CALIFORNIA SOLO (セカンド・カミング)
ブリットポップの人気バンドのギタリストとして英国で活躍し、
故郷のスコットランドからロスアンゼルスにツアー公演と
スタジオ録音を目的に訪米して以来、十数年
故国の地を踏んでいないラクラン。
現在はカリフォリニアの農場で働いている
ラクランが、バーからの帰りに飲酒運転で
捕まり、警察に連行される所から物語が始まる。
主演はスコットランド出身のロバート・カイル。
マーシャル・レウィ監督が彼をイメージして脚本を書いたと
される主人公ラクランをそのイメージ通り、自然体で演じている
本作は、過去に犯した罪の贖罪そして、心の呵責から過度の飲酒に
走る男のアイデンティティーを追う物語.
原題ともなっており、作品中でロバーロ・カイルが歌う「California Solo」は
故郷を離れカリフォルニアで一人暮らす男の孤独感を
切々と歌うラブバラードで本作の基調となっている。
離婚した妻との間にでき、10年ぶりに会う13歳に成長した娘。
過去に犯した罪の贖罪。
ロードムービーでは無いが、
カリフォルニアの緑豊かな農場を舞台にした
心の漂泊の物語。
邦題は再臨の意味でもある「セカンド・カミング」
自分の責任によって殺した者が自分の娘として復活し、
ラクランに赦しを与えたのであろうか。
「ミッドナイト・イン・パリ」(Midnight in Paris)
監督自身が一番大好きなパリの街角、文化の香り、
そしてそこで暮らす市民の姿を監督自身の心の目でデフォルメし、
カラーマネージメントされた映像で開始される本作は、
監督自身に固有のスノッブ的作風が良い意味で残され、
それをはるかに上回る上質の都会的洗練さが盛り込まれ、
若いころの気負いやてらいが拭い去られた、
ウディ・アレン監督の面目躍如たる個性的で魅力的な作品である。
監督自身が『この時代のパリに暮らしていたら、今よりもっと
幸せだったはずだ。』と思っていたとされる、ヘミングウェー、
フィッツジェラルド、ピカソ、ブニュエル、ダリ等が夜ごと酒場に
集まっていた1920年代のパリ、更にロートレック、ゴーギャンが
活躍していたか19世紀末~20世紀初頭のパリにタイムスリップする
主人公の脚本家ギル。
米国で映画の脚本家として成功し、作家への転身を考えている
監督自身の分身であるかのようなギル。
ギルとフィアンセのイネズが、実業界で成功しているイネズの
父親のパリ出張に便乗して、イネズの両親と共にパリに
やってくる。
雨のパリが大好きなギル、
買い物そして名所めぐりに忙しいイネズ。
監督一流の表現で典型的なアメリカ人を皮肉り、
米国、欧州の文化の違いを浮き彫りにする。
憧れのパリ、
本当に必要なものは過去ではなく、現在にあった。
PM2.5
スギ花粉本体の大きさは30~40ミクロンなので、
それより一桁小さな形状のPM2.5(微小粒子状物質)
いろいろな組成物の集合体であるPM2.5のなかで厄介なのは
炭素を核として,その周りに発がん性を持つものを含めた
有機化合物が吸着されているPM2.5であろう。
国立環境研究所ニュース21巻5号(2002年12月)で
長谷川就一さんが下の図の「都市部で採取された粒子状物質の
電子顕微鏡写真」として1ミクロン程度の糸くずのような
煤の粒子が元素状炭素であり、その表面に多環芳香族炭化水素
や硫酸などの分子が吸着していることが多いと考えられると
記している。
たばこの煙にも含まれ微小粒子ベンゾピレンやタール類は
多環芳香族炭化水素の一種であり、発がん性が指摘されている。
更に硫酸は石炭等化石燃料の燃焼過程から発生し、
硫酸だけでなく硝酸イオンに由来する無機成分も
同様にPM2.5に吸着されている。
車社会で、早くから大気汚染防止に対する州の規制が徹底している
ロスアンゼルスをはじめ米国ではPM2.5削減対策として
① 排ガス処理(ボイラー、自動車等)、②生成抑制(燃焼制御:
低NOx、低SOx、低VOC化、燃料転換、社会システムの改善)
③行政による規制等(排出量規制。排出権取引等々)の対策が
トップダウンで推進されている。
このところ毎日にように紙面をにぎわしているPM2.5問題。
ドイツ占領下時代の建築物が多く残り、
風光明媚で海岸性が美しく、青島ビールや世界一の
家電メーカーハイアール社以外はそれほど大きな
製造業はない青島。
私が出張していた7~8年前は殆ど感じることの無かった
大気汚染がこの青島でも深刻な問題となり、
在青島日本国総領事館は1月29日付けで
大気汚染について次のように報じていた。
「1月12日、青島市において市内13か所の観測点における
大気汚染指数が全て重度汚染となり、うち6か所では厳重汚染となった」、
そして 「 大気汚染のリスクを減らすためには、
・屋外での運動を汚染の多い日から汚染の少ない日へ変更する
・運動時間を減らす
・激しい運動から軽い運動へ変更する(例:ジョギングを散歩へ)
・汚染の激しい沿道での運動を避ける、
・外出時にマスクを着用する、といった方法が考えられます。
また、屋外の汚染は屋内の空気の質にも影響するため
フィルター、空気清浄機の使用が汚染十分に削減に有効であるとされています。」
とまとめていた。
乳幼児、子供たちにとっては自分たちの力だけでは限界のある
個人的な対策、
風光明媚な青島、上海、北京を取り戻すために、
最優先すべきはカリフォルニア州が率先して行っているような
大気汚染削減のルール策定と実践であろう。
このための第一歩として、既に日本では10ppmを達成している
ディーゼル車用軽油中の硫黄成分等について、現在150ppm迄
容認されている硫黄分を来年末までには50ppm迄下げるとの
公式コメントを中国政府が今月発表している。
国力を強めるのは敵対ではなく、先進国の英知も導入して、
人類全体の問題であるPM2.5対策を進める事が肝要であろう。


