『サイダーハウス・ルール』(The Cider House Rules)
ジョン・アーヴィングが自身の原作を映画化に際して大幅に凝縮した
脚本を元に、「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」のラッセ・ハルストレム監督が
舞台をスウェーデンからニュー・イングランドに移して、
大自然の中で成長する子供達の姿を
作品の心象風景とした『サイダーハウス・ルール』
舞台は海から遠く離れたニュー・イングランドの岡の上に立つ“孤児院”。
そこで生まれ育った青年が、院長と暮らし、外の世界を経験することで、
人生を学び成長する、1943年から約1年半の物語。
1948年から養護施設、1998年からは児童養護施設と呼ばれるように
なったがそれ以前は「孤児院」と呼ばれていた身寄りの無い子供達を
集団で養護する施設。そこで暮らす小さな子供達の望みは一刻も早く
里親にもらわれていくこと。
堕胎、近親相姦、一生社会の底辺で暮らすことが
宿命づけられ、規則に縛られた人々の狭い世界など深刻な問題を、
取り扱っていた本作であるが、切り取られ映像化された情景は
深刻ぶらず、感情を抑えた抒情詩のように美しい作品であった。
原題のサイダー・ハウス・ルールのサイダーは北米で一般的な
リンゴ果汁を原料とした飲み物で、
サイダー・ハウス・ルールとはリンゴを収穫する目的で南から北へ
移動する季節労働者達が住む小屋で労働者達に強制されるルール。
現場を知らない“おしきせ”規則“である。
常識に囚われない反骨精神を持ちながら
子供達には慈愛に富んだ父親をおだやかに演じ続けた
マイケル・ケイン、
海もロブスターも知らない青年を感性で演じたトビー・マグワイアと
子供達に社会を学ばせるには相応しい演技が光っていた。
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ひまわり 終戦の日
今日15日は67年目の終戦記念日。
セミの鳴き声が響き渡る正午、黙祷を捧げた。
終戦の年に誕生した方々も既に今年は67歳となり、
戦争の時代を生き抜いた日本国民は少なくなるが、
先のロンドンオリンピックでの韓国選手の行動にも
端的に現れていたように、第二次世界大戦が後世に
遺した影響は永遠に消し去る事はできない。
日本にとって敗戦の日となる8月15日は
韓国、北朝鮮にとっては、大日本帝国による朝鮮半島統治
からの“解放”の記念日であり、中国にとっては対日戦勝記念日
である。
2010年の中国映画「再会の食卓」は1945年の日本軍敗退後、
一丸となって闘ってきた国民党と共産党が覇権争いを繰り広げ、
台湾が中国本土と分断された結果生き別れとなった夫婦が
数十年ぶりに再会する、戦争に翻弄された人々の姿を描き、
ソ連に出兵し終戦後も戻ってくることの無かった夫を探しに
単身でソ連を旅した妻をソフィア・ローレンが演じた1970年の名作
「ひまわり」では戦争で人生を狂わされた人間の絶望そして
復活をえがいていた。
映画「ひまわり」では、ヒマワリの花が地平線まで広がる映像に
圧倒されたが、今朝の朝日新聞東京版で紹介され、早速見てきた
世田谷のヒマワリ畑のヒマワリも大小全ての花が太陽の方角に顔を向け、
たくましく咲き続けているその姿に“平和”“憎しみの無い世界”を
強く感じた。




