民宿ぶなこを後にし、少しだけ戻る。
前日は立寄れなかった嶽温泉に向かった。
起源は300年以上前に遡る、由緒ある温泉でもある「嶽温泉」は、7~8軒の宿が並んでいる。
以前は共同浴場もあったらしいが、今はない(現在の公衆便所のところだったらしい)。
その中で最初に立寄ったのが、素朴な構えの「西澤旅館」。
二食付きでも自炊でも泊まれる宿だが、朝8時から日帰り入浴も受付けている。
嶽温泉 西澤旅館
着いたのは8時20分頃。
どうやら一番風呂をいただけそうだ
立寄り入浴料は350円。
素朴な入口だったが奥行きはけっこうあり、浴場は一番端であった。
浴場は男女別に内湯が1つずつ。
露天風呂はない。
明るい脱衣場には先客はおらず、結果的に終始独り占めで湯をいただけた。
それでは浴場内へ~。
淡いモスグリーンの床と壁にシンプルな小タイルでの浴槽、しかもエンジ色の縁取り
思わず声を上げてしまう、ストライク浴場である
洗い場はシャワー付きのカランが3台並ぶ。
捻ると出るのは真湯なのは、浴場のドアに貼ってあった通り。
淡く白濁した湯は、源泉名「嶽温泉(嶽温泉旅館組合4~5号集湯槽、6~8集湯槽)」。
各宿に配湯されている混合泉である。
源泉温度は48.2度、pH2.03の、酸性・含硫黄-カルシウム-塩化物泉。
成分総計は2.991g/kg。
混合泉だが、それぞれ自噴しているらしい。
余談だが、嶽温泉となれば福島の岳温泉も思い出す
あちらも淡く白濁しており、やはり同じくpH2台の酸性泉。
ただし岳温泉の方は含硫黄ほどに硫黄量は無い。
さて、西澤旅館の方に戻り、湯使いは完全かけ流し
しっかりとしたオーバーフローがあるのがお分かりだろう。
トドれるレベル
僅かにブルーがかったようにも見える淡い濁り方は、湯がまだ新鮮な証拠であろう
やはり朝一の源泉は気持ち良い。
この青味がかりと関係あるかは分からないが、ちなみにメタケイ酸は213.1mgある。
小タイル浴槽は断然透明な湯がよいと思っていたが、ここは気に入った
では湯の印象を。
源泉は無色透明。
コクのある硫黄臭がする。
強い酸味、収斂味、少し苦味も感じられた。
しっかりとしたスベスベ感がある。
湯自体が非常に柔らかく、包み込まれる感じだ。
そして温度が41度ぐらいと、とにかく大変気持ち良い
白い湯の花が大量に舞っていたのも、硫黄泉ならでは。
実際、ずっと入っていたくなるぐらいに気に入った湯であった
このときの青森の湯シリーズ3日目最初、ここに来て初めての硫黄泉は、浴場の雰囲気とも相まって、実に幸先いいスタートとなった
嶽温泉 西澤旅館
青森県弘前市大字常盤野字湯の沢15
0172-83-2754
立寄り入浴料 350円
<源泉:嶽温泉(嶽温泉旅館組合4~5号集湯槽、6~8集湯槽)>
酸性・含硫黄-カルシウム-塩化物泉(低張性・酸性・高温泉)
48.2度
pH2.03
成分総計 2.991g/kg
自噴
淡白濁(源泉は無色透明)
コクのある硫黄臭あり
強い酸味、収斂味、淡苦味あり
白い湯の花多量
しっかりとしたスベスベ感あり
完全かけ流し
2016年10月入湯
※数値はH24の分析表より