ヨーロッパ建築巡礼記 改 デザインで豊かな生活を -125ページ目

竣工


新築の事務所建築が竣工しました。20坪の平屋で運送会社の事務所になります。先日の記事で紹介していた赤のガルバ部分は正面外観の玄関部分の屋根ボリュームです。会社のカラーということでここまでの赤の外壁は初めての経験でした。最小限のアクセントにしてボリュームの構成に気をつけました。本日カメラマンによる写真撮影も終了し無事竣工です。

ディター・ラムス


ドイツプロダクトの父と呼ばれるディター・ラムス。
家電デザインに革命をもたらしたドイツのメーカー「BRAUN」。その中では昔から時計のデザインがとてもいいなと思っていてインテリアなどでどこに置いてもいい意味でのさりげない存在感があり実物の質感も良くかっこいいプロダクトです。



MoMAにも永久所蔵されているこちらのクロック
大きさも小振りで邪魔にならないのでどこにでも気軽に置けます。
こちらは1987年のデザインですが色褪せないデザインです。


2014年に発表されたデジタル表示のものもデザインの流れは崩さず綺麗なプロダクトです。


キッチンの水栓

キッチンはいつもクライアントの使い勝手に合わせて空間とも調和するように製作していますが、水栓、コンロ、食洗、換気扇などの設備器具の選択にはクライアントの好みが個性として出ます。潜在的にどのようなデザインを好むかによって全体としてどのラインがお好みかがある程度掴めてきます。

先日地鎮祭を終えて着工の現場でもこれからキッチン詳細図を書いていきますがその前に水栓を決めていただきました。今回の候補は3つ。

こちらは水を出すために操作する部分が限りなく細くシャープにデザインされたもので水栓自体の質感としてステンレスが選択できるタイプ。




こちらはシンプルな形状で少し小振りなサイズ感。素材もステンレスの選択肢があるものです。




こちらはデザインをしている人なら誰もが知っている世界的デザイナーのフィリップ・スタルクがデザインしたアクサースタルクシリーズのキッチン水栓。




最終的にはスタルクの水栓に決定しました。ご主人は通常水栓ではあまり見ることがないステンレスの質感のものがご希望でしたが奥様の一声でスタルクに。
水栓と調和するようモダンでミニマルデザインのキッチンに仕上げていきます。

教え子との時間

先日、約10年前に教えていた教え子と食事に行ってきました。
大学を卒業してヨーロッパへ建築を見る旅に出かけて日本に帰ってきてから設計活動を始めた時に高校時代の恩師から連絡があり、高校生に教えてみないかとお誘いを受けたのが2005年の23歳の時。

最初は1年契約で常勤の講師として内地留学する先生の代わりにフルタイムの勤務で高校教師を経験させていただきました。その時の教え子で大学でも引き続き建築設計を学び、今27歳となった教えていた時の僕の年齢も超えた彼は建築の世界で頑張ろうとしていました。

一年間の教員生活では校務は総務を、部活動はテニスを、教科は建築関係の様々な科目を。いろんなことをやらせてもらいましたが、せっかく教えるのであれば一人でも建築設計に夢を持ってくれればと思っていました。

一年間の契約で終える予定でしたが、二年目は教科だけの非常勤として引き続き教え、その中でも設計で頑張ってる教え子がいます。三年目は自分が建築家として専念したい思いからお断りし実質自分が関わった高校生は140人ほどでしたが10年経った今でも記憶としては鮮明に残っています。

僕自身が大学生の時に教えてもらった恩師の建築家から学生に対して「ライバルを育てている」という言葉を残していただき感銘を受けたことから、上からではない対等に学んでいければ建築家を目指してくれる学生も出るのではないだろうかと信じて高校生に接していました。

10年前に教えた生徒にこの10年で自分が経験してきたことを話したことで、これから先の5年後、10年後、自分が目指す建築を改めて考える良い機会をもらえてとても有り難く嬉しい時間でした。

生徒たちが高校を卒業して大学生をしていた時の夏休み、僕の好きな建築を見せたくて連れて行った直島旅行の写真、およそ8年前です。
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グエル公園


ガウディのパトロンでもあったグエルの名前が冠されているグエル公園。今ではお馴染みのトカゲなど観光地として大盛況ですが計画は波瀾万丈だったようです。
19世紀末のイギリスで起こった田園都市計画に傾倒したエウセビオ・グエルがバルセロナの郊外地に15ヘクタールの土地を獲得しガウディに依頼しました。
計画は60区画の住宅をつくり、それに加えて市場や広場、野外劇場などのユートピアを作るといった内容でしたが事業は失敗し1区画だけが分譲され、そこに2戸の住宅が建設されただけで計画は終わります。


グエルの死後、1922年にバルセロナに寄付されて、現在の公園の姿となりました。


カラフルなこれらのタイルは割れた廃材のセラミックタイルを使用されています。


広場はドーリス式の列柱によって持ち上げられた人工地盤で、その下はこのような空間になっています。この大きな柱の内部には雨水が通るように計画され地下の空間に貯水できる仕組みです。




グエル公園はタイルによる装飾的な空間ばかりではなく、ガウディの真骨頂とも言える自然の造形的な空間も見所です。高台に位置する敷地環境であることからバルセロナを眼下に望めます。もちろんサグラダファミリアも綺麗に見下ろすことができます。


山側に傾斜した柱によって支えられたヴォールト空間は合理的に山の土圧を受け止めアーケードとして歩行空間としても利用されています。グエル公園は建設当初のグエルが理想とした田園都市として実現はしませんでしたが、人工造形と自然の融合が楽しい憩いの空間として今も多くの人々に愛される空間となりました。