“SOLAS”「ローザのぬくもり」
スペイン南部のマラガにはCosta del Sol (コスタ・デル・ソロ=
太陽海岸)と呼ばれる、燦々と輝く太陽がその景色の一部である
美しい海に沿った地域がある。
このコスタ・デル・ソロは地名としてはスペイン南部であるが、
バルセロナに程近く、地中海に面したタラゴナ周辺の海辺も
“コスタ・デル・ソロ”に相応しい太陽に恵まれた美しい地域であった。
北部、中央部、南部、東部と色々な顔を持つスペイン。
経済的に豊かな欧州北部の国ドイツと比較すると、
豊かさでは全く及ばないが、5月のドイツの鉛色の空から
スペインの都市に降りると、青い空に“Sol”と呼ばれる太陽が
燦々と輝く、“Sol”の恵みに溢れた国であることを実感する。
その気候と共に、20世紀のスペイン文化の特徴は、
家族の繋がりにあったように思う、週末には孫を含めた
親子三代がゆったりと長い時間をかけて食事を共にする。
経済的には決して豊かではないが、
生活をそして人生を“楽しむ”ゆとりの文化がそこにはあった。
1999年にスペインのベニト・サンブラ「ノ監督が製作した
“SOLAS”(邦題:ローザのぬくもり)は人生に腹を立てなかった
“太陽”のような母の物語であり、この“太陽に”救われた
周りの人々、そして娘の物語である。
SOLAS=単独、ひとりきり、
自己中心的で妻を暴力で支配し、子供達には自分の人生観を
押しつけ、結果として子供達の人生に暗い影を投げかける、
そんな父が都会の病院に入院する事となり、
その介護のために娘マリアが暮らしている都会に
母ローサも一緒についてくる。
都会で荒んだ生活をしていたマリアに一人ではないと事を
もう一度教えてくれたのは母ローサであり、
ローサの人柄に惹かれた、マリアのアパートで階下で
愛犬と共に住んでいた老人との出会いであった。
文字は読めないが、豊かな感性を持ち、夫の暴力に耐え、
穏やかに生きてきたローサは心の中の“Solas”は押さえ込み、
周囲には“Sol”の温もりを与え続けた。



