オレンジと太陽
「甘い果汁がしたりおちるオレンジと
太陽の光に満ち溢れる国。」
どんよりとした曇り空に覆われ、
暖かい太陽に飢えているイングランドで、
実の父母を知らずに施設で育った子供達に
投げかけられ、
連れて行かれたオレンジと太陽の国
オーストラリア。
諸般の事情で親が自らの手で育てることのできなかった
子供たち。
施設に入れられた物言わぬ子供たちは、
人減らしを目的とした国の政策で強制的に船に乗せられ、
安価な労働力、奴隷と言うべきか、をほしがっていた
かつての英国の植民地オーストラリアに送られた。
1970年代まで続き、その数13万人を超えるといわれる
オーストラリアに児童移民させられた英国”孤児“達。
オレンジと太陽の国を夢見てきた子供たちは、
集められたカトリック教会でおぞましい虐待を受け、
借金で縛られ、肉体労働の日々で夢を失っていく。
父親と同じ視点を持つケン・ローチ監督は、
代表的な英国女性エミリー・ワトソンを
“孤児”の問題を取り扱う社会福祉士マーガレットに
配し、共に、国が犯した犯罪の犠牲となり、悲惨な人生を
送ってきたオーストラリアに住むかつての”孤児“達の
姿を追っていく。
自らはオーストラリアで“孤児”たちの親探し活動
を続け、自分の二人の子供たちを母親のいない状態で
育てているマーガレット。
マーガレット家の多くの代償が、
実の親を知らず、人生の辛酸をなめ尽くした人々の心に
希望の灯をともし、
国家を動かす。
国家を疑う事、
そしてきちんと意見を述べる事
自由に意見を言える国の
健全な精神が生きている。





