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それが知りたかった!貿易の小さな疑問のいろいろ

なかなか載っていない、貿易の小さな疑問を解決します。

 

 

 

 

毎年、定期的に起こるストライキ

 

 

今日は、ちょっと一息☺

本線から外れた小話をしようと思います。

 

 

今年は、世界的にあちこちでストライキがあった印象です。

その背景には、「物価高騰」の要因があるのですが。

それに加えて、コロナ禍で海運業界はここ3年、予想もしない「価格高騰」があったんですね。

 

運賃が急激に、信じられないほど😲上がったので、それに便乗して

港湾業者も「賃金を上げてくれ📢」と声をあげたのです。

この動きは、日本だけではなく世界のあちこちで見られました。

 

港湾荷役、運送業、海外では鉄道業にまでそのストライキは及びました。

外国では、運送ルートのひとつに鉄道が大きな役割を担っていますので、

一時的に混乱した国もあったようです。

 

日本では毎年1回、春になるとストライキが実施されます。

主に港湾労働者の賃金値上げを要求するもので、日本港運協会(日港協)と労使交渉が

行われます。

この交渉が決裂すると、港湾労働者はストライキを実行し、各港の作業を止めてしまうのです。

何度か、交渉の席が設けられ、「決裂」「妥協」でストライキは終わります。

この交渉が長引けば、それだけ荷役の停止も長引きます。

 

船は運航スケジュールの要因だけではなく、このような要因でも遅延を引き起こします。

 

数年前から、韓国ではドライバーによるストライキも実施されており、

今年はそのニュースも大きく取り上げられていました。日本でも報道されていましたね。

 

海運業界の運送だけでなく、韓国全ての運送に影響を及ぼしたようで、

"コンクリートやガソリンの供給問題が深刻だ"と言われていましたね。

これに対して、政府は「運送しないなら、罰金だ」という命令を出したそうです。

火に油を注いでるような気がしましたが・・・。

 

このストライキも2週間ほどで、妥協したようです。

今回ばかりは心配になって、韓国の友人に聞いてみましたが「ニュースで騒いでいるような事態までは今のところなってない」と呑気な返事でした😅

 

 

春が来ると、毎年、「春闘の時期だなー」と思ってしまいます。

 

 

困ったときは「こびと」を思い出してください🧙‍♀️

 

 

 

輸入って結構、大変なんです・・・!

 

 

今日は、船が到着するまでに必要な準備についてのお話です。

 

 

<輸入の流れ>
①船積み書類の入手
②スケジュール確認
③輸入通関準備
④A/N入手、配送手配
⑤輸入申告、納税、輸入許可
⑥D/Oリリース
⑦貨物引取り

 

 

③輸入通関準備

 

さて、船の到着が分かったら輸入申告および納品予定などの準備をします。

輸入申告は、貨物の金額もしくは重さに対して税金が発生します。

その税金(パーセンテージ)を確定させるために、輸入する貨物の様々な情報が必要です。

 

そして、この税金は税番(HSコード)というもので、税関から決められています。

 

私たちも、収入に対して所得税を徴収されていますね。

それと同じように、輸入貨物に対しても税金が徴収されます。

 

基本的には、商品代とそれを輸入するために発生した費用が課税対象ですが、

一部、穀物など物によっては価格ではなく重量に対して課税されるものがあります。

 

HSコードは大分類だけでも97類に及んでおり、さらに細かく分類されているため、

なかなか、ご自身や自社で手続きするのは難しいと思います。

そのために、HSコードを確定させ、輸入申告を代行する通関士の存在があります。

 

ただ、絶対にご自身で出来ないわけではなく、直接税関に相談に行けば、

親切に教えてくれます。

また、「事前教示」と言って、事前に税関に税番を問い合わせることもできます。

 

税金を正確に確定させなければならないため、通関士は責任重大です☝

 

なお、輸入品に税金がかかるのは、国内の産業を守るという目的があり、

日本における産業の規模に比例して、税額の低い、高いが設定されています。

 

輸出の場合は、「輸出統計品目」という名目でしたが、

輸入の場合は、「実行関税率表」という呼び名になります。

 

これは、HPでも見れますが分厚い1冊の本にもなっています。

↓↓↓

 

 

例えば、「靴」👞の場合で見てみましょう。

大分類でズバリ、その項目がある物もあれば、抽象的な大分類しかないものもあります。

 

靴はズバリ、大分類が64類にあります。

そこを開くと、下記のようにさらに中分類、小分類と続きます。

 

くるぶしを覆うか、本底と甲の材質によって分類が分かれ、税率が違ってきます。

 

 

 

このように、輸入する物によって税率を確定するための必要な情報が違ってきます。

輸入する点数が多い場合や、税番が細かく分かれているものなどは、

申告手続きまでにその全てを確認しなければなりませんので、時間を要します。

 

そういうわけで、船が入港するまでにこの税番を引くための準備があります。

その際にINVOICEとPACKING LISTが必要なのです。

 

輸入品によっては、税率が「無税」のものもあります。

また、表中に協定がたくさんありますがこれは日本と諸外国で結んでいる協定により、

その関税が撤廃もしくは低く設定されている、というものです。

 

これも国や物、量によってもそれぞれ決まりがあり、その協定を適用するには

「原産地証明」と言って、産地を証明する書類原本が必要な場合もあります。

書類原本が提出出来ない場合は、その税率は適用できませんので、

原本の到着がどうなってるのか、貨物が到着するまでに原本が入手できないのであれば、

どの税率で申告するのか、など様々な確認を要します。

 

輸入は税金が関わってることから、輸出手続きより確認事項も多く、

慣れるまでは、思った以上に時間がかかるかもしれません。

 

輸入申告の準備と共に、貨物を引き取るための準備として、B/Lの種類も確認しておかなければなりません。

 

 

貨物引き渡し時

B/L ORIGINAL→原本が必要、原本の到着は何で送られ、いつ頃なのか

◆B/L Surrender→何も必要ない

◆SEA WAYBILL→何も必要ない

 

 

 

 

なお、通関業者に委託した場合でもこの辺りの確認は輸入者と輸出者の間で

行わなければなりません。

あくまで、通関業者は「代行業」ですので、その答えは全て「輸入者」へ確認することに

なっています。

 

④へ続く

 

 

困った時は「こびと」を思い出してください🧙‍♀️

 

 

 

 

 

 

H/BLのスケジュールは、どうやって調べるか?

 


前回に引き続き、今日もNVOCC関連についてのお話です。

<輸入の流れ>
①船積み書類の入手
②スケジュール確認
③輸入通関準備
④A/N入手、配送手配
⑤輸入申告、納税、輸入許可
⑥D/Oリリース
⑦貨物引取り


②スケジュール確認

 

突然ですが、みなさん飛行機に乗る時を思い浮かべてみてください。

 

自分で予約手配した場合は、共同運航でも、自分の予約した航空会社がどこなのか分かりますね。
でも、旅行会社のパッケージなどで予約した場合は、どこの飛行機会社なのか、
旅行会社からの書類で確認します。
この時、コードシェア便でその「便名」しか載ってなかったら、どこの航空会社でチェックインすべきなのか、すぐには判別できないと思います。

 

便名だけを見て、わかる人はよっぽどのマニアではないでしょうか(笑)

 

 

H/BLもそれと同じことで、H/BLには船会社の情報が載っておらず、手がかりとなるのは

「本船名」ぐらいなのです。


ですが、その本船が「アライアンス」での運航で、ひとつの船に複数の船会社が貨物を載せていた場合、本船名だけで船会社を特定することができません。

船会社にはB/L NO.コンテナNO.からトラッキングできるシステムがありますが、
混載業者には、そのトラッキングシステムがありません。
加えて、H/BLにはH/BL NOがありますが、この番号でも貨物を追跡することもできません。
 

トラッキングするには「船会社」を突き止めてM/BL NO.もしくはコンテナNO.でしかトラッキングができないのです。
このM/BLの情報は輸入申告する際に、必ず必要になる項目でもありますので、
どちらにしても調べておかなければなりません。


また、全世界にNVOCCはかなりの数が存在していますので、聞き慣れない業者名もたくさんあります。
NVOCCは船会社同様に、日本と海外で必ず、現地法人もしくは現地代理店があります。
つまり、輸入地に「受ける相手」が必ず居ます。

 


船会社の場合は、この「現地の相手」が割と分かりやすいのですが、
NVOCCの場合は、複数の会社の代理店を担っていたり、初めて聞くような業者もたくさん居ることからなかなか、全体を把握することが難しいのです。


そこで、H/BLには大体、「AGENT INFORMATION=到着地の連絡先」という、

日本ではどこの会社にコンタクトしたらいいのか、という情報が記載されています。
M/BLには、この情報は記載されません。

M/BLとH/BLに記載してある項目自体は、いずれも同じです。
HB/L上の下記色付け部や下部の余白部分などに「現地法人もしくは代理店情報」が記載されています。

 

 


最近は少なくなりましたが、昔はこの連絡先を記載してないことが多く、調べる手立てが

なくて途方に暮れることがありました・・・。
当時は、現在のようにネットの情報も整備されていませんでしたので、スケジュールを調べるのに一苦労する時代でした。
(懐かしい🤧)

中国の内地からの貨物などで、未だに連絡先の記載が無いこともあります。
その場合は、SHIPERに聞くか、④のA/Nを待つか、しかありません。

④は追って、詳しく説明します。

NVOCCのB/L発行については、でそれぞれ協会があります。
もし、興味があればサイトを覗いてみてください。
 

🚢海:JIFFA⇒https://www.jiffa.or.jp/
🛫空:JAFA⇒http://www.jafa.or.jp/


このように、H/BLが発行されている貨物(NVOCCが間に入っている)のスケジュール確認は、
やや複雑で手こずるかもしれません。
最悪、到着を急いでなければ血眼になってスケジュールを調べる必要はありませんが、
やはり、貨物がいつ頃に着くか、ぐらいのおおよその日にちは把握しておきたいものです。
自社で輸入される場合も、業者として仲介に立ってる場合でも、確認しておきた事項ですね。

私は、まったく手掛かりが見つからない場合はコンテナ番号の頭(アルファベット)

シール番号の頭(アルファベット)でよく、船社を割り出します✌


実は、コンテナ番号の頭(アルファベット)でも判別つかない時があるので、

シール番号が一番確実だと密に思っています!<(`^´)>
コンテナ番号の頭についても、また別でお話しするつもりです。

積替え地や、到着地に入ってくる本船名およびおおよその入港日の目途が立ったら、
③輸入通関の準備に入ります。

明日は③の説明です。

 

 

困った時は「こびと」を思い出してください🧙‍♀️

 

 

 

 

 

B/Lを見ても、船社がわからない・・・?

 

 

引き続き、今日は②スケジュール確認です。

 

 

<輸入の流れ>

①船積み書類の入手
②スケジュール確認
③輸入通関準備
④A/N入手、配送手配
⑤輸入申告、納税、輸入許可
⑥D/Oリリース
⑦貨物引取り

 

 

②スケジュール確認

 

B/Lがどこの船社のものかが分かれば、貨物のトラッキングで

おおよそのスケジュールを調べることができます。

 

●どこの船会社の船に載ってくるのか?

B/Lから、どこの船会社か判別できる場合をお話ししました。

続いて、「判別できない」場合について、ご説明します。

 

判別が難しいのは、B/LのSHPER・CNEE混載業者の場合です。

今日はこの、「混載業者」についてです。

 

 

混載業者って?

 

船を運航する船会社、飛行機を運航する飛行機会社があります。

これに加えて、船も飛行機も持っていない輸送業者というものが存在します。

フォワーダー(FWD)、NVOCC(エヌブイオシーシー)、混載業者、などと呼ばれます。

また、NVOCCを略してNVとだけ呼ばれたりもします。

 

ここでは、NVOCCに統一します。

覚えなくても良いですが、Non-Vessel Operating Common Carrierの略です。

外航を利用するので、日本語では「非船舶運航業」となります。

 

NVOCCは輸送手段を持っていませんが、船会社や航空会社の輸送を「利用して」

実際の荷送人の貨物を引き受けて、輸送責任を請け負います。

これは、日本の外航利用運送事業というものに該当し、自身では輸送手段がなく、

輸送手段を持っている運送人を「利用する」というものです。

 

では、具体的にもう少しわかりやすく説明します。

 

あなたがお店を経営していて、海外から仕入れをするとします。

ある程度の貿易に慣れているのであれば、自身で仕入れ会社との交渉から、

船積み、輸入手続きから配送までの手配が可能です。

でも、あなたが「買うための交渉しかできない」場合はどうでしょうか?

 

船や飛行機のどちらがいいのか、最速で届く方法はどれなのか、

運送中の貨物に何かあったら、契約したもののちゃんと届くのか、など。

たくさんのわからないことや不安要素があるはずです。

 

そこで、登場するのがNVOCCなのです。

彼らは、あなたの希望に従って代わりに運送手配を請け負ってくれます。

 

「とにかく安く仕上げたい」、「何より納期を優先して最速で受け取りたい」、

「積み地からの輸送に関わる費用を全部、日本で払いたい」など、

様々な要望を、あなたに代わってNVOCCが引き受けてくれます。

 

なんとなく、イメージできたでしょうか?

分かりやすく例えるなら、「旅行会社」のような存在です。

 

このNVOCCは、船社のサービスを利用してあなたの荷物を船に載せます。

あなたの代わりに、船社へブッキングを入れます。

つまり、船社から見ると「あなたの貨物」ではなく「NVOCC」の貨物となるわけです。

 

船社はブッキングを受けてる「NVOCC」宛にBOOKING NOを採番し、

B/Lを発行します。

 

 

この一連の流れを「SHIPPER=NVOCC」が行います↓↓

 

 

 

そして、そのNVOCCの貨物の中に「あなたの貨物」があるのです。

あなたは、NVOCCと輸送契約を結んだことになりますので、B/LはNVOCCから発行されます。

 

そこで、NVOCCの有無を識別するために、B/Lの種類はMASTER B/L(M/BL)HOUSE B/L(H/BL)STRAIGHT B/Lの3つに区別されています。

 

 

 

◆STRAIGHT B/L

船社が直接実荷主=ACTUAL SHPER/CNEEの名前で発行するB/L

 

◇MASTER(OCEAN) B/L

船社がNVOCCの名前で発行するB/L

 

◇HOUSE B/L

NVOCCが実荷主へ発行するB/L

 

 

「◆STRAIGHT B/L」の場合は、船会社の名前やロゴが入ったB/Lを直接、荷主がもらいます。

そのため、容易に船会社を判別することができます。

 

「◇HOUSE B/L」の場合、荷主は「混載業者」のB/Lをもらうので、B/Lの会社名やロゴは

「混載業者」のものとなります。

つまり、船会社の名前やロゴが入ったB/Lは混載業者が持っているのです。(M/BL)

 

 

では、混載業者が入っているとなぜ、船会社が判別できないのか?

明日は、それについてご説明します。

 

 

 

困ったときは「こびと」を思い出してください🧙‍♀️

 

 

 

 

 

輸入の具体的な手続き

 

 

さて、今日からは輸入の話に入ります。
輸出と逆の流れなのですが、最初は輸出と輸入の切り替えが難しいかもしれません。
やることや流れは同じですので、輸出の話を交えながらお話していきます。

混同しないように読んでみてください☺


輸入は、日本から海外の会社などに発注をして、飛行機もしくは船で日本に貨物が到着します。

(輸出の時の輸出者と輸入者が、そのまま逆になります)
 

日本は輸入過多なので、世界各国からたくさんの物を輸入していますね。
我が国を代表する自動車産業でさえ、その部品は海外から仕入れています。
海外の会社から物を買うのはもちろんですが、同じ会社の海外支店から「物流の一貫」として
貨物を動かすことも、輸入
になります。


今回も船の場合で、輸入の流れを見ていきます。
 

<輸入の流れ>

①船積み書類の入手
②スケジュール確認

③輸入通関準備
④A/N入手、配送手配
⑤輸入申告、納税、輸入許可
⑥D/Oリリース
⑦貨物引取り


①船積み書類の入手
現地での貨物の船積みが完了すると、下記の書類が先方から届きます。
どれも税関に必要な書類なので、不足していれば現地から取り寄せなければなりません。
(輸出時に、B/Lと関係書類を先方に送りましたよね?それと同じことです。)
 

・B/L
・INOVICE
・PACKING LIST



②スケジュール確認
輸入で必要な3種類の書類は輸出で登場したものと同じです。
B/Lが届いたら、まずは船がいつ到着するのか、スケジュールを確認します。


●どこの船会社の船に載ってくるのか?
これは、B/Lを見てすぐにわかる場合と、まったくわからない場合があります。
見てすぐに分かる場合は、B/Lに船会社の名前が入っています。
船会社が分かれば、B/L番号かコンテナ番号でCARGO TRACKING(貨物追跡)をします。
各船会社の貨物は、自社のHPで検索できるようになっています。

→別途、一覧にしたものもありますのでご希望の方はご連絡ください!

 

HPを開いてTOPページから検索できるものや、「E-SERVICE」というカテゴリーの中から

トラッキングに入っていくものなど各船会社によって仕様はそれぞれです。

トラッキングをしてみても航路が長いものだと、先のスケジュールまでは出てこない場合もあります。
船の航海は長いもので1ヵ月から2ヵ月を要することもあります。

B/Lには積載本船が記載されていますが、必ずしもB/Lに記載されている本船で到着地に入ってくるわけではありません。

遠洋からの航海の場合はどこかの港を経由地として本船を積み替える場合があります。
 

厄介ですよね😓


トラッキング照会で、積み替える港や積替え後の本船名、その後のスケジュールなども

見ることができます。
この積み替えのことをトランシップ(T/S)と言います。

そのT/Sが行われる港のことを、積替え地ハブ港と言います。
飛行機で海外に行く場合もトランジットがありますね。それと同じようなイメージです。

積み地にもよりますが、T/S地はHONG KONG(HKG)KAOHSIUNG(KHH)BUSAN(BUS/PUS)SHANGHAI(SHA)などがあります。
各地の港は3コード(スリーコード)と言って、3桁の英字+国コード2桁で表記が

統一されています。(例:JPTYO、JPOSA、KRPUS、CNSHAなど)

経由地でT/Sされる船は必ずしも、同じ船会社の船とは限りません。
飛行機にもアライアンスという共同運航が存在するように、船にもアライアンスがあります。
そのアライアンス以外にも、スペース借りやフィーダー船が利用されます。


フィーダー船とは、主なT/S地から地方へ向けて運航している船のことです。
大きな船は、日本の小さな地方の港にはキャパシティの問題で寄港できません。
その度に、自社で小さな船を運航していては、コストが莫大にかかってしまいます。

だからと言って、地方港向けの貨物を断ってしまうと、船会社は航路がかなり限定されてしまうのです。
そこで、既に地方港へ寄港している船会社のスペースにお金を払って自分の貨物を運んでもらいます。
このような形態のことを「フィーダー船利用」と言います。


また、積替え地は外国の港に限らず、日本国内の港でも積替えられます
その多くは神戸港での積み替えです。

 

余談ですが、日本は「神戸港」をハブ港にする計画があったんです・・・。

そういうわけで、日本の中では神戸で積み替えされることが多いのですね。

世界的に大きなハブ港に成長したひとつに、韓国の釜山港があります。

 


外国から入ってくる船のことを「外航船」、日本国内を回っている船のことを「内航船」と言い、それぞれの船の役割を区別します。
例えば、外航船で神戸に揚がった貨物を、神戸で内航船に積み替えて西日本の地方港へ揚げるようなこともあります。

どこで、どの船に積み替えるかなどは、全て貨物を引き受けた船会社が決定します。


ちょっと複雑でわかりにくかもしれませんが🥲
パターンは4つです。
1.自社の本船で直行で到着する
2.アライアンスの船で経由地でT/Sされた船で到着する
3.フィーダー船で経由地でT/Sされた船で到着する
4.日本の港で陸揚げされ、内航船で到着する



アライアンスやフィーダー船の場合、船を運航する会社は別の船会社ですが
貨物の管理は、船積み地から最終の引き渡しまでB/Lを発行した船会社が行います。
T/Sで別の運航船社の本船に積載したからと言って、途中で貨物の管理者(船会社)が変わることはありません。

なお、トラッキングした内容は、船が到着するまでは確定ではありません
一旦、トラッキングで表示された内容でも、経由地やT/S本船およびスケジュールは、その時の船会社の事情などにより変更されることも多々あります。
本船の遅れなどで直近にならなければ、到着予定が分からないことがほとんどですので、
船の到着までこまめにスケジュール確認をすることが必要です。

明日は、トラッキング時の「船会社が分からない場合」についての説明します。

 

 

 

困った時は「こびと」を思い出してください🧙‍♀️

 

 

 


 

 

 

 

 

大事なB/Lには、どんなことが書いてある?

 

 

今日はB/Lの中身をひとつ、ひとつ見ていきます🔍

 

B/Lの全体は、下記のような配置と項目が一般的です。

 

 

 

 

 

<項目とその意味>

()は略語で使われるものです↓↓


1⃣ SHIPPER(SHPER):輸出者の名前と住所
2⃣CONSIGNEE(CNEE):輸入者の名前と住所、連絡先(担当者名)
3⃣B/L NO:貨物および書類の追跡番号
 

 

--NOTIFY PARTY(NTFY)--:荷受け通知人
CONSIGNEE(輸入者)以外に連絡が必要な場合の連絡先、もしくはCONSIGNEEの代理人
取扱いの通関業者を入れる場合もあります。
 

 

4⃣-①PLACE OF RECIEPT:貨物の荷受地
    PORT OF LOADING(POL):貨物に積出地
このふたつの違いは、船会社のオプションで貨物を受けた場所から必ずしも積み込む訳ではないために設けられています。
例えば、大阪と神戸は距離が違いことから「貨物は大阪で受けて、船の出港は神戸から」というような場合があります。

 

これは、船を近距離のふたつの港に入出港させるより、ひとつの港にまとめることにより、

船会社は時間や費用を減らすことができるという利点もあるのです。

もちろん、離れた港でも船会社の手配で積出地まで、貨物を移動させることもあります。

 


4⃣-②PORT OF DISCHARGE(POD):貨物の荷揚地
      PLACE OF DELIVERY:最終荷渡地
荷受地と同じことで、最寄りの港で船から貨物を揚げたあと、船会社の手配で最終地まで運びます。(前項の神戸-大阪港間など)

いずれもブッキングの際に、荷受地や積出地が違う場合はその内容でブッキングコンファメーションが出されます。

最終荷渡地については、船会社発行のB/Lに記載されることはまれです。
基本的に、船会社は自分たちの船が寄港する港までしかブッキングを受けません。

 

航路の少ないスケジュールを探すより、航路の多い最寄りの港から目的地を探すことも、

賢明な手段です🙆→これはまた別でお話します。


4⃣-③VESSEL:積載本船名
    VOYAGE(V.):航海番号

通常は同じ航路を同一もしくは複数の決まった船で運航しています。
そのため、2週間前に入ってきた船と2週間後に入ってきた船が同一だった場合には、

船の名前だけでは区別できませんよね?

「いつの船」という区別をするために、本船名にプラスで番号をつけて区別します。

これをVOYAGE NO=航海番号と言います。
このVOYAGE NO.は船会社が独自に決めるもので、特段の決まりはありません。
数字だけや、数字とアルファベットの組み合わせなど様々です。
同じ本船で同一日の輸出入でも、航海番号が違います。
(例えば、12/12 東京入港=V.1234S , 12/12 東京出港=V.1234N
 

船は港に入港して、出港します。

入港する時に貨物を船から降ろす=輸入降ろしたところに輸出の貨物を積んで出港する=輸出となります。

このように、同じ日の入出港で輸入と輸出の区別をするためにも、VOYAGEが必要なのです。
 

 

5⃣-①CONTAINER(CONT) & SEAL NO/MARKS:コンテナ番号&シール番号/貨物のケースマーク
コンテナには外から見て、容易に識別できるように番号がついています。
その形態はアルファベット4文字+数字7桁と決まっています。
また、最初のアルファベット4文字は各船会社で登録しており、コンテナ番号の頭のアルファベットを見れば大体どこのコンテナか分かるようになっています。
 

コンテナは箱型で、後ろ部分がトラックのように開閉式の扉になっています。
そこに、輸出者が貨物を積めたあとに封印をします。この封印のことを「SEAL(シール)」と言います。
貨物は世界の国を渡るものなので、輸出者が責任を持って中身を確認し、詰め、到着地に着くまでに勝手に開けられないように、また抜き取られたりしないようにSEALをします。

いわゆる、鍵のような役目をするものです。


このSEALは、船会社が提供するものでコンテナ番号同様にシール番号の頭でどこの船社か判別できます。
SEALには、板シールボルトシールの2種類があります。

そのひとつずつに、番号があり、コンテナ番号とシール番号は貨物が輸出者から輸入者に渡るまで、必ずセットで管理されます。
板シールの場合は切断、ボルトシールの場合は専用の工具がないと切れないようになっています。

 

積んだ時のSEAL NO.と到着した時のSEAL NO.は当然ながら、同じはずです。

もし、違っていたり、SEALが無かったりした場合、船会社はその理由を把握しておかなければ

なりません。

それほど、このSEALも大事なものです。

 


5⃣-②DESCRIPTION OF PACKAGES AND GOODS:積載する貨物の商品内容と個数
5⃣-③GROSS CARGO WEIGHT(G/W):積載する貨物の梱包後の重量
5⃣-④MEASUREMENT(M3):積載する貨物の容積
5⃣-⑤TOTAL NUMBER OF CONTAINERS OR PACKAGES:積載するコンテナの合計本数、もしくは貨物の合計個数
 

--FREIGHT&CHARGES--:海上運賃と諸チャージ
輸出者負担でも、輸入者負担の場合でも、あまりここに運賃を表示することはありません。
「FREIGHT AS ARRANGE」という文言になっていることがほとんどで、

AS ARRANGEを取って「アズアレ」という言い回しがされます。
運賃やチャージ関係は、B/Lとは別にDEBIT NOTEで請求がありますので、ここに載ってなくても問題ありません。
また、輸出者が商品代に運賃込みで手配している場合は、詳しい海上運賃など相手に知られたくもないですよね!

 


6⃣-①PLACE OF ISSUE:B/L発行地
6⃣-②DATE OF ISSUE:B/L発行日
6⃣-③SHIPPED ON BOAD DATE:本船積載日
6⃣-④SIGN AS CARRIER OR AS AGENT:船会社もしくは船社代理店の署名

B/Lに記載してある情報は、どれも大事なもので実務面でも必要なものばかりです。
少しずつ、視覚から配置とその意味を覚えていきましょう。

 

文字だけで覚えようとすると、なかなか難しいので貨物やコンテナ、船が動いてるのを

イメージをしながら、その中でのそれぞれの役割や言葉を当てはめていくことを

おススメします☺

明日は、ついに?ようやく?輸入のお話に移ろうと思います。(たぶん!笑)

 

 

 

困った時は「こびと」を思い出してください🧙‍♀️

 

 

 

 

 

B/LとSEA WAYBILLって、何が違うの?

 

 

一通り、輸出の流れが終わりました。

終わったと言っても、ざっくり簡単にお話しましたのでこれから少しずつ、

あちこちに肉付けが必要です💪

 

貿易業の専門用語や知識って、ひとつを話すのにあちこちに飛び火しなければならないので

いっぺんに全部を理解しようとすると、あっという間にわけがわからなくなって、

投げ出したくなります(笑)

 

何について読んでいたのかを見失いかねません😨

 

なので、ゆっくり少しずつ出てきた言葉や内容に付け足していって、立派な知識に

仕上げていくことが、私の目標とするところです!

 

さて、今日はB/Lについてもう少し詳しく知ってい頂きたいと思います。

 

B/Lが何の略語でどんな役割を持っているか、覚えていますか。

まだ、すぐに思い浮かばない方は、もう一度、こちらに戻ってみてくださいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

B/Lには、実は2種類あります。

ひとつは、先にお話ししたBill of Lading(通称:船荷証券)です。

もうひとつは、SEA WAYBILL(海上運送状)です。

 

B/Lと同様に裏面には「約款」の記載がありますので、運送契約を結ぶ点は共通です。

大きな違いは、SEA WAYBILLには流通性が無いため、B/Lのように原本がなくても

貨物の引取りが可能になるということです。

 

SEA WAYBILLは、貨物引き渡し時の原本は不要ですが、

運送契約を結んだことには変わりありませんので、この原本にもやはり印紙が貼られます。

実際にSEA WAYBILLで原本のやり取りがされるということは、ほとんどありません。

当然ながら、B/LであったSURRENDER(=元地回収)のようなものもありません。

 

B/Lは、宅配便でいう運送状のようなもの、とお話しましたが

これにとても近いのがSEA WAYBILLです。

 

通常、業務の中で使用する中ではB/LとWAY BILLを区別して言うことはありませんが

貨物引き渡しの際には、この種類がとても大事になってきます。

 

 

<貨物引き渡し時>

◆B/L→Surrender or オリジナルの確認が必要

◆SEA WAYBILL→何も必要ない

 

 

つまり、書類の呼称はいずれの種類の場合も一括りに「B/L」で使用しますが、

実際の業務を進める中ではBill of Lading なのか SEA WAYBILLなのかは必ず

確認し、知っておかなければならないポイントです。

 

SEA WAYBILLのことを、そのままWAY BILLと言うこともあります。

この「SEA」がついているのは、特に「海上」ということです。

 

飛行機で輸出する際もやはり同じようにB/Lと呼ぶものがありますが、

これをAIR WAYBILLと言って、海上と航空で区別しています。

ただ、飛行機の場合は「有価証券=B/L」のようなものはなく、このAIR WAYBILLの1種類のみです。

 

 

●飛行機→AIR WAYBILL

●船→B/L or SEA WAYBILL

 

 

そして、このB/LにはB/L NO.=B/L番号とういう追跡番号がついています。

 

航空会社から発行されるB/L(WAY BILL)のB/L NO.は、頭の数字3桁で、

それぞれの航空会社が決まっています。

 

船会社から発行されるB/L(WAY BILL)については、特に統一性はなく

それぞれの船会社の独自のB/L NO.になっています。

(数字だけのものや、アルファベッド+数字など)

 

 

船と飛行機では呼称も違いますが、発行者にも違いがあります。

 

 

●飛行機=混載業者と呼ばれる業者

●船=船会社

 

 

宅配便を出すとき、各社に送り状のフォームがあります。

それを持っているのは「船会社」だけで、航空の場合は複写式の共通様式のものを使用しています。(一部、航空会社指定の様式があります)

 

飛行機の書類はこのAIR WAYBILLまで業者が作成して、カット時間までに

差し入れするというシンプルなものです。

 

一方、船はこれまで見てきた通りにB/L発行までにいくつかのプロセスがありました。

船の方が、圧倒的に書類のやり取りが多いのです🥲

下記がB/L発行までに辿る書類です。

 

 

①S/I(Shipping Instruction)

②Check B/L

③Debit Note/Freight Memo

④Surrender request

⑤B/L

 

 

ここまで、B/Lの機能面について見てきましたので、明日はB/L書面の中身について

お話しようと思います。

 

 

困った時は「こびと」を思い出してください🧙‍♀️

 

 

 

 

 

これで、貨物も書類も船積み完了!

 

 

今日は最後の⑩についてのお話です。

 

 

<海上輸送の流れ>

 

船社へブッキング
貨物、書類の準備
貨物を指定先へ搬入 
-----カット日までに完了------
輸出通関
輸出許可

--------------------------------

船積み

 


書類がどのように動いていくのか、上記の流れと見比べながら見てみてください☺

 

 

<書類の流れ
 

①船会社へブッキング(現在は、ほぼWEB BOOKING)
②船会社よりBOOKING CONFIRMATIONが届く
③船会社指定のバンプールへオーダー
④船会社指定のヤードへ搬入票

⑤輸出許可の連絡
⑥SHIPPING INSTRUCTION(S/I)を船会社もしくは船社代理店へ送付
⑦Check B/Lの確認
⑧DEBIT NOTE/FREIGHT MEMO
⑨Request for Surrender
⑩B/L発行

 

 

⑩B/L発行

 

さて、船が出港してB/Lを船会社から届いたら無事に船積み完了です🙌

船は飛行機と違って、長い月日をかけて長い航路をを航海していますので、

スケジュールが遅れることもよくあります。

 

貨物は事前に決められらたカット日に合わせて、準備しますが

本船が当初より遅延してる場合は、その遅延した出港日になりますので、

B/Lはその翌日に発行されることとなります。

 

B/Lの記載内容と様式は、下記のようなものが一般的です。

発行する船社によって、多少の違いはありますが、おおよそこんな感じです。

 

 

 

 

長年、たくさんのB/Lを見てきましたが、配置的にはどれもこのようになっています。

船会社のロゴや名前の入る場所や多少、項目が追加してあるものもありますが、

手続き上に必要な情報はこれだけです。

 

一見すると、英語表記ばかりで尻込みすることがあるかもしれません。

でも、見慣れればそんなに難しい書類ではありません☺もし、抵抗があるようであれば、

まずは視覚的に「この辺に、この項目」で覚えてみてください。

 

B/L上には、6⃣の欄にB/Lを発行した場所と発行日、本船出港日と発行者のサインがあります。

そういうわけで、出港日翌日に発行することになっているのです。

 

さて、B/Lはふたつの役目があることを前回お話しました。

ひとつは、「船会社との運送契約」ですね。これが、一種の契約書になることから、

B/L原本(オリジナル)が発行される時は印紙が貼られています。

 

 

 

 

 

 

船が出港して、B/Lが届いたら最後に向け地の「荷受人」に関係書類を送ります。

これは、受け手に「貨物をこの内容で送ったよ」と連絡する意味もあります。

その際には、現地の税関手続きに必要な書類を含めて送付します。

 

・B/L

・INVOICE

・P/L(PACKING LIST)

※これ以外に、他法令で証明書原本が必要な物はその原本コピー等

 

 

これで、輸出船積み書類は完了です。

 

明日は引き続き、B/Lについてもう少し詳しくお話しようと思います。

 

 

 

困った時は「こびと」を思い出してください🧙‍♀️

 

 

 

 

 

 

B/LをSurrenderにする方法はふたつ。

 

 

今日は⑨について、お話していきます。

 

 

 

<海上輸送の流れ>

 

船社へブッキング
貨物、書類の準備
貨物を指定先へ搬入 
-----カット日までに完了------
輸出通関
輸出許可

--------------------------------

船積み

 


書類がどのように動いていくのか、上記の流れと見比べながら見てみてください☺

 

 

<書類の流れ
 

①船会社へブッキング(現在は、ほぼWEB BOOKING)
②船会社よりBOOKING CONFIRMATIONが届く
③船会社指定のバンプールへオーダー
④船会社指定のヤードへ搬入票

⑤輸出許可の連絡
⑥SHIPPING INSTRUCTION(S/I)を船会社もしくは船社代理店へ送付
⑦Check B/Lの確認
⑧DEBIT NOTE/FREIGHT MEMO
⑨Request for Surrender
⑩B/L発行

 

 

⑨Request for Surrender
 

B/Lが発行された後に、輸出者が行う手続きのひとつです。

必ず行うものではありませんが、必要な際にはこのタイミングで行います。

 

B/Lは船会社から署名入りの原本で3部発行されます。
 

ここで、少しB/Lの役割についてもう少し詳しくお話します。
宅配便で言う「送り状」のようなもの、と先に説明しましたが実は「送り状」プラスαの役目を持っています。
 

まず、B/L原本の裏面には各船会社の「約款」が印字されています。
これは、船会社と荷主の間で運送契約を結んだことを意味し、責任の範囲、免責などが

記載してあります。
実際に約款の内容まで正確に把握されてるような人は、業界にもそんなに居ないと思います・・・😅

 


次に、B/L原本は「有価証券」といって書類自体が流通性を持っています。
これは、「原本を持っている人に貨物を引き渡す」という意味です。


⑥でも少し触れましたが、下記のように受取る人が変わっていき、
最終的には荷送人から荷受人へ貨物とB/L原本が到着する流れになっています。

 

 

船会社→B/L発行→輸出者(輸入者より商品代の支払い完了)→輸入者へB/L貨物到着地の船会社→貨物引き渡し

 

    :船会社と輸出者

    :輸出者と輸入者

    :輸入者と到着地の船会社

 


つまり、ここにお金の流れが関与してくるということです。お金の流れを()で追記します。


(D/Nのチャージの支払い)船会社→B/L発行→輸出者(荷受人はINVの商品代金を荷送人へ送金)(輸出者は商品代金の入金確認)→輸入者到着地の船会社へ差入れ→貨物の引取り


このように日本の船会社で発行されたB/Lは、最終的に貨物が到着した現地の船会社に戻ることになります。
これは、B/L所有者が貨物を引き取れるという点で最後まで貨物を管理しているのは船会社なのです。


現地にその船会社が無い時には、船社代理店がその窓口を担います。


発行されたB/Lは、貨物と引き換えに船会社が回収しなければなりません。
逆を言えば、船会社はB/L回収ができていない貨物誰にも引き渡すことができません。

誰が引取りたいと言っても!🙅

そして、このB/Lを発行地の船会社が回収することをSURRENDER=元地(もとち)回収と言います。


原本は3部発行されていますので、3部が発行地(積地)で輸出者から差入れがあれば、現地でのB/L回収は不要となります。
 

もし、1部だけを船会社へ差入れして、残り2部を手元に置きたいなどの場合は

差入れする1部にの裏面に必ず「輸出者のサイン」をしなければなりません。
B/Lの裏面(約款が印字された面)にサインすることを「裏書き」と言います。

元地回収されたB/LのことをSURRENDER B/L(サレンダーB/L)と言います。


これは、距離が短い近海の船積みの場合や、既に商品代の入金を確認していてB/Lと貨物を引き換える必要がない場合、貨物を急ぎで荷受人に引き渡したい場合などに、到着地の船会社ではなく発行地の船会社に差入れすることで、到着地での原本が不要になるため、

B/Lの到着を待つことなく、貨物を早く引き取れるというメリットがあります。



B/Lを元地回収にする手段はふたつあります。
ひとつは、上記でお話したとおり発行地の船会社に原本を差し入れする方法です。

 

船会社→B/L3部発行→輸出者→1部裏書き or 3部全通→積み地の船会社

もうひとつは「Request for Surrender」という書面でする方法です。
これは実際のB/L原本の受け渡しをすることなく、

各船社によって用意された「Request for Surrender」のような標題ものに、
必要事項を記載の上、輸出者の署名入りで送付するものです。
船会社はこの書面を受けて、「SURRENDERED=元地回収済み」の扱いにします。

 

サレンダーにする方法はいずれでも可能なので、都度、必要な方法でB/Lを船会社に

差し入れしなければなりません。

 

貨物を引き取るためにはB/Lの差し入れ、サレンダーはとっても大事なものなので、

しっかり理解しておいてください✍️

 

明日は⑩について、お話します。

 

 

困った時は「こびと」を思い出してください🧙‍♀️

 

 

 

 

B/Lって、とっても重要な書類です。

 

 

今日は⑦と⑧についての説明です。

 

 

<海上輸送の流れ>

 

船社へブッキング
貨物、書類の準備
貨物を指定先へ搬入 
-----カット日までに完了------
輸出通関
輸出許可

--------------------------------

船積み

 


書類がどのように動いていくのか、上記の流れと見比べながら見てみてください☺

 

 

<書類の流れ
 

①船会社へブッキング(現在は、ほぼWEB BOOKING)
②船会社よりBOOKING CONFIRMATIONが届く
③船会社指定のバンプールへオーダー
④船会社指定のヤードへ搬入票

⑤輸出許可の連絡
⑥SHIPPING INSTRUCTION(S/I)を船会社もしくは船社代理店へ送付
⑦Check B/Lの確認
⑧DEBIT NOTE/FREIGHT MEMO

⑨Request for Surrender
⑩B/L発行

 

 

 

⑦Check B/Lの確認

 

さぁ、カット日までに③~⑥が終わりました。

貨物が船に積まれて、日本を出ていくまでもう少しです🚩

 

カットは基本的に、出港の前日でしたね。

ここから先は「いつまでに」という決まりはありませんが、船が出港したことを

受取る人に教えてあげるためにも、できれば「出港日」までに終わらせるのが良いでしょう。

 

ネットで買い物をした時も、「発送の連絡」が荷物の送り状番号と一緒に届きますよね。

あれを見ると、「あ、発送されたんだ」って海外からなら余計に思いませんか☺

 

それと同じで、貨物も「ちゃんと、船に積み込んで送ったよ」と相手に知らせてあげます。

貨物の場合は、受取る側も現地で税関手続きを要しますので、それに必要な書類も

必ず送ってあげなければなりません。

 

さて、船会社へS/Iを送ると、B/Lを正式に発行する前の「確認用のB/L」が届くことがあります。

 

 

B/Lってなんだっけ?↓↓↓

 

 


輸出入には、税関が関わっていることからB/Lの情報は輸入地の税関にも提出する義務があります。

この時の提出者は「船会社」と決まっています。
もし、B/L発行後に訂正となった場合は、すでに先のB/L情報が税関に提出されていることも

ありますので、船会社はB/L情報だけでなく、税関への情報訂正もしなければなりません。


B/Lの種類にもよりますが、世界各国でそれぞれ色々な決まり事があり、
B/Lを正式発行後に、その内容を変更する場合にはその国のルールにより罰金が課せられたり、
時間を要したりすることがあり、簡単にできるものではありません。

 

ちなみに、日本の場合は24時間前入港報告と24時間前出港報告のふたつがあります。

これはいずれも輸入貨物に対して課せられている規則です。

 

24時間前入港報告は、貨物を積載する本船が日本に入ってくる24時間前までに、

船会社はその貨物情報(B/L情報)を税関へ報告しなければなりません。

 

24時間前出港報告は、貨物を積載する本船が現地を出港する24時間前までに、

船会社はその貨物情報(B/L情報)を税関へ報告しなければなりません。

 

このふたつを行っていなかったり、内容が違っていたりした場合は、

船から貨物が卸せなかったり、後続の輸入申告で時間を要したりします。

 

 

このように、各国の輸入手続きにはそれぞれのルールがあるため、S/Iを送る前はもちろんですが、B/Lが届いた際にも内容の確認が必要です。
船社へ依頼すれば、発行前のB/Lを送ってくれますので、先に確認しておく方が賢明です。
誤りがあれば、この時点でまだ訂正は簡単に可能です。
先に送付したS/Iが間違っているようであれば、訂正箇所を変更後、枝番を付けて再度ACLで送ります。

 

チェックB/Lは必ずしも届くものではありませんが、届かない場合は発行後に、

その内容確認をしておきましょう👆




⑧DEBIT NOTE/FREIGHT MEMO

船会社との海上運賃やその他付随する費用の精算は、このDEBIT NOTE(D/N)という

請求書で行います。
FREIGHT MEMOという場合もありますが、いずれもこの「請求書」を指しています。
基本的に、発生する代表的な料金を参考までに載せておきます。

 

 

 


これ以外にも各船社や航路により、追加請求される項目もあります。
いずれにしても、貨物を積み出す時に掛かる費用がDEIBT NOTEによって請求されます。
項目によっては、ドル建てのものもありますので、適用の換算レートも併せて記載されています。

海上運賃以外のその他のチャージ(請求項目)を諸チャージと言います。
 

品物の料金額を決める際に、貿易条件(インコタームズ)で双方の認識に相違が無いように

取り決めをします。
その際に、運賃や諸チャージをどちらが払うかということも決めていますので、
それによって、このDEBIT NOTEの項目は違ってきます。


ネットなどで買い物をしたとき、送料が込みか買い手負担か記載がありますよね。
それと同じことと思ってください。
基本的には、輸出時に発行されたDebitには日本側で発生する費用のみなので、
現地に到着してからの費用は別途、現地で請求されます。
 

知らない費用が入ってた、ということを防ぐためにも、
日本で掛かる諸チャージも含めて、各船社に見積もりを取ってブッキングする、というのが

通常の流れです。

DEBIT NOTEが届いたら、記載してある金額を指定の口座まで振り込みます。
少し前までは、手入金(直接、お金を持っていく)や小切手などでの支払いも普通でしたが、
近年はネット銀行なども増えてきたことから、ほとんどが振込で処理されています。


この送金についても、通関業者に委託した場合は「立替」と言って通関業者が代理で一時的に

払ってくれる方法もあります。
なので、振込手配は必ずしも輸出者がするとも限られていません。
そのような背景もあり、船会社は誰がどのブッキングのお金を払ったか把握できないので、

振込後に「送金明細」とDEBIT NOTEを合わせて船社にメールやFAXで連絡します。

 

「この請求分のお金は、が払いましたよー!」と船会社に主張するのです📢


それを確認した船会社は、支払いと引き換えにB/Lを発行します。

つまり、このDebit Noteのお金を支払わないと船会社からB/Lをもらえないのです。
 

なお、B/Lは、船積みをした後に発行されるのが原則です。

船が出港した翌日に船会社から受け取ることが可能となります。

⑨に続く。

 

 

困った時は「こびと」を思い出してください🧙‍♀️