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「白い紙に絵を描く」 ノーベル化学賞

4日に発表された今年のノーベル生理学 医学賞では惜しくも

山中教授は受賞を逃したが、昨日は鈴木先生、根岸先生と

お二人の日本の研究者がノーベル化学賞を受賞されたとの

嬉しい報道が日本中を駆け巡った。


記憶に新しい2008年の下村先生の受賞は蛍光タンパク質の発見

であり、この発見は最先端医学分野の研究に不可欠なツール

として活用されている。

2002年の田中耕一さんの発見は、たんぱく質を主体とした

多くの物質の構造解析に有用な質量分析を可能とさせる

高分子のイオン化技術で、お二人とも生物を形作る細胞、

神経等の機能を探索する生化学の基礎技術に関していた。


一方、今回の鈴木先生、根岸先生の発明・発見は化学の重要な

基礎技術である有機合成に関し、頭で描いた構造の新規有機化合物の

分子設計を可能とさせる有機合成の新規触媒を開発した功績が

評価されたもの。


医薬品や工業用材料に広く使われている低分子の有機化合物、

今回の受賞技術は困難であった特定構造の新規有機化合物の合成

を“新規触媒の発見により”容易にさせ、我々の生活に恩恵を

もたらしている。


昨日、NHKのニュースで、今回のノーベル化学賞の受賞技術

について内容を解説されていた、1995年から2005年まで

不斉触媒分野における論文引用数が世界一でこの分野での

世界の第一人者である柴崎正勝先生が、ノーベル賞を受賞

されるような発明に必要な事は何ですかとの質問に対する

鈴木先生の言葉

「重箱の隅をつつくような研究はしない事」に対し

補足しておっしゃられた言葉

「白い紙に(独創的な)絵を描く)研究」が

印象的であった。

鈴木先生は謙虚にノーベル賞受賞は支えてくれた

周りの人、研究室のスタッフそして学生のお蔭との

コメントを話されていたが、

昨年まで東京大学大学院薬学系有機合成化学教授として

大学で研究活動をされ、今年定年で化学研究センター長として

財団法人 微生物化学研究会微生物化学研究センター に

異動された柴崎正勝先生も、先日研究センターでお話を伺った

際に、大学での研究で学生を研究者として育てる事の重要性

そしてその為の環境づくり(資金面を含め)に対する教授(指導者)

の責務を強調されていた。


ひとつの独創的なアイデア・発見を多くの人の協力で

世界で最も早く“形”として世に出し、世界に貢献する。

山中先生も、柴崎先生もノーベル賞こそ受賞はされて

いないが、この研究スタイルで科学技術の発展に貢献

されている。

かつてSONYSEIKO等の製品の優秀性で世界をうならせた

日本、科学立国による世界人類への貢献は我が国が得意とし、

力を入れるべき方向であり、景気や政権に左右されず、

国として「科学技術」を大事にする国づくりが未来を切り開く。



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キンモクセイの香り 個の調香

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松林に入ると、樹皮から滲み出し茶褐色に固化した、

独特の匂いと粘着性を持った松脂を見つけることができるが、

この松脂を水蒸気を使って蒸留することで得られる

テレピン油を語源とするテルペン化合物。


テルペン化合物には、レモンなどの柑橘類の果皮に含まれ柑橘類全体の

特徴的香気成分となっているリモネン、ハッカ油から抽出されるメントールなど

香り成分が多く含まれているが、今週、東京の街中に漂う

キンモクセイの香り成分の一つもテルペン化合物で鈴蘭の香りとされる

リナノール。


キンモクセイの香気成分が気になって調べたところ、

リナールの他にヘンナ(ヘナ)の香気成分のケトン類である

β―イオノン、

クチナシにも含まれるフルーティーな香りのラクトン化合物

V-デカラクトン、

クリーンな香気のエーテル化合物リナノールオキシド、

そして葉の青臭い香りを持つアルコール類のcis-3-ヘキセノール等が

検出されている事が判った。


β―イオノンは閾値(感じることのできる下限の値)がなんと

0.12ppbと極微量で人間が香りを感じることができる物質で、

樹木に咲く他の花と比較してキンモクセイの匂いが圧倒的に

広範囲に広がるのは、樹木の多さもあるが、閾値の低い香気成分の

微妙なバランス(調香)がキンモクセイの匂いを形成しているから

と感じた。]


人工のキンモクセイの香りが今街に漂っている香りと

似て非な原因は、分析機器の検出限界に近い

ごく極微量の香気成分の違いと、香気成分の配合比であろう。


単一の物質ではない多くの天然物はそれぞれの成分がすべて

自分の力を発揮してひとつの個性を形作っている。



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「Kingdom of days」 Bruce Springsteen


Bruce Springsteenのアルバム“Working on a Dream”の中で、
秋の情景を歌詞に詠いこみ、ストリングスをバックに朗々と
“愛”を歌い上げている“Kingdom of days”

前半の部分は叙情的であるが、後半に入り、取り方によっては
かなり情熱的にも感じられる“Kingdom of days”

聴き手の状況によって少しづづ異なった解釈が可能な歌詞だが
何度何度も聴いているうちに、私には、永遠ではない人生を
振り返り、(天に召される前に)、今を生き抜く日々で
「誰にも邪魔されたくない至福の時は
長く連れ添った妻と共に過ごす時」の“意”を感じた。

以下は“Kingdom of days”の私の意訳

「時を刻む音も、
 飛び去って行く時間も
 終わりゆく夏も
 君といるときは何も感じない
 君の顔にかかる光のかすかな変化を感じるだけ。

 ほっておいてくれ、二人だけにしておいてくれ
 この二人の至福の時間を

 日が昇り日が沈むのを眺め
 月が静かに弧を描いて沈むのを見ていた
 枯葉が落ちる君の肩に上着をかさね、
 横たわった二人の背中に湿った草を、
 木々の間を吹き抜ける秋のそよ風を感じる

 ほっておいてくれ、二人だけにしておいてくれ
 この二人の至福の時間を

 愛している、愛している-------------とても
 君はささやく、示して、はっきりと、示して、あなた

 君といつでも一緒にいられることを神に感謝し、
 二人で寝具のカバーの下で笑い、
 そしてお互いの顔の皺を、髪の毛の白いものを数える。

 歌い飛ばせ、歌い飛ばせ、二人で笑い飛ばそう、
 二人の至福の時間、二人の至福の時間」

ほっておいてほしいのは“時間”からの束縛か。

これまでも長い間、そしてこれからも共に時代を歩み続ける事が
喜びでもあるBruce Springsteenの作品。




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