「エンド・オブ・ウォッチ」
殺人・暴行が日常茶飯事のロサンゼルス危険地帯で長年刑事の職を続ける中で
不正と正義の一線を越えてしまったベテラン刑事アロンゾ・ハリスを
デンゼル・ワシントンが、そしてハリス刑事との二人チームで実地訓練を開始した
新人刑事ジェイク・ホワイトをイーサン・ホークが演じた
「トレーニングデイ」
その徹底した悪役ぶりが高く評価され、本作でアカデミー主演男優賞を
受賞したデンゼル・ワシントンの名演技が印象に残る「トレーニングデイ」の
シナリオを担当したデイヴィッド・エアーの監督三作目がこの「エンド・オブ・ウォッチ」
舞台は同じくメキシコ系、アフリカ系アメリカ人、そしてメキシコからの
不正移民が多く暮らす、ドラッグ、人身売買等の犯罪が多発地帯の
ロサンゼルスの一角であり、二人チームをベテラン刑事と新人刑事のコンビから、
同年代の制服警官二人に変えて、死と隣り合わせでパトロールする
男達の友情を描いている。
地下鉄が市民の足となっているニューヨークやシカゴとは違う、
車社会のロサンゼルスならではの犯罪パターン。
ロサンゼルス自体がもつダイナミックなエネルギーと、
この街で日々犯罪と立ち向かう警官達の明日をも知れない日々を、
敢えて手振れが目立つハンディーカメラを多用した揺れ動く映像で、
好き嫌いは分かれるが、緊張感を高める。
主役の若い警官の一人ブライアンを演じるのは、
「ブロークバック・マウンテン」のカウボーイ役が記憶に残るジェイク・ジレンホール
そしてブライアンとチームを組む愛妻家で理想的な夫マイクをメキシコ移民の両親を
持つマイケル・ペーニャ。
本作は「ブロークバック・マウンテン」とは異なる意味での
男と男の永遠の友情の物語であるが、
ステレオタイプの人種対立、極悪集団との抗争の中で
友情を絶たれる二人の姿に
沢木耕太郎が本作を評して言う「死における不平等」を感じた。




