イン・マイ・カントリー
「肌の色が全てを決める」世界。
イン・マイ・カントリーの舞台は、1995年、マンデラ大統領の下、
国を疲弊させていたアパルトヘイトが廃止された直後の南アフリカ共和国。
キリスト教司教を代表とする真実和解委員会は、
差別されていた原住民に対して日常的に行われていた
残虐行為、殺人を白日の下にさらし、
加害者である白人(多くは治安維持を職とする警官)
の赦しの言葉で、国を立て直そうと図っていた。
この映画、南アフリカの原住民が使っている言葉「ウブントゥ」
(あなたを苦しめる事は私も苦しめる、他者への思いやり)
が全編を通じてストーリー展開のキーワードとなっている。
南アフリカで生まれ育ち、人種差別に心を痛めていた
白人ジャーナリストを演じるジュリエット・ビノッシュの
「ウブントゥ」を体現する表情がこの映画の全て。
繰り返される、真実和解委員会での虐殺された家族の証言を
忠実に報道する過程で「心」のバランスを喪失し、
ひび割れた心を最後に救ったのは母の言葉であり、家族だった。
頭で理解していても、生き方として実践するには、心の葛藤、
そして自分を愛する心の先にある達観が必要な「ウブントゥ」、
「ポンヌフの恋人」「存在の耐えられない軽さ」当時の若々しさに
人生の重みを加えたジュリエット・ビノッシュは作品のなかで、
「ウブントゥ」を模索していた。







