弓把(きゅうは)について | KenさんのBLOGS

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弓把(きゅうイメージ 1は)について
現在、一般的には図のように「弓把」とは握りと弦との間の事を指すようです。
私は先生より、きゅうはの高さ、略してハの高さと習いました。
把とは握ること、握る場所であり、弝・弣は一字で弓の握りのことを言います。弓把とは弓柄[ユヅカ]で弓の柄の事です。 字義には長さや距離を表すような意味はありません。
弓道辞典(弓道講座)、現代弓道小辞典(春原平八郎)、現代弓道講座(用語篇)でも弓弝(きゅうは)は皮を巻いてある弓の握りの部分をいう。把の字も用いる。とあります。しかし弝の項には弦と弓との距離間隔の事。即ち弣と中関との間隔を云う。弓弝と云う,ともあります。
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雪荷派の目録にははちかき弓得のこと、は遠き弓得のことと言うヶ条があります。また、は高き弓、ひくき弓との表現もあります。いわゆる握りの位置が弦から遠い近いということですが、高い低いとか近い遠いという長さを表す言葉と一緒になって間隔の意味になります。
『正倉院御物』の記載では
  一張[長七尺一寸二分 背黒漆 腹赤漆 末曲 本曲節 黒紫組纒弓把]
  二張[長七尺三寸三分 一背黒腹赤洗皮纒弓把 一赤漆紫皮纒弓把]
などとあり、弓把は明らかに弓の握りであり、柄や材質について述べています。
また、1把とは指4本分の長さを表す単位、2 束ねたものを数えるのに用いる。3 射芸で、矢を数えるのに用いる。矢51筋を1把とする。などともあり、いずれにしても握ることを意味します。
以上のようなことから弓把や把それ自体には距離や間隔を表す意味は無く、弓把、把とは弓の握りのことで正確には「弓把の高さ、把の高さ」であり、訳されて習慣的に握りと弦との間の事を弓把と言うようになったと考えられます。
弓道語は正確に使いたいですね。