シティ・オブ・ボーンズ(CITY OF BONES)
ハリー・ボッシュ シリーズとして2002年に出版され、
2003年のアンソニー賞長編賞を受賞した
マイクル・コナリーの作品「シティ・オブ・ボーンズ(CITY OF BONES)」
マルホランド・ドライブと交差するローレル・キャニオン・ブールバードを
ウエスト・ハリウッドと反対側に丘陵地帯に向かって進んだ先にある
針葉樹の森が広がるローレル・キャニオン・ドッグ・パーク。
静かな住宅地帯に隣接したこの森から医者の飼い犬が咥えてきた
一本の小さな骨がこの物語の発端。
医者の目ですぐに人骨だと判断されたこの骨は、専門家の鑑定で
長い間虐待された跡がしっかりときざまれた少年の骨であることが
判明する。
義憤に燃えるハリー・ボッシュ刑事が犯人探しに奔走する姿を描く
シリーズ8作目となる本作は、
スプレンディッド・エイジ老人ホームでの老女のためらい縊死、
ハリウッドを見下ろすマルホランド・ドライブの高台に止めた
車の中で拳銃自殺した34歳の女優と、憂鬱と絶望から
自らの手で人生に幕を引いた人達のエピソードで幕を開け、
失意を克服する目的で警察官となり、自らの銃弾で事故死した
新米警官ジュリア・ブレイシャー、
本人の意思とは無関係に若い時の“過ち”をマスコミにより暴露され
失意のうちに死を選んだニコラス・トレントと、
他者の圧力、他者の手で人生を終わらされた人達の物語を挿んだ、
自分が理想とする他者との関係を築けなかった人々への
哀惜・哀悼の思いが込められている。
骨の街
骨は姿を現す時を待っている。
真犯人を突き止めるために失った二人の無辜の命は
哀しい。



