読書週間 神田古本まつり
昨日27日からの読書週間にあわせて、恒例の神田古本まつりが
始まったので、仕事帰りに半蔵門線で二駅先の神保町に寄ってみた。
神保町の交差点に立つ岩波ホールを囲んで、沢山の古書と
“古本まつり”の看板が裸電球に照らされていたが、
昨日の寒さのせいか、活字離れが進んでいるか、
かつてはさくら通りまで賑やかだった古本まつりも、
今年は靖国通りに沿った古書店の前の通り
あるいは古書店横の路地や特設会場だけで開催されていた。
神保町の交差点から九段下方面はかつての古本街の面影
を残す店が残っているが、ペーパーバックスが豊富だった古書店は姿を消し、
神田方面へ向かうとかつて古書店だった店の多くの看板が変わっていた。
原書房のコーナーと店の前には並べられていなかったが明倫館の古書
こんな本も見かけた
ざっと歩いた後で、もう一度一つ一つのコーナーの背表紙を
覗き、気になる本を手に取ると、そこには自由が丘東京書房や
中央線沿線、埼京線沿線の古書店のシールが貼ってあり、
古本まつりが神保町の古書店だけでなく、
普段はあまり足をのばすことのない広い東京各区の古書店が
本を持ち寄っていることを再認識した。
古書店横の路地にはそういった各区の古書店が選んだ古書が
並べられていたが、その一角の吉祥寺 外口書店のコーナーで
植草甚一の本“シリーズ植草甚一クラブ”が目に飛び込んできて、
並べられていた4冊を購入した。
今朝も通勤途中でその中の一冊“映画誌”を読んできたが、
ダンディなおじいちゃんであった植草さんの文章は読んでいて
心がうきうきする。
植草さんの本が並べられていた外口書店のコーナーと、
購入した植草さんの本
雨天では本が並べられない青空市、
今週はしばらく雨模様で、せっかくの古本まつりが
残念であるけれど、来月3日までの間もう一度
背表紙をのぞく楽しい時間をすごしたい。
ジミー・バフェット Last Mango in Paris
ベトナム戦争の後遺症の精神的発作で、
時に自らをコントロールすることが出来なくなるジャック・カーマイン。
テキサスに親から受け継いだ小さな牧場を所有しているが、
牧場経営だけでは生活が成り立たないため、
カナダまで北上した小麦の刈り入れの出稼ぎが終わり、
テキサスに戻る途中で、
ミネソタに流れ着きポール・ダンサーとして
糊口をしのいでいたリンダ・ロボの窮地を救い、
ジャック・カーマインの故郷テキサスに
一緒に戻る二人の物語
「BORDER MUSIC」
平易な英文と随所に登場するアメリカの歌、
ペーパーバックスに描かれた表紙の絵が印象的な
Robert James Wallerの1995年の作品「BORDER MUSIC」を
十数年ぶりに村松 潔の訳で読んでいる。
“Border”は憧れのメキシコ国境でもあるが、ジャックにとっては
最果ての地でもある。
ステットソン、ブーツそしてカントリーギターが作品にふさわしい
「BORDER MUSIC」の冒頭部分でリンダ・ロボとジャック・カーマインが
82年型シェビイS=10(シボレー社がいすゞ自動車から輸入し
米国で販売していたLUV(Light UtilityVehicle)を自社製品として
1982年から販売を開始したピックアップトラック)のダッシュボードの上に
括り付けられたテープデッキから流れるジャック・カーマインお気に入りの
ロードテープの一曲がこのジミー・バフェットの
「Last Mango in Paris」
ジミー・バフェットの1985年のアルバム”Last Mango In Paris”に
収録されている”Last Mango In Paris”は世界中を旅し、
人が羨む生活を送ったキーウエストの伝説的バー・オーナー
Captain Tonyに捧げられている。
“Took the last plane out of Saigon”に主人公の実体験を、
常にボーダーでの暮らしを生き方の規範とする主人公の心を
次のような世界を駆け巡る経験への共感として描いていた。
“I had a third world girl in Buzios”
“I had a damn good run on Wall Street”
“I woke up dry beneath the Afrcan sky
Just me and my Swiss Army knife”
(Buziosはブラジルのリゾート地)
デッキのボリュームを最大に上げ、ミネソタの大平原を
クラクションを鳴らしながらジャックが大声で歌っていた
「Last Mango in Paris」
映像はあまりよくないが、ジミー・バフェットの「Last Mango in Paris」
O Céu de Suely(Love for Sale)スエリーの青空 自由気ままなあの時代
ブラジル映画では、日本の真夏の空をさらに輝かせた、
真っ白な積雲が澄んだ青い空を流れるシーンが印象的であるが、
この美しい空の下には、乾燥し、肥沃ではない過酷な大地で、
生きていく人々の苦難に満ちた生き様が隠されている。
大都市サンパウロから2,000Km(札幌から福岡までは約2,200Km)以上
北東に位置する、赤道に近く乾燥したセアラー州の街イグアトゥを
舞台にした本作、
Oi ビシクレッタは、隣接するバライバ州でう職が無く、家族を養うため
職を求めて一家7人がサンパウロを通過してリオデジャネイロまで
自転車でブラジルを縦断した物語であったが、
本作は、妊娠を確認してサンパウロに駆け落ちし、
若くして子供を持った男女が、
生活苦から物価の高いサンパウロでの生活に見切りをつけ、
故郷のイグアトゥで再出発を図ろうとしたが、
結局若い男は女を見捨てイグアトゥに戻らず、
若い女が一人幼児を育てる過程で、
彼女が選択した人生を描いている。
Man’s Jobを放棄した無責任な男。
二十歳を少し過ぎた年で、自由気ままに生きる事が
人生の喜びと思える時代であるが、
酒、踊り、そして男に現実逃避し、素面に戻った時に考える
子供、そしてこれからの人生。
英題の「Love for Sale」がこの作品の中で、自分を大切にする術を失い、
自分探しをする主人公の仮の名前“スエリー”の生き方である。
壮大な南アメリカ大陸の景色を、そこに住む人々、そして旅する若者の
心を同期させて撮影したロードムービー「モーターサイクル・ダイアリーズ」
そして、ブラジル北東部の家族と家族の争いを描いた名作
「ビハインド・ザ・サン」を監督したウォルター・サレスが制作に携わり、
本作が長編2作目となるカリム・アイノズ監督の手になる2006年の
ブラジル/ドイツ/ポルトガル/フランス合作映画。








