「思考を鍛える」という前時代的な考え方だと新人流出は止まらない〜新人研修の「最近の若者は・・」 | HSP2.0・育成者、支援者、サポート者のための〜非認知能力アップ実現のためのポリヴェーガル理論理解

HSP2.0・育成者、支援者、サポート者のための〜非認知能力アップ実現のためのポリヴェーガル理論理解

敏感、繊細、感受性の高いHSP(highly sensitive person)が、生まれ持った感性と強みを仕事に活かして生きていくことをサポート。
日本で最初にHSPとポリヴェーガル理論を結びつけ、生きづらさは自律神経系のケアで解消できることを説いている。

・国家資格キャリアコンサルタント

・Gallup認定ストレングスコーチ

・TRE(トラウマ&テンション・リリース・エクササイズ)国際認定アドバンスプロバイダー

・自我状態セラピー(パーツ心理学)セラピスト 

皆川公美子です。これまでにのべ7,100名ほどの方のご相談を伺ってきました。

 


最近以下のような主旨の記事を見かけました。

 

 

 人事研修担当さんの記事に多少のショックを受ける。


企業の新人研修を担当された方が感じたこととして以下のような記述を見かけました。

 

▼(最近の子は)体力がない

まず率直に感じたのはこの点。人によって差はありますが、例えば終日研修をすると15時くらいの休み時間には、机にうつぶせ寝をする方が増えました。
→身体的な体力も、思考の体力(集中力)ももう少し鍛えなければならないと思います。

 

▼抽象的なテーマに関する議論、語るのが好き

SDGsとか、夢とか、そんな類の議論です、はい。会社もそういうことを謳っているので駄目とかそんなことではないです。
→おっしゃる通りなんですが、なんかフワッとしている感が否めないです。まぁ、そもそもがフワッとしているから仕方ないんですけど。

▼良いところを見つけて他者を認めます、なので自分も認めて

自分たち出来ていたよね、と周囲への共感を求め、同質化を求めます。傷つくことを最小限にしたいです。今までの人生、叱られたことが無いので、という人が本当に多かったです。
→うーん、もうちょっと強くなってほしい。傷つくことを恐れていたら、成長しないと感じる。

 

説明以上。

これを見てざわっとしてしまう方はいらっしゃいますか?

若い子をネガティブに見ているところにショックを受けた方もいらっしゃるかもしれないし

ああ、「最近の若いもんは」という典型的なコメントだなあと思った方もいたかもしれません。



上記は経営側から見たらそのとおりでしょうし、
これまでの厳しい人生と社会を生きぬいてきた方の
鍛えられた精神から見たら、若者がふわっとしているように見えるというのも

そのとおりかも。

 

 

ただ、わたしはこの理由でざわつきを感じています。



それは

時代が変わっている。

標準とする人間の神経状態が変化している?

です。

 

 

 ストレス社会からトラウマ社会へ

 

 

こちらの記事に詳しく説明しました。

 

 

 

心理学や対人サポートの世界では

1990年代から

 

ストレス社会から
トラウマ社会へと

変容しているのではないだろうか。という議論が起こっています。

若者たちの自律神経の標準が

 

血気盛んな交感神経状態から

無気力で元気のないシャットダウン状態へ移行しているのではないか。

 

 

ということです。



もちろん個々人によって神経状態は大きく違いますし

全員を十把一絡げにしてはいけないとは思うのですが

全体のカラーとして、という話です。




1970年代はデモとか決起集会とか

若者がアクティブに血気盛んに上の世代や

既得権益に対して

挑んでいくようなさまが

社会的な「普通」でした。

 

 

↑わかりやすくとは思ったけど多少古すぎるし、極端な例かもしれませんm(_ _)m

 

 

 

時代はかわり、現代の若者は

「とても平和でいい子が多いかわりに
挑んだり戦ったりするメンタリティとは離れた子が多く

同質化を求めます。傷つくことを最小限にしたい」
と上記の研修担当者は感じていました。

 

 


 
これはもともとの神経系が

多少、背側迷走神経優位(無気力や元気・活気が少ない状態)になっているのではないかと

推測できます。

 

↑このグラフ下側の感じです。

 

 

シャットダウンの状態(トラウマ化)よりはもう少し手前の状態と思いますが

そのクオリティを感じます。


「正解を求めすぎ」というのもどこかに書いてあったのですが
相手に対して

自分を主張するより

服従のメンタリティが強いとき
無気力になったり

活気が少なくなったり

します。

 

正解を自分で探したい!というより
手っ取り早く正解を教えてよ、、、というスタンスです。


 
今の若者が服従的かどうかは

人にもよるし、なんともいえませんが
全体的な時代の空気として
反抗するより長いものに巻かれていよ、という

空気感は確かに強いのかもしれませんね。
 
 

社会がストレス(交感神経状態から逃れられない状態)社会というより

トラウマ(感情が凍りつきを起こしている)社会に傾いているとしたら

鍛えてあげたほうがいい!という思想は逆効果であり、

安心を与えてあげる工夫が必要
 ということになります。

安心を与える工夫とはなんでしょうか。
 
例えば新人研修でしたら

・仲間をよく知るワークとか(社会的つながりの神経=腹側迷走神経刺激)
 

・自分の強みをよく知るワークとか

・社内の構造やメンバーを紹介してもらって自分の居場所が予測性のあるところになるとか
 
・自分の担当する仕事は社内の仕事のなかでどの部分にあたるのか理解できるとか
 
そういうことかなと思います。

いきなり課題や目標を与えられて
鍛えられる方向性で

だめだ!そんなんじゃ!と葉っぱをかける方向だと

現代の若者はすぐやめてしまうと言われるのは

 

ひとえに自律神経状態が

 

「限界!ここにはいられない!」と最大危機の

身体反応を起こすからではないでしょうか。

 



「危険の匂いが色濃い、ふわ〜っとリラックスして安心している人が少ない
神経状態のなかで育ってきて

(社会の空気の影響を受けて)
会社で厳しく問い詰められると

身体が逃げる!の反応を起こす」という状態であるような

気がしてなりません。
 
自律神経状態で理解すると
若者の行動は

 

しごく当然な正当な行動であることが理解できます。

動物とは生命を守るための神経の防衛反応に守られていて、
人間も同じであります。

 

 

まずは安心の状況を作る。
これをやって個人の状態が落ち着いたあとに

目標設定。

 

これが標準化すると

若者の人材流出問題は違う局面を迎えるかもしれません。

 

 

Z世代と言われる子どもたち含め

ピラミッド型支配型の社会に

ついていけなくなっている人がとても多くなってきているとも

感じます。

 

そしてもっと言われていただければ

それこそが

「安心安全」をベースとする社会の

基礎なのかもしれません。

 

 

 

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