Spring8 相生
JR
富士五湖や箱根周辺の林道を思わせる木立が切れると突然と現れる
播磨科学公園都市。
SF映画に出てくるようなモダンな学研地区の中心に
位置するのがSuper Photon ring-8 (GeV)の略称
Spring8で知られる研究施設。
先日訪れたSpring8は世界最高性能の放射光を生み出す
大型放射光施設。全長約1.4Kmの円周を高速で走る放射線の
飛行軌道を安定化させることを目的に、地震の影響が少ない強固な岩盤の上
建設されている。
広大な敷地内に1箇所ある食堂は、見学に来ていた多くの高校生で
ごったがえしていた。
広いエネルギー範囲で世界最高輝度の放射光を発生でき、
高エネルギーガンマ線 (1.5-2.9 GeV) や赤外線も利用可能な本施設は
これまで困難であった構造解析の精度を飛躍的に向上させることが可能なことから、
製品開発に止まらず、幅広い分野で問題解決に貢献している。
『ラブレース』
全世界歴代映画興業収入トップ100に入る約6億ドル
(1972年当時は約¥360/ドルだったので日本円で約2,160億円)の
収入を得たヒット作「ディープ・スロート」の主演女優「リンダ・ラヴレース」
わが国では検閲でカットされズタズタにされたものが数年後に
上映されたようであるが、本作『ラブレース』は女優リンダ・ラヴレースの
生き様をアマンダ・セイフライドが真摯に演じている。
厳格な家庭に育ち、母親からは“夫”への絶対服従を強いられていた
リンダ・ラヴレースに目をつけた男は女性を食い物にし、
暴力で支配する冷血漢であった。
このダメ亭主チャックの元を去ることができず、はからずも「ディープ・スロート」に
主演させられたリンダ・ラヴレースは後年チャックの魔手から逃れ、幸せな家庭を
築き、反ポルノ運動の旗手となる。
「ディープ・スロート」も2002年に自動車事故死したリンダ・ラヴレース自身のことも
何も知らなかった1985年生まれのアマンダ・セイフライドは言う。
「本質をとらえること、それが最も重要なことでした。
本質が欠けていれば、何もないのと同然です」
人の人生を否定することなく、
その人が生きた状況を理解する
その優しさ、寛容、そしてストイックさ故に悲劇的な人生を体験した
リンダ・ラヴレース。
一作ごとに異なる役を演じ、チャレンジな役が好きというアマンダ・セイフライド
が演じたリンダ・ラヴレースには
アマンダ・セイフライド自身の思いが深く投影されている。
「ブリングリング」(Bling Ring)
ソフィア・コッポラ監督の2013年の作品「Bling Ring」では
ハリウッドセレブ達の留守宅を狙って忍び込み、
高級バッグ、装身具そして現金を盗み出すこそ泥を
繰り返していた、高校生の少年少女達の転落の物語が
ソフィア・コッポラ流に描かれている。
収入は労働の対価であり、
"モノ“を手に入れるには自ら汗水たらして得た稼ぎが不可欠。
このような倫理観を身につけていない三流高校の少女・少女たちが
今の生活では絶対に手に入れることができない高級ブランド品を
自分のものにする手っ取り早い手段として選択したのが空き巣狙い。
裕福なセレブ達が持つ山のような高級品の数点を留守宅から
黙って盗み出すことはスリルこそあれ、罪悪感を感じる行為ではなかった。
うわべだけの派手な宝石を意味するBling、
中味を伴わない人間のうわべだけの飾り。
実話にヒントを得て制作されたとされる本作では、
偉大な監督を父に持ち、ハリウッドセレブを始め多くの映画関係者との
接点を持つソフィア・コッポラが幼少期からなじみの深いハリウッドを舞台として
成熟し、倫理観が薄れた病むアメリカの一面を切り出してみせる。
エマ・ワトソンが、これまでのイメージを一新する、自らの行いには全く罪悪感を覚えず、
自らの保身に走る不良高校生をまっとうに演じている。
未成年で初犯の少年が執行猶予も無しに
5年間の刑務所送りは日本では考えられない厳しさ。
心の放浪をテーマにしてきたソフィア・コッポラ監督が心の病を描く。


