ヨウシュヤマゴボウ
高架駅である二子玉川駅の下に張られたフェンスに沿って
毎年同じ場所で実をつけている多年草のヨウシュヤマゴボウ。
完熟すると濃い赤紫色に色付く実が少しずつ大きくなってきた。
その名の通り明治時代に北米から帰化したとされるヨウシュヤマゴボウの
完熟した実は美しく強力な着色力を持っているが、
厚生省の自然毒のリスクプロファイルによると
「患者はヨウシュヤマゴボウの根を採取し、味噌漬け加工を行い、
後日それを7名で喫食した。その後、約2時間経過して嘔吐症状、
診察を受ける。
採取した患者はキク科「ヤマボゴウ(モリアザミ)」の詳細な知識は無く、
類似した名前であるヨウシュヤマゴボウが、市販されている「ヤマゴボウ」
材料と誤認食中毒に至った。」
との記述があるように、根や葉、果実には人体に毒性作用をもたらす、
界面活性作用のあるサポニン類のフィトラッカサポニン E
を主成分とするモルヒネを構成するアルカロイド類のフィトラッカトキシン
がふくまれてるが、有毒成分は煮沸により分解される。
その味について記憶にないが、毒性を知らない子供の頃、
この実の美しい色に誘われて食べた記憶があるヨウシュヤマゴボウ。
どうやらこの美しい実は鑑賞に止めておいた方が良いようである。
「カントリー・ストロング」
西部劇の新作数は激減しているが、
カントリー・ミュージックと呼ばれるカントリー&ウエスタンの
歌手を主人公にした映画は毎年コンスタントに制作され、
しかも良質な作品が多い。
苦節十数年、個性が強い演技派のジェフ・ブリッジスが
アルコールを手放せない老カントリーシンガーを演じて
アカデミー主演男優賞を受賞した「クレージー・ハート」、
リース・ウィザースプーンが薬物・アルコールに溺れていた
ジョニー・キャッシュを救い後に妻となるジューン・カーター役を演じ
アカデミー賞主演女優賞を受賞した
「『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(Walk the Line)等は
ストーリーと共に、観客と一体化した舞台、ダイナミックなリズムと
伝統的なコード進行に基づいて展開する心に響く数々の曲と、
俳優の演技を強力にバックアップするカントリー&ウエスタンが
魅力であり本作「カントリー・ストロング」もその系列に位置する。
過去にグラミー賞を度々受賞した人気カントリーシンガー ケリー役に、
アカデミー賞女優グウィネス・ケイト・パルトローを配した本作も、
ストーリー展開は過度のアルコール摂取により人生を狂わせた歌手の
舞台復帰への物語であり、ケリーの心との戦い、ケリーの周囲の人々の
愛憎の物語である。
アメリカ南部をルーツとし、南部アメリカ人の心の故郷カントリーミュージック。
この作品の冒頭流されるシルバー・ウイングも良いが、
中盤でさりげなく流れるカントリーの名曲ドン・ギブソンの「Sea of Heartbreak」が
実に良かった。
「アメリカの影」SHADOWS
ジャズベース奏者であり作曲家のチャールズ・ミンガスの名を
一躍有名にした1956年のアルバム「直立猿人」。
このチャールズ・ミンガスが音楽を担当し,
当時チャールズ・ミンガスと良くレコーディングをしていた
シャフィ・ハディ(SHAFI HADI)のサックスが
全篇に効果的に流れる「アメリカの影」
1957年版と1959年版の2バージョンが撮影された、
ジョン・カサヴェテス監督の作品「アメリカの影」は
ジャズの神髄であるIMPROVISATION=即興の
精神を作品に反映させ、低予算で、ジョン・カサヴェテスが
即興的に俳優に演技させた、
「ニューヨークのアンダーグラウンド社会で生きる
非遵法者の若者たち」を意味する
“ビートジェネレーション”の思想を強く感じる、
“実験的”作品である。
IMPROVISIONを成立させている主旋律は
“人種差別”と“落伍者”であろう。
16mmのハンディーカメラで切り取られた
モノクロのマンハッタン。
登場人物の名前と俳優の名前が同じ出演者達。
インディペンデント映画の分水嶺とも称される本作は
1950年代末のアメリカ文化を代表する作品である。


