2020年10月後半に相方と行った北陸旅行。
金沢駅でレンタカーを借りてまず向かったのが富山は氷見市の「指崎温泉 民宿いけもり」。
そして氷見漁港の「魚市場食堂」で絶品のキトキトな魚たちをいただいた。
次に向かったのが石川県は七尾市の崎山半島。
能登島に食い入るようにちょろっと出ているエリアだ。
この半島の中ほど、長閑な風景にポツンとある一軒宿が「湯川温泉 龍王閣」。
全国にいくつかある湯川温泉。
こちらは鎌倉時代の古文書にも湯河という名前で確認でき、古くから湯の里として知られていたらしい。
元の源泉は宿から少し離れた崎山川の川べりに湧く冷鉱泉で、戦後からは公営の湯治場営業がされていた。
昭和47年にこちらの創業者が権利を買い取り宿を開業。
平成に入り元の源泉の湧出量が減り、宿のすぐ下を掘削して二号泉をゲット。
平成5年にその源泉に切り替え、現在に至っているとのこと。
小高い丘のようなところにある宿の手前にはしっかり駐車スペースあり。
建物では宿の看板より「ありがとうございます」が目立っていた。
湯川温泉 龍王閣
14時半頃に到着。
旅館だが立寄り入浴も広く受け入れており、近所から通う人も多い。
8時半~20時と立寄り可能時間も長い。
火曜日が定休で、このためこの旅の温泉巡り日程を調整したのだ。
立寄り入浴料金は600円。
玄関周りには新聞記事の切り抜きなどが多く掲示されていた。
ショーケースにある異形の物体、これは源泉による析出物かと思ったら。。。
オーナーさんの鍾乳石のコレクションだそうだ。
それでは浴場へ。
途中にあった年代物のマッサージチェアは現役っぽかった。
浴場は男女別に内湯が1つずつ。
常連っぽい先客が1人いた。
脱衣所にも鍾乳石のコレクションが
やっぱり源泉由来かと思ってしまうよねぇ(^-^;
浴室へのガラス戸は2つあり、途中踊り場みたいなのがある。
脱衣所に戻る前にここで身体を拭いてってことか。
入って右手が洗い場、左手が浴槽。
浴槽の規模は3~4人ぐらいか。
洗い場はカラン&シャワーが3セット。
源泉は出ず、真水と真湯がでた。
洗い場の右端に椅子や桶がまとめられている。
このあたりは地元の共同浴場っぽく使われている感じがする。
では源泉のお話。
湯は浴槽では黒っぽく見えるが、実際はほぼ無色~淡く白っぽくささ濁っている。
源泉名は「湯川温泉(2号源泉)」。
源泉温度51.3度、pH6.9のナトリウム・カルシウム-塩化物泉。
成分総計19.23g/kgの高張性の湯だ。
掘削自噴で71.2リットル/分の湧出量がある。
掲げてあった分析書は源泉を変えた平成5年当時のものなので、分析からかなり経っているため実際は若干変化があるかも。
浴槽には「空心」と彫られた石が掲げられていた。
ちなみに女湯は「色心」らしい。
そっちの方がいいぞ。
湯使いは加温循環併用のかけ流し。
浴槽ではオレンジ色系の湯の花を多数確認できた。
源泉の内訳を少し拾うと、陽イオンではナトリウムが5055mg、65.68ミリバル%、そしてカルシウムが2169mg、32.32ミリバル%と、この2つでほとんど構成されている。
陰イオンは塩素イオンが11670mg、99.79ミリバル%とほぼすべて。
炭酸水素イオンが37mgほど申し訳程度にあるぐらい。
遊離成分ではメタケイ酸が116.3mg、メタホウ酸が42.8mgとなっているが、総計からみると特筆すべき数値でもない。
ライオン湯口がなかなかの存在感だった。
淡い金気臭っぽいニュアンスがあった。
強い塩味、強い苦味がする。
浴槽の底からの投入もあり、そこからの投入が泡をまとうため、循環ながら少し泡付きあり。
まあ通常の泡付きとは分けて考えた方がよいかもしれない。
塩化物泉らしいスベスベ感があった。
ガッツリとした塩化物泉であり、かなり効きそうな湯だ。
七尾市の湯と言えば和倉温泉があまりに有名だが、こちらの湯もしっかりとした存在感のある源泉だった。
湯川温泉 龍王閣
石川県七尾市湯川町47-35-1
0767-58-1117
立寄り入浴料 600円
8:30~20:00
火曜定休
<源泉名:湯川温泉(2号源泉)>
ナトリウム・カルシウム-塩化物泉 (高張性・中性・高温泉)
51.3度
pH6.9
成分総計 19.23g/kg
71.2リットル/分(掘削自噴)
ほぼ無色透明~淡白ささ濁り
淡金気臭あり
強塩味、強苦味あり
スベスベ感あり
加温循環併用かけ流し
2020年10月入湯
※数値はH5の分析書より