2024年10月半ばに一人で巡った鳴子温泉郷の湯修行旅シリーズ、その11。
初日のお宿「二宮荘」の温泉話を。
本編の前にまいどのここまで行程リンク集からどうぞ。
川渡温泉「民宿旅館 二宮荘」、チェックインした<到着編>の続きは温泉のお話。
川渡温泉 民宿旅館 二宮荘 <温泉編>
部屋は2Fにあったが、浴場は1F。
浴場は男女別に内湯が1つずつ。
入れ替えは無し。
チェックイン時に入浴は16時半からと案内があったので、若干フライング気味に浴場へ到着。
表記では17時からとなっていた。
しかも23時迄。
朝のチェックアウト前の入浴需要には応えられないのがこちらのお宿なのですよ。
ただしこれは源泉温度が低めで加温が必要なための処置と推測。
おそらく源泉自体はずっとかけ流されており、23時以降加温が無くなるということではないか。
この辺のお話は後ほど
とりあえずこの日の浴場一番乗りは確保
ただし数分も経たぬ内ににぎやかな山愛好家グループが入ってきた。
なので以下の写真は夕食前と夕食後(独り占め)の双方の写真が順不同で出てきますのであしからず。
その当日一番乗り状況の浴槽がこちら↓。
規模は3人ぐらいまでの小ぶりなサイズ。
白い結晶か泡だまりみたいなのが浮いておりました。
振り返った入口。
洗い場はシャワー付きカランが3セット。
カランから出るのは源泉ではなく真湯、真水。
ではその源泉のお話。
淡い黄褐色透明な湯は源泉名が「二宮源泉」。
どこからどう見ても自家源泉
源泉温度31.1度、pH7.2の単純温泉。
成分総計は0.5777g/kg。
高め温度の源泉が多い鳴子界隈にしてはこの源泉温度は逆に貴重か。
そして川渡温泉というよりかは東鳴子温泉の湯に近い泉質。
これは休業中(閉業か)の中鉢温泉などにも通じる感じ。
もう一つ同じ傾向の湯と言われる「みやま」にも立寄るつもりが滞在中は臨時休業だった模様(現在はしっかり営業中)。
話を戻し、この湯を加温してかけ流しにて使用。
浴槽の規模から考えるとしっかりとしたオーバーフロー。
黒っぽい沈着もよい景色
加温された浴槽の温度を測ってみると。。。
40.3度とややぬるめ適温。
必要以上に加温する必要はないので、まずはよい塩梅でしょう。
浴槽自体にも沈着があって湯の色が分かりづらいので白い洗面器と比較。
さらに真湯とも比較。
まあ色味の具合はお分かりいただけでしょうかね。
淡いアブラ臭と淡いタマゴ臭、淡い金気臭あり。
淡い揮発系のアブラ味と甘味も。
非加熱状態で再確認したいもの。
加温された湯口の温度を測ってみると。。。
43.1度ほどになっていた。
しっかりとしたツルスベ感あり。
さらに加温されているのに泡付きも確認
中性の単純温泉にしては個性がしっかり際立つ源泉
ステキなモール泉でしょう
こうなればどうしても非加熱の状況で入ってみたい。
先に示したように、こちらの入浴時間は23時迄。
それ以降は加温をやめるだけで源泉は投入しているのではないかと思い、女将さんに確認。
まさにその通りとのことで、加温無しの状態で朝に入ってよいかお願いしてみたら承諾いただけた。
ただし洗い場の方も加温してないと言われるが、その辺は全く問題ないことを伝える。
もちろん毎回非加熱状況で入れるかは分からないので、あくまでこの時はラッキーだったと解釈させてもらい、お礼を言ったのでした。
なのでいつも同じ対応になるとは限らないことをご理解ください。
翌朝6時に浴場へ。
もちろん男女の入れ替えなどはされてなく、手前の男湯へ。
昨日には気づかなかった、浴室内には淡いタマゴ臭がこもっておりました
加温時よりも澄んだように見える源泉がしっかり湛えられてますよ
では非加熱の状況の温度を測ってみると。。。
28.8度とぬるいというよりかは冷たいと感じるレベルだったけれども、もちろん望むところ
しっかり完全かけ流し状態のオーバーフローも確認。
それでは非加熱の状況写真に載せて源泉の成分数値を簡単に抜粋。
陽イオンはナトリウムが78.8mg、カルシウムが12.5mg、マグネシウムが5.7mg、カリウムが4.1mg、アンモニウムが3.2mg、鉄Ⅱが1.0mg、マンガンⅡが0.3mgなど。
陰イオンは炭酸水素が213.3mg、硫酸が52.8mg、りん酸1水素が17.6mg、塩化物が7.3mg、よう化物が1.2mg、ふっ化物が0.4mg、硫化水素が0.4mgなど。
非乖離成分はメタケイ酸が159.8mg、メタホウ酸が1.0mg、メタ亜ヒ酸が0.4mg。
溶存ガス成分は遊離二酸化炭素が17.6mg、遊離硫化水素が0.3mg。
単純温泉ながらバリエーションに富んだ成分バランスにニンマリ
念願の非加熱状態での風味チェック。
淡いタマゴ臭、淡い金気臭、僅かなアブラ臭あり。
淡いタマゴ味、淡い金気味、甘味、僅かなアブラ味をチェック。
アブラ風味は非加熱だと少し目立たなくなるかも。
やや喉の引っかかり感があった。
非加熱湯口の温度を測ってみると。。。
28.5度と浴槽とほぼ同じ。
浴槽の方が加温した湯のニュアンスが残っていた分、少し高かったのかも。
しっかりとしたツルスベ感のニュアンスはほぼ同じ。
そして非加熱でももちろんしっかり泡付き、ありました
温度は低いながら、個人的にはやはり十分に値打ちのある非加熱源泉完全かけ流し
無理言って入れさせていただき、ありがとうございました。
次はこの宿のお話最後、食事編を。
川渡温泉 民宿旅館 二宮荘
宮城県大崎市鳴子温泉字馬場136
0229-83-3778
一泊二食付 7850円 (1人泊)
※2025年現在は料金改定あり
<源泉名:二宮源泉>
単純温泉(低張性・中性・低温泉)
31.1度
pH7.2
成分総計 0.5777g/kg
淡黄褐色透明
揮発系の淡アブラ臭、淡タマゴ臭、淡金気臭あり
淡アブラ味、淡タマゴ味、淡金気味、甘味あり
しっかりとしたツルスベ感あり
基本は加温かけ流し
泡付きあり
2024年10月入湯
※数値はR5の分析表より