちゃんが、「自己肯定感の育てかた」をお伝えしています。

 


こんにちは。

 

大人の自己肯定感を
育てる専門家


真理カウンセラーの
かとちゃんです。



今日は、心理にも関係する
映画のレビュー。


 

【人間の最大の罪は無関心】

アウシュビッツ収容所の隣に暮らす所長一家。地獄と壁一つ隔てたそこにあるのは、どこにでもある穏やで幸せな日常。

すごい作品を作ったものだ。面白いとか面白くないとかそんなレベルではない。人間の“業”をこれでもかと見せつける、いや、否応なしに静かに “聴か” される。

よく手入れされた庭でじゃれ合う子供たちと、それを微笑ましく眺めるママたちの姿。その後ろにゴウゴウと響く焼却炉の音。かすかな悲鳴らしき声や銃声も聞こえ、青い空には黒い煙がのぼっていく。あくまでも壁の向こうの惨劇は一ミリも見せず、この不穏な音と、ちょっとした会話や物品の提示により日常の中で起こっている“異常”を淡々と提示する。

人間の最大の罪は「無関心」。定点観測のようなカメラ視点から映し出される所長一家の日常は、私たちのものと何ら変わらない。むしろわざと退屈に描いている。端々でゾッとする違和感を感じながらも、その退屈さから「ああ、何か起きないのかな…」と、観客である自分も「無関心」に巻き込まれていく。あのかすかな“音”たちが、聴こえなくなっていく。

人は見たいものだけを見て、聞きたいものだけを聞く。日々の忙しさにかまけて見ないようにしてきたものが、いま眼前に突きつけられている日本。壁のこっち側にいると思っていた我々は、真綿で首を絞められながら、気がつけばもはや壁の向こう側にいる。無関心でいる罪はとてつもなく重い。

またしてもA24にやられた。

https://happinet-phantom.com/thezoneofinterest/

 

 

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