d-マガジンを読んでいたら、週刊ポストのコラムで、横山剣さんがこの曲を紹介していました。
少し引用します。
横山剣・昭和歌謡イイネ!
Disk101
ショービズの光と闇を紡ぐラテン曲
バリー・マニロウの『コパカバーナ』は、この曲がリリースされた78年から現在に至るまで、ディスコのフロアを沸騰させるキラーチューンとして、人気を博し続けてきたラテンナンバー。
タイトルは、ブラジルのリオデジャネイロにある有名なビーチのことかと思いきや、実は、この曲においてキューバのハバナにあると設定された、架空のナイトクラブの名前なんですよね。
しかも、歌詞の内容は悲劇。このクラブのショーガールと男性店員との恋が、彼女をめぐるトラブルの末、彼が銃で撃たれて落命したことで終わってしまう――。
そのダンサブルな曲調から、陽光きらめく浜辺で繰り広げられるラブアフェアを歌っているものだと勘違いしていたので、とても意外でした。言われてみれば、この曲には、じんわり暗い影を感じます。
夜の世界には、光と闇がある。その両面を描いた『コパカバーナ』は、確かなリアリティを帯び、歌詞を解することのないリスナーの胸にまで迫るのかも。
舞台のモデルは、ニューヨークに実在する同名のナイトクラブ「コパカバーナ」でしょう。
昭和の時代は、東京の赤坂にも「コパカバーナ」がありました。後にインドネシアのスカルノ大統領に嫁ぎ、デヴィ夫人となった根本七保子さんが在籍していたことでも知られる高級店です。
その他にも「ニューラテンクォーター」「ミカド」など、当時のあの界隈には、贅を尽くしたナイトクラブがひしめいていました。
(以下省略)
まずは、聴いてみましょう。
●コパカバーナ バリー・マニロウ
(英語歌詞)
Her name was Lola, she was a showgirl
With yellow feathers in her hair and a dress cut down to there
She would meringue and do the cha-cha
And while she tried to be a star, Tony always tended bar
Across a crowded floor, they worked from 8 till 4
They were young and they had each other
Who could ask for more?
At the Copa, Copacabana
The hottest spot north of Havana
At the Copa, Copacabana
Music and passion were always the fashion
At the Copa, they fell in love
His name was Rico, he wore a diamond
He was escorted to his chair, he saw Lola dancin' there
And when she finished, he called her over
But Rico went a bit too far, Tony sailed across the bar
And then the punches flew and chairs were smashed in two
There was blood and a single gun shot
But just who shot who?
At the Copa, Copacabana
The hottest spot north of Havana
At the Copa, Copacabana
Music and passion were always the fashion
At the Copa, (Ohhhh!) she lost her love
Her name is Lola, she was a showgirl
But that was 30 years ago, when they used to have a show
Now it's a disco, but not for Lola
Still in the dress she used to wear, faded feathers in her hair
She sits there so refined, and drinks herself half-blind
She lost her youth and she lost her Tony
Now she's lost her mind!
At the Copa, Copacabana
The hottest spot north of Havana
At the Copa, Copacabana
Music and passion were always the fashion
At the Copa, don't fall in love
(和訳)
女の名はローラ、ショー・ガールなんだ
黄色い羽を髪に飾り、短くカットしたドレスを纏って
メレンゲやチャチャチャを踊る
彼女がスターを目指し頑張る傍ら
トニーは混み合うフロアのバーで接客し
8時から4時まで働いた
共に若く、心が通い合う二人…
それ以上、何を望む?
[Chorus:]
At the copa (CO!) Copacabana (Copacabana)
ここは、北ハバナで一番の人気スポット
At the copa (CO!) Copacabana
音楽も情熱も、いつだって流行の最先端
At the copa.... 二人は、恋に落ちた
男の名はリコ、その身にダイヤを飾ってる
席に案内されると、奴はローラの踊りを眺め
ダンスが終わると彼女を呼び寄せたが
ちょっと、“戯れ”が過ぎた
すると、トニーがバーを飛び出し
何発のパンチが飛び交い、椅子は真っ二つ
一発の銃声が響き、そこには鮮血…
誰が、誰を撃ったというのか?
[Chorus:]
At the copa... 女は、最愛の人を失った
女の名はローラ、ショー・ガール…
でも舞台に立ったのは、30年も前のこと
今じゃ店はディスコに取って代わられ、彼女の出る幕もないけれど
相変わらず“あのドレス”を纏い
髪には、色褪せた羽飾り…
女はそこに閑麗と座り、ひとり酒に酔っている
若さを失い、愛するトニーを失い
今も、失った心を取り戻せぬまま…
[Chorus:]
At the copa... 恋なんて、するものじゃない
恋なんて…
(@hontoha_Agataさんがこの動画に寄せたコメントの「自分用 和訳歌詞」より)
歌詞を知った上で、あらためて曲を聴いてみると、しみじみとしてきます。
いい曲ですね。
獅子風蓮