本日のテーマ
【物を大切にする心】
私は、物を大切にする人に魅力を感じます。
物を大切にできるということは、その物に対して感謝する心を持っていることにもつながると思うからです。
以前、私が編集に携わっていた雑誌で、
「親から子に伝えたいもの――物を大切にする心」
というテーマで、体験談を集めたことがあります。
寄せられた体験談を読んで感じたのは、親が物を大切にする姿を、子どもはよく見ているということでした。
そして、その姿勢が自然と子どもにも受け継がれているのです。
その中から、一つご紹介しましょう。
――花に「ありがとう」――
仏壇の花を替えるとき、しおれた花に「ありがとう」と感謝しながら片づける親がいました。
すると、その姿を見て育った女の子は、神棚の榊(さかき)を替えるとき、古くなった榊に「ありがとう」と言って、頭を下げるようになったそうです。
親の「物を大切にする心」が、言葉で教えなくても、子どもに伝わっていたのでしょう。
こんな体験談もありました。
「わが家では、おばあちゃんが、いただき物や新しい物を、まず仏壇に供えてから使っていました。
そんな母の姿を見て育ったせいでしょうか。私たち夫婦も、いつの間にか同じようにするようになりました。
そして気がつけば、娘にも同じ習慣が身についていました。
娘は、ぬいぐるみが汚れると、自分と一緒にお風呂に入れて、きれいに洗ってあげるような子です。
親から子へ、こうして伝わっていくのでしょうね。
娘には物に対する感謝の気持ちがあるのだと思います。だから、物を大切にするのでしょう。」
子どもは、親が言ったこと以上に、親がしていることをよく見ているものです。
「物を大切にしなさい」
と何度も教えることも必要かもしれません。
しかし、それ以上に大切なのは、親自身が物を大切にする姿を見せることなのでしょう。
物を乱暴に扱わない。
使った物をきちんと片づける。
壊れたら、すぐに捨てるのではなく、直して使ってみる。
役目を終えた物には、「ありがとう」という気持ちを持つ。
そんな日々の小さな行動の中から、子どもは多くのことを学んでいきます。
物を大切にする心は、単に「物を長く使う」ということだけではありません。
そこには、
「ありがたい」
「おかげさま」
「大切にしたい」
という、人として大事な心が含まれているように思います。
物を大切にする心は、人としての大切な財産です。
そして、それを子どもに伝えたいのであれば、まず私たち大人自身が、日々の生活の中で実践することが一番なのではないでしょうか。