アイス・ストーム
アン・リー監督の1997年の作品「アイス・ストーム」は
前作の「いつか晴れた日」が英国、前々作の「恋人たちの食卓」が監督の故郷
台湾を舞台として、その土地その時代の文化を色濃く反映していたのと同様に
1993年の「ウエディング・バンケット」以来久しぶりに米国を舞台にした本作でも
当時の米国文化の一面(病理)が鋭く切り取られている。
1994年に出版された小説を原作とする本作、
マンハッタンから北へ鉄道でそれほど遠くない
コネティカット州の小さな街に住む富裕層の一家と
その隣(隣といっても2軒の間には広大な林が横たわる)の
家族の物語。
作品ごとに題材が異なるアン・リー監督の作品であるが、
「ブロークバック・マウンテン」をその代表として、
人間の根源的欲求のひとつである
性的欲求に対する個人的“秘密”との葛藤を作品の底流とし、
まさしく“人間的”な本テーマに対する共通した深い洞察力が、
アン・リー監督の作品を深く味わい深いものとしている。
軽い気持ちで犯した罪の代償はあまりにも大きく、
その溝が埋まることはないか。
ものみな凍る厳寒のコネティカット。木々の枝、家々の軒先、そして列車や車の
シャーシから垂れ下がるツララの冷たく無機質的輝きが、
本作の心象風景となっている。
Spring8 相生
JR
富士五湖や箱根周辺の林道を思わせる木立が切れると突然と現れる
播磨科学公園都市。
SF映画に出てくるようなモダンな学研地区の中心に
位置するのがSuper Photon ring-8 (GeV)の略称
Spring8で知られる研究施設。
先日訪れたSpring8は世界最高性能の放射光を生み出す
大型放射光施設。全長約1.4Kmの円周を高速で走る放射線の
飛行軌道を安定化させることを目的に、地震の影響が少ない強固な岩盤の上
建設されている。
広大な敷地内に1箇所ある食堂は、見学に来ていた多くの高校生で
ごったがえしていた。
広いエネルギー範囲で世界最高輝度の放射光を発生でき、
高エネルギーガンマ線 (1.5-2.9 GeV) や赤外線も利用可能な本施設は
これまで困難であった構造解析の精度を飛躍的に向上させることが可能なことから、
製品開発に止まらず、幅広い分野で問題解決に貢献している。




