長月3日の葛の花
雨戸を開けると涼しい風が吹き込んできた
9月第1週の今日。
二子玉川地区は約2週間振りの大雨で、砂漠のように
乾ききっていた多摩川河原が潤い、
繁茂しているセイバンモロコシやイネ科の長い葉に
水滴が残っていた今朝、
例年より少し早く、秋の七草クズの一番花を見つけた。
夏の間、蔓と大きめの葉が繁茂し、暑くるしさも感じるが、
初秋に咲くこの紅色と薄紫色の美しい野の花が
葛の命であろう。
葛の根を原料として面倒な製造工程を経て製造される葛粉は、
いまではその多くを中国からの輸入原料とし、
関東地区のくずもちの原料は殆ど精製した小麦粉デンプンであり、
子供の頃、寒い時期に食べていたくず湯は片栗粉(ジャガイモデンプン)から
作っていた。
この葛の花は秋を感じさせるテンプラの食材であり、
葛の花を見ると、学生の頃野草を食べることを旨としていた
“ナベの会”の秋ノ宮温泉合宿で目にした初秋の秋田の山野で咲いていた
沢山の葛の花を思い出す。
今週金曜日は早くも白露
ミケランジェロの暗号(Mein bester Feind)
1930年に生まれ、自らも10代で迫害を受けたユダヤ人脚本家
ポール・ヘンゲが自らの原作を脚色し、1960年生まれの
戦争を体験していないヴォルフガング・ムルンベルガー監督が制作した
ミケランジェロの暗号(Mein bester Feind)は
これまでのナチスによるユダヤ人迫害を取り扱った映画とはかなり
毛色の異なった“人間喜劇”の体をなす、夢物語に仕上がっている。
400年前にバチカンから盗まれたとされるミケランジェロの素描を巡って、
この幻の名画を国家戦略の為に利用しようするナチス
本作を所蔵するウイーンの豪邸に暮らしていたユダヤ人画商一家の
間で繰り広げられた物語は、
大戦前は親密に仲良く育った二人の男が
“Mein bester Feind”(My best Enemy)で表現されているように、
ナチスの台頭により支配者と被支配者と完全に違う道を、
時に立場を逆転させて歩んだ姿を“コミカル”に描く。
シリアスな映画ではあり得ない展開が繰り広げられる本作
ユダヤ人迫害の歴史の一面をこのように面白おかしく
オーストリア映画が表現することに戦後60数年の
歴史を感じるが、1998年のラン・ローラ・ラン以降、太陽に恋して、
素粒子、バーダー・マインホフ(理想の果てに)、ソウル・キッチン等で
いつも必ず独自の存在感を醸し出し、本作で主役のユダヤ人ヴィクトルを
演じたドイツ人俳優のモーリッツ・ブライプトロイそしてヴィクトルの父を演じ
パレルモ・シューティングでは“ヒツジ飼い(神)”を演じたウド・ザメルの
存在がこの映画の品位を高めていた。




