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キンモクセイ ホトトギス

キンモクセイの花の香りが街を漂う季節となった。

春から夏と、これまで葉が茂っているだけだった枝から小さな

花芽が大きくなり始め、まもなく町中に芳香が漂うようになる。


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キンモクセイの花の香気成分はこの花の持つ遺伝子により

微妙な割合で調香されたエステル類とテルペン類。


高濃度では刺激臭の強い酸類とアルコール類が反応すると、

フルーツの香りの主成分でもあるエステル類が生成する。

接着剤のセメダインや除光液の成分である酢酸エチルのように

高濃度のエステル類は時に強い臭気を持つが、

希釈され、他の香気成分と微妙なバランスをとることで

最適化され芳香成分へと変化するエステル類。


これから美味しくなるリンゴの香りもエステル類であり、

ミカンの皮をむいて立ち上る香気はテルペン類。

微量の天然化学物質が食のみならず生活全体に潤いを

与えてくれている。


独特の模様が楽しい秋の花ホトトギス。



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シャリンバイの実が濃紫に色付いてきた。





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リンカーン弁護士


ハリー・ボッシュ刑事ではなくミッキー・ハラー弁護士を

主人公にして陪審員裁判の盲点を暴いたマイクル・コナリーの

16冊目の長編「リンカーン弁護士」。


フォード・モータースにより製造・販売されている

アメリカを代表する高級車リンカーン。

固定した事務所を持つことなく、リンカーンの後部座席を

事務所として広大なロサンゼルス郡に点在する多くの裁判所を

行き来してこまめに弁護報酬を稼いでいる弁護士ミッキー・ハラー。


このミッキー・ハラー弁護士のもとに、ある日突然、

地元の資産家の息子が被疑者とされる傷害事件の

弁護依頼が舞い込む。


無罪を勝ち取ればこれまで取り扱ったことのない

莫大な弁護報酬が見込まれるこの事件を勝ち取るため、

陪審員裁判に勝利することが可能なあらゆる手を

駆使して裁判所で検察と渡り合うミッキー・ハラー。


現行の刑事裁判陪審員制度では、極端に言えば、被疑者が

実際に犯罪を犯したかどうかは問題ではなく、

有罪とする証拠の妥当性・正当性に重点が置かれ、

証言、証拠に疑義があると陪審員制度の下では

必ずしも有罪とは判断されない。


次作の「真鍮の評決」でミッキー・ハラーと

ハリー・ボッシュの関係が明らかにされるが、

ハリー・ボッシュとはまた違った形で、自分の信念を

大人のやり方で貫き通すミッキー・ハラー。


「真鍮の評決」では被疑者が正義の手で裁かれるが、

本作ではミッキー・ハラー自身が罠にはまってしまう。


映画化されるだけの面白さを持つ本作。

映画のリンカーン弁護士も観てみたい。




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「メランコリア」


憂鬱症の意味を持つ「メランコリア」。


人間が心の奥に隠し持つ病的な精神を

独特の映像として観客に提示する作品を次々と

制作しているラース・フォン・トリアー監督の2011年の

作品「メランコリア」は「ドッグヴィル」にも通じる

閉鎖された空間で自分の心と対峙する人々を

美しい映像と対比させて描いている。


地球の破滅前夜という状況設定の中で、

自己破壊の衝動を持つ女性ジャスティンを主人公に、

ジャスティンを見守る裕福な家庭に嫁いだ姉クレアと

妹同様独自な世界観を持つ母を嫌うクレアの夫達が

終焉に向けてどのように消耗しあるいは復活するのか。

母ギャビーを演じたシャーロット・ランプリングが

全身から醸し出す世紀末の雰囲気。

「アンチ・クライスト」でもラース・フォン・トリアー監督と

組んだシャルロット・ゲンズブールが徐々に狂気に向かい

メランコリアを発症していたジャスティンを演じるキルスティス・

ダイストは徐々に正気に近づく。


ラース・フォン・トリアー監督が愛するワグナーの

「トリスタンとイゾルデ」が鳴り響き、

手持ちカメラが不安定化さをかきたてる。


終焉を意味するラストシーンはこのうえなく美しかった。



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