花まんま
朱川 湊人が2005年に直木賞を受賞した短編集を原作とし、
前田哲監督が18年あまりの準備期間を経て映画化し、2025年に公開された作品。
妹が生まれてすぐに父を亡くし、女手一つで育ててくれた母を早くに亡くした兄妹を、
有村架純、鈴木亮平が期待に違わぬ表現力で魅せてくれる。
映画化された作品は、酒向 芳が演じる、幸福を手に入れる寸前の娘を殺され
絶望の中に生きる父親が、娘の力で再び生きる力を得られるファンタジーに思えた。
結婚式を数日後に控えた繁田喜代美は事件に巻き込まれ、殺されてしまう。
娘が殺された時間に平然と食事をしていた自分を責め、
食べ物を受け付けなくなってしまう父親。
事件で瀕死の喜代美を救急救護室に運ぶストレッチャーと、
急に産気づき病院の車椅子で分娩室に運ばれる主人公フミ子の母が
病院で一瞬すれ違う。神様はこのわずかな瞬間にある企みを実行する。
両親を早く亡くし、兄と妹で暮らす俊樹とフミ子。
寅さんとさくらのようなこの兄妹、兄は妹を大切に育てる。
娘の不幸の後、食事を受け付けなくなり、骸骨のように
痩せてしまった繁田喜代美の父仁美。
今は亡き喜代美の父は、神様が仕組んだ巧みな仕掛けで、フミ子により、
生きる希望を取り戻す。
原作にはないというラストの結婚式の場面で、
兄が妹のために、これまで兄として、父親、母親から託されてきた
妹への思いを心から絞り出す兄・鈴木亮平の姿は、これまで妹につらく当たって
きた兄・鈴木亮平の家族に対する本当の想いが完璧に表現されていた。
少女の遊びの花のお弁当 「花「まんま」が生けるものと、死ねるものの
心を結ぶ。
「Quand vient l'automne」 <秋が来るとき>
「人生も残り少ないから仲良く過ごしたい。孫にもあいたい。」
この言葉が重要なカギとなる本作は、
監督・脚本共にフランソワ・オゾンの2024年の作品。
「誰にでもやり直すチャンスはある。」
生きている間は、最後までやり直すことが出来なかったが、
会えなくなってから、(やり直し)ができた母と子。
人生をやり直すことができた、母の親友の息子。
特筆すべきはパリから離れたブルゴーニュの秋の森の美しさ。
自然豊かなこのブルゴーニュで一人で暮す80歳のミッシェル。
オゾン監督の2002年の作品『8人の女たち』での若々しく活発な
姿が印象に残る、リュディヴィーヌ・サニエが、母を<憎む>娘役。
オゾン作品常連の彼女が、監督の意図する母と娘の感情の機微を
巧みに演じている。
辛酸を舐めつくして生きてきたこれまでの人生。
やっと手に入れた心豊かな日々。
残り少ないミッシェルの人生を、悔いのないように生きる夢を
オゾン監督はかなえてくれる。
二子玉川 どんど焼き
暖かな冬の日差しに恵まれた今日1月18日、二子玉川の兵庫島から
多摩川河原を徒歩で15分ほど上流に歩いた「きぬたまあそび村」緑地で
毎年恒例のどんど焼きが行われました。
今年で37回目となる、地元の世田谷区鎌田南睦会主催のこの
どんど焼き、この地域でしばらく吹き荒れた強風の中約50人の
ボランティアの共同作業で櫓が組み立てられたそうです。
お正月飾りのお焚き上げと、以前は成人式と連動した
神事の意味を持つこの行事。櫓の前には,神酒、スルメ、昆布、
米、塩、地元野菜などが飾られ、以前は参加者全員にお神酒あるいは
甘酒が配られました。
全員で、今年1年の無事息災を祈り、二礼二拍手一礼の後、
点火されました。
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